虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、三つの街

支配者交渉 その01

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 暗躍街 中立域

 策がある、そう【革命英雄】に伝えて向かうのはこの場所。
 俺の頼もしい相棒である情報屋が、ここで俺が来るその瞬間を待っていた。

「──というわけで、そのうちここに支配者たちが集まって会談することになる。お前にはその情報を、意図的に流してほしい」

「…………やっぱこうなったか。お前が来るということは、必ずトラブルが引き起こされるってことだしな」

「おいおい、人のことをトラブルメーカーみたいに言いやがって。俺のどこが、そんな厄介者に見えるんだよ」

「自分で分かってるんだから、顔を合わせて会話しろよ」

 まあ、悪い意味でというか、すぐに逃げるためな感じではあるが。
 休人を追い払ったという情報を、コイツはすぐに集めただろうからな。

「なんでそうなるんだよ」

「【情報王】もそうだが、どの支配者が辿り着いてもダメなんだ。あの場所は、本来選ばれた者だけが向かう地。けどそれは、必ずしも幸せというわけじゃない」

「……どういうことだ?」

「そのまんまだよ。三つ目の街である案役街には、二つの街が有していなかった人々を迎え入れるための機能があるんだよ」

 予め選定を行うのも、そのためである。
 ……休人は何度も死んでいるからこそ、とりあえず誰でも入れるんだよな。

「それでだ。とりあえず全員を呼びだして、牽制することにする。しばらくは侵入不可能だし、入れば分かるようにしてあるからな。そこで腹を割って話し合って……最後は、強引に契約させる」

「全然腹を割ってないだろ……【奴隷王】も呼ぶってことか」

「あの人もまあ、ここの住民だしな。ちゃんと呼ぶし、働いてもらうさ」

「お前だけだから、あんな恐ろしい相手にそれが言える奴」

 女好きな【奴隷王】(女)だが、まだまだ交渉材料を持ち合わせているからな。
 今回ならば、『プログレス』に関する情報だけで釣れるだろう。

「……俺にも利があるんだろうな?」

「俺に関する情報を売って、さぞ儲けただろうが……まあいいや。そんなVIP会談を、独占放送できるなら……どれだけの奴らが欲しがるんだろうな」

「けど、そんなことできるのか? 向こうも黙って認めるわけないだろう」

「そこはまあ、俺の腕次第ってヤツだな。ほら、ちゃんと利益があるんだからきっちりと働いてもらうぞ」

 もともと、これは俺が有利になることが決まっている話し合いだからな。
 タクマは俺と違い、『超越者』や【王】系の職業持ちに関する情報が限られている。

 ……その分幅広い情報で、俺は助けられていることは言わないでおく。
 調子に乗って、何かやらかす可能性があるのがこの男だ。

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