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DIY、家族と共に
家族冒険 その07
しおりを挟む「お次はこちら──『博物の間』です。マイお嬢様のご要望に沿い、皆さまの経験から展示される物が増えていきます」
「「ど、ど○森……」」
俺とルリはレトロゲーをやってみるということで、それをプレイしたことがあった。
まさに俺たちのそんなイメージを読み取ったかと思うような場所が、ここには在る。
すでにアイプスルにあるもの、俺が集めた品なんかは揃っているようだ。
というか、だいたいの物は:DIY:と迷宮があれば集められるからなー。
「姉さん、どうして作りたかったの?」
「従魔たちが集めてきてくれるから、私も少し嵌ったのよ。だからそれを集めて、並べて観れるような場所が欲しかったわけ」
「……そっか、おねだりされた物をお父さんが張り切って集めたりなんてことは、いつまで待ってもできないってことか」
「私も張り切ろうと思っていたのに……」
娘の真っ当な理由に、少々邪なことを考えていた父母は挫折してしまう。
おそらくこの先、自分色にこの場所を染め上げるつもりだと察したからだ。
◆ □ ◆ □ ◆
「というわけで、私が望んなものはこんな感じの場所でーす!」
「「うわぁーっ!」」
「……これは、凄いな」
「奥様のご要望は団欒の場所。それをこちらで反映させたのが──『一家の間』です」
そこは魔物の居ない広い場所だった。
青い空に白い雲、そして温かな日射し。
決して今のアイプスルでは本物を見ることができないはずのそれらが、ルリの望んだこの場所には存在している。
丘の上に建てられた決して大きいとは言えない、だが家族が住むにはちょうどいいサイズの建物。
これがルリの理想だというのであれば……現実でも反映されるのか?
「ルリ、お前は……」
「分かっていますよ。これはこの世界だから行ってみたい場所、私たちの過ごすあの家には敵いません」
「……ははっ、俺はルリに敵わないよ」
望んだ場所も、その在り方も。
器が大きいとは瑠璃のような人のことを言い、誰よりも家族のことを思ってくれているのだろう。
俺も俺なりに、負けないようにと勤めてはいるものの……まだまだ遠く及ばないのだ。
「じゃあ、次に行きましょう!」
「「「おーっ!」」」
だがまあ、いつまでもここに居てはここに何があるのか調査が終わらない。
何より、みんなは俺が望んだモノをまだ知らないのだ──間違いなく次はそこだ。
少々この後に出されるのが恥ずかしい気もするが、セバヌス……いや、『SEBAS』が準備してくれたモノが低クオリティだったことなど一度も無い。
「……驚いてくれるといいな」
──信じるしかない、俺の想像をはるかに超える場所が広がっていることを。
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