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DIY、家族と共に
神様談(16)
しおりを挟む「……あれって、どうなんだろう?」
「どう、とは?」
今日も今日とで、そこでは少年の姿をした者が少女の姿をした者へと問いかけを行う。
少年──創造神は映像に見える巨大な樹を見ながら呟く。
「神・世界樹、と認識されているアレだよ。僕たちはあんな物、創ったことがない」
「……はい」
「ツクル君の認識が、新たな物を生みだしたのかもしれない。けど、知恵の実がすぐに実る世界樹を僕たちはどれだけ有している?」
「……ございません。世界樹に実るのは、数年に一度。それも、たった一種のみです」
少女──◆◆◆◆がその樹を見たのは、一度しかない。
それでも分かった、視界に映る大樹の方が生命力……否、星命力に満ち溢れていると。
「まあ、それもこれも──僕の血を使ってくれたからだよね! うん、これからはきっと供物としてあの実が入るんだよ! ふっふっふっ……アイツらに恩を売り放題だよ!」
「……台無しですよ?」
「おっと、もちろん分かっているさ。ツクル君がせっかく用意してくれたチャンス、僕もただ都合よく動くわけじゃないからね……最近は他の神友も来てくれないし、動ける内に動いておかないと」
「それは■■■様が、皆さんに難題を押し付けたからではありませんか」
ツクルが【救星者】に至ったことで、これまで休人──星渡りの民たちを個々に注目していた神々もその存在に気づいた。
そして、驚愕する。
誰もが諦め、放置した……蘇るはずのない世界が、再び繁栄を始めていることに。
「ツクルさんへの接触を抑え、使徒の派遣すら禁じたと。お蔭でヴァルハラ側でも大きく揉めたそうですよ」
「あちゃー、けどツクル君ならどうとでもしてくれそうだったしね。実際、最後には感謝状が届いたじゃないか、お蔭でエインヘリヤルたちがやる気に溢れたって」
「その感謝状、ずいぶんと殺伐とした真っ赤な物でしたけどね」
ツクル当人には評価を与え、褒美を与えた彼の世界の神々たち。
しかしそれを、分かっていてもアポを取らず実行させた創造神は別の話。
いずれその礼はする、と後日書状が届いていたのだ。
それを見た創造神が、笑っていたことを◆◆◆◆は忘れない。
「たしか次は、ツクル君が家族と冒険をするとか言っていたね。そこに手を出すのは……さすがに野暮かな?」
「そうですね」
「少しぐらいなら……分かった、止めるからその手を止めてくれよ」
悪巧みをしようとする創造神を止めつつ、◆◆◆◆はどうか何事も無いように……と自分が頑張らなければと決意するのだった。
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