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DIY、真・就職活動
逆侵攻 その02
しおりを挟む転移した先、サロックでは歓待を受けた。
どうやら魔族を追い払ったということで、感謝されているようだ……ある意味取引をした側からすると、なんだか罪悪感がな。
今回も『侵略者』が来ることを説明し、全力で防衛することを町の長に説明。
最後には納得していただき、一時的に結界の構築をすることで話は済んだ。
「──前回は簡単に済ませることができたけど、今回は手間が掛かりそうだな……何かいい方法はあるか?」
《おそらくですが、【勇者】の『迅』は通用するでしょう。しかし、それでは少ない数の侵略者にしか対応できません。前回同様、旦那様には『覇獸』の力を用いて侵略者たちを喰らっていただきます》
「了解。それで、すぐに突破できそうか?」
《可能かと。新種が発生した場合は不明ですが、その際は支配した侵略者を利用すれば対応可能です。その後、旦那様に喰らってもらうことで平時でも対応できるようになることでしょう》
喰らった相手の能力を使えるようになる、そんな権能を持つ『覇獸』。
俺はその権能を劣化させる代わりに、喰らわずとも発動可能にできた。
なので喰らうとは比喩的な表現。
倒して解析する、つまり糧にすることで再現が可能になる。
……食べることも、いちおうできるけど。
「侵略者、今回は何も侵略してないよな?」
《ここら一帯の魔物は侵略されることでしょう。ですが、前回と違いそれは屠ってもよい魔物です。旦那様が徒労をなさる必要などございません》
「『死天』のアイテムを使って一掃……なんてのもやっていいか? 久しぶりに無双ゲーみたいにやってみたい」
《畏まりました。予定を一部変更し、旦那様が直接戦闘を行えるように致します》
本来の予定だと、どうやら俺は高みの見物だけで終わっていたようだ。
すでに種族レベルも999に至っているので、それでも別にイイと言えばいいんだが。
「──まあ、種族レベルの経験値にはまた別の使い方が見えてきたし、結局は溜めておいた方がいいことに変わりはないんだけど」
《経験値ですか? 今回は何を解放なされるご予定でしょうか》
「いや、特に決めていないから溜めておいてくれ。必要な時にちゃんと必要なモノが手に入るようにな」
《仰せのままに》
職業【勇者】の解放に経験値が必要だったように、種族の方にも隠し機能があった。
異なる経験値が必要なため、戦闘で経験値回収を行うのも忘れてはならないのだ。
《──旦那様、反応が》
「俺からも見えている。あの扉から出てくるわけだし、ちゃっちゃと終わらせようか……先に塞ぐんじゃダメなのか?」
《その分、騎士たちに被害が及びますが宜しいでしょうか?》
「よろしくないな……さて、逝きますか」
そして、再び侵略者との闘いが始まる。
今回は【救星者】もあるし、サクッと終わるだろうよ。
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