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DIY、お披露目する
見習い成長 その07
しおりを挟む戦闘系の職業はすべて、カンストした。
先ほどの全武器&全属性の一斉射出ともなれば、経験値はすべての戦闘系職業に割り振られるからな。
「問題は……非戦闘職だよな。生産職だけはクリアしてあるけど、いろいろと残っているものがあるし。『SEBAS』、具体的にどういうものがあったっけ?」
《たとえば──【見習い介人】は補佐をすることで、【見習い記者】は情報収集や記事の作成などで行動経験を得ます。中にはいっさいの戦闘能力を失うことを対価とする能力を持つ職業もございます》
「面倒臭いな……そういうのって、簡単にレベルを上げる方法がないのか?」
《非戦闘職の場合、支援によるレベルアップが主な方法です。そして、その効率は行動に沿ったものがもっとも大きく、その次が高レベルの者に支援を行うというモノですね》
要するに、就いている職業らしいことを高レベルの者相手にやればいいと。
それを言われて思い当たるのは、暇なら面白いという理由で何でもやるお偉い女王様。
……全然女王様って感じしないし、勝手に女友達みたいに扱っている気がするけど。
「まっ、処刑だって言うなら縁を切ればいいだけの話か。釣り好きな平社員でも、社長と仲良くなれる話があるくらいだし」
《もともと『騎士王』は慕われておりますので、問題はないかと。把握している限り、侮辱罪が実行された記録はございません》
「……よく調べたな。まあ、そういうことなら問題ないのか。こっちでくらい、ある程度自由が欲しいから止める気は無いけど」
口調を整えずに話せる相手というのも、少しずつ疎遠になったりして減っていた。
そういった意味でも、口喧嘩のできる相手は貴重なのだ。
「ダメならダメで、別の方法を考えてみるとして……とりあえず行こうか」
《畏まりました。転移装置起動──目標座標『冒険世界』》
鞘に仕込んだ装置が起動し、俺の体は迷宮から瞬時に別世界へ移される。
……本当は迷宮で転移はほぼ不可能なんだが、そこは【救星者】さまさまだ。
◆ □ ◆ □ ◆
冒険世界
「──いいだろう」
「即断かよ。なあ、そんな急に言ってもいいことなのか?」
「……ふっ、私にも私なりの考えというものがあるのだ」
「まあ、別にいいけど。どうせ仕事が溜まっていて、逃げてきたんだろう?」
ポーカーフェイスを貫く『騎士王』だが、短い付き合いだがそれが嘘だと察する。
冷や汗とかそういう部分も完璧に制御しているのだろうが……なんとなく分かった。
──まあ、一発で分かる方法があるけど。
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