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DIY、家族と共に
休日開放戦 その04
しおりを挟むさっそく騎士長によって配置が決められ、俺も移動を始めた。
最初は単独でも構わないと言ったのだが、さすがにそれはダメだということで……。
「こ、こちらです」
斥候担当の騎士が一人、同行していた。
事情を知っている者ならともかく、まさかドローンで場所を確認しているとは思わないだろう。
しっかりと場所を知っている騎士を付け、案内されているわけだ。
山の中をこそこそと歩き、少し遠回りではあるが目的地へ進んでいく。
俺も死亡レーダーで確認しながら、PK集団と遭遇しないように道を確保する。
俺は索敵スキルの警戒網でも死ぬので、斥候役の騎士よりもそこは簡単にできるのだ。
「すみません、少しいいですか?」
「は、はい! なんでしょうか?」
「どうしてあなたは、この教団で騎士として働いているんでしょうか?」
「……それ、今必要ですか?」
まだ接敵をしないので、緊張を解したかったのもある。
だがやはり、休人ではない彼女がいかにしてルリの下に居るのか気になったのだ。
「いえ、ただ……今のあのお方が、何をしているのかが気になったのです。私も、あのお方に救われた身ですので」
「あなたも? ……分かりました。ただ、私が話すので、よければ貴方様のお話も聞かせていただきたいです!」
「構いませんよ。どうやら、私と同じような体験をしているようですし」
やはり暇だったようで、一度緊張の糸を解いてしまえば口も軽くなる。
彼女はいかにして、ルリが目の前に現れたのかを鮮明に話してくれた。
「そうですか……病気であった家族を救うために……」
「はい。初めて見たアズル様の御姿は、とても美しく……だからこそ、金目の物を持っていると確信しました」
「それで、何かを盗んでお金にする。それからそのお金で、薬を買おうとしたと?」
「ですが、それはリンスウェル様に防がれてしまうんですけどね。それで事情を話したところ……あのお方がすべてを救ってくれました。ただ、何も恩を返さなくとも仰っていましたので……騎士になりました」
ルリって基本、礼を求めない善行を素で行うのがパターン化している。
運が良すぎるので、大抵のことは誰かに頼らずともできるからな。
「──以降、あのお方に相応しい言葉遣いや振る舞いを覚えて、騎士団の斥候役として働くことになりました……これが私の話です。次は、貴方様のお話を」
「はい。ですが、あまり時間も無いようですので簡潔にお話しします──彼女を彼女だと知らず、出会った私。いくつかの冒険を経た後、自分の想いに気づかされ……っと、敵が来ましたね。転移系の能力持ちでしょうか」
「あの……続きが物凄く気になります」
「……言っている間もありませんよ。すぐに何をするのか決めなければ」
自分で言っていて恥ずかしくなったし、タイミングよく見つけた敵を理由に話を強制的に切り上げる。
……この後は、今に至るまでの話しか残っていないからな
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