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DIY、真・就職活動
逆侵攻 その01
しおりを挟むブリタンニアに転移させられた俺は、王城の中で話し合いに付き合わされていた。
だいぶ前にも同じことがあったが、そのとき同様最初に造った思い出の椅子に座って。
そういえば、十三番目の椅子に座ると不幸というか死ぬみたいな感じの話があったような気がする。
今の俺は死なない状態ではあるが──世界最強の『騎士王』の配下、【円卓騎士】すら殺し得る仕掛けに座りたくはない。
なんてことを思いつつ、彼らの話し合いの内容を『SEBAS』に纏めてもらいながら聞いていく。
真面目な話なので、会話には参加しない。
促されればするつもりだが……真面目な状態の『騎士王』は基本、俺を必要としていないからな。
「……なるほどね、また侵略者か」
要するに人手が足りず、呼ばれたようだ。
最近、侵略者の発生率が高まっていて、前に呼ばれた魔族の侵攻時みたいに外部委託したくなったらしい。
まだこの話は続くみたいだったので、傍から見れば聞いていない風にも見える方法で情報収集に努めていたが……。
「──『生者』、訊いているのか?」
「……ん? 何かあったか」
「『生者』、其方には前回同様サロックの守護をしてもらう。そして、それが終わり次第一度首都へ戻って来てもらおうか」
「何か来るのか?」
前回は終了した後は自由時間になっていたのだが、今回は違うようだ。
もしかしたら、また別の場所に向かわされるのかな……とか思っていたら──
「『生者』、其方は私と共に侵略者たちの世界へ逆侵攻を掛ける。決して死なない、何より侵略者を倒す術を持っている『生者』が必要だ。いっしょに来てもらうぞ」
「……他の騎士たちは?」
「奴らの本質は戦闘力ではない、それは理解しているだろう? 貴重な【円卓騎士】たちに無茶はさせられない」
「俺にはできるってことか……ああいや、別にやらないとは言っていないぞ。俺も安全を確保できた状態で、侵略者側の世界に行きたいとは思っていたからな」
捨て駒要員ではあるが、『騎士王』という完全無欠の道先案内人が居るのだから安全は守られたというものだ。
多少の不服は申し立てても、拒否をしてこの機会を逃すような真似はしない。
……心配そうな『ガウェイン』さんには、問題ないと笑みを浮かべておく。
「『生者』の了承も得られたようだな。ならば、すぐにでも実行しよう。騎士たちよ、準備を始めるぞ」
『──ハッ!』
「『生者』もすぐに向かってくれ。予定では夜明け前には来るだろう」
「予定ねぇ……はいはい、了解っと」
未来予知もできるのかもな。
そんなことを思いながら、俺は前回訪れた街を指定して転移を行うのだった。
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