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DIY、三つの街
霊子変換室 その01
しおりを挟む闇厄街
第三の街へ向かうためには、とある場所を通らねばならない。
なので今回、【情報王】率いる休人たちが目指すのもそこである。
「──『霊子変換室』、それが守らねばならない最後の関門」
「……なぜそれを、君が知っているのだ?」
「いろいろな伝手がございますので。すでに英雄様も、見つけておられるのですね?」
「偶然ではあるが、それを見つけた者から聞いてな。しかし、その情報は【情報王】にも把握されていたらしい」
まあ、これは『プログレス』が配られる前の話なので、俺は悪くない……はずだ。
俺と英雄様こと【革命英雄】は、目的地である霊子変換室へ向かっていた。
ただ、英雄様はあくまでその場所を知っているというだけ。
中に入るためには、さまざまな条件を満たす必要がある。
霊子変換室とは、その資格を問う場所。
……まあ、正確にはそこまでは行くことができるのだが、その先へ向かうことが困難というだけの話。
「英雄様、そして皆さんはこの地の防衛をお願いしたいです。残念ながら、共に向かえる方が少ないことは承知しておりますね?」
「……そうだな。ならば、いっさい敵を通さぬことで、その力を証明しよう」
「いえ、それは止めてください。皆さんが抑えるのは休人以外、彼らは私独りですべて食い止めるとお約束しますので」
ほとんどが休人で構成されている今回の侵攻だが、ごく僅かながらこの世界の住民も参加している……高額報酬だし、【情報王】も様々なパターンの情報が欲しいのだろう。
「しかし、それでは……!」
「彼らは不死、なのでどうとでもなります。彼らもまた、それを承知の上で無茶な戦いをしてくるはずです。そして私も……ですので英雄様たちには、本来行うべき戦いのみに集中してもらいたいのです」
「……その言い方は、卑怯ではないか?」
「卑怯で結構。最悪の場合、渡していたポーションをご利用なさってもかまいません……とは言っても、『薬毒』さんが居る以上、不要だとは思いますがね」
薬と毒、相反する病を物にするだけではなく、その要因となる傷や魔法全般に関する処置方法まで学んでいるお方である。
今回の防衛作戦においても、協力をすでに了承してもらっていた。
少なくとも休人が特殊な攻撃でもしてこない限り、誰も死ぬことは無いだろう。
「というわけで、可能な限り通してくださいね。彼らの大半は、無為な争いは控えるはずですので」
「もし、そうではない者が居たら?」
「そのときは……お任せしますよ」
中には居るのだ、そういった加虐に満足するような輩が。
そこまで庇うつもりはない、とっとと死んでもらうのが世のためだろう。
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