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DIY、発明する
依頼選択
しおりを挟む冒険世界 初期地点
「──というわけで、ユニークモンスターとやらを探しているんだが……心当たりは?」
「毎度のことだが、急だな『生者』は。用事とやらは済んだのか?」
「お蔭さまでな。だからと言って、何か特別なことをするわけでもないんだが」
「なんだかんだ言いつつ、『生者』は自分に利があれば協力してくれる。『超越者』の中でも、『生者』と接触した者であれば似たような見解に至っているだろう」
そういえば『騎士王』、たしか俺の意見をガン無視して依頼を受けさせるとか言っていたような……そこにメリットを付けるから、受け入れろってことか。
「はあ……具体的な内容は?」
「おおっ、やってくれるのか!」
「脅した癖に何を言ってやがる。だから、全然やる気が湧かないんだよな……」
「ちなみに『生者』よ、楽な仕事と役に立つ仕事のどちらを選ぶ?」
また無視された。
しかし、どちらの方がマシかと聞かれると考えざるを得ない……どちらであっても、俺が得をすることに違いは無いのだから。
「具体的な内容を言ってくれ。俺だって、失う命ぐらい考える」
「前者は生産に関する依頼だ。腕はすでに見ている、すぐに済む。後者は『超越者』に関する揉め事、その仲裁に入ってもらいたい。こちらも……『生者』であれば、得をするのではないか?」
「その『超越者』ってのは、俺が知っているヤツなのか?」
「『千変万化』。いや、『千変』と『万化』の二人だ。二人の諍いを止める、それを依頼したいのだ──頼めるか?」
実際には、半ば命令に近い頼みだ。
だがまあ、わざわざ二つに区切ったその現象は調べようがあるだろう。
「分かった、そっちを引き受ける。ちなみにだが、具体的な場所はどこなんだ?」
「……不明だ」
「不明? いや、どういうことなんだ?」
場所が分からないのに問題だけ出されたとして、どうやって解決しろというのか。
ウワサ程度とか、そういうことに関しては『騎士王』のことだから問題ないだろうが。
「奴らは互いの権能を上手く使い、一種の異空間を作り上げている。あまり世に出てくることはなかったのだが……最近、休人こと星渡りの民が現れ始めた影響か、確認されやすくなっていてな」
「……そこまで同胞のせいとは思えないからあんまり深く関わる気はないが、その被害とかは出ているのか?」
「死者は出ていない。が、環境に変化が起きることが多くてな。それを食い止めるためにも、どうにか突き止めてもらいたい」
「はあ……家族に影響が出るのは避けたい。だから協力することにするよ」
どんな奴らかは知らないが、理由次第では何かしらの制裁が必要なのかな?
……もちろん、俺にそんな力はないし、コイツに任せるだけだけど。
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