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DIY、真・就職活動

職業勇者 後篇

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「【勇者】とは要するに、神々に注目された者に与えられる目印だ。娯楽に付き合わされる駄賃として、死なないように強化を行っている……それが【勇者】というわけだな」

「加護があれば、誰でもいいのか?」

「そういうわけではない。【英雄】などは最悪の条件に、一度に百人を殺したことを称賛されることなどがあるが、【勇者】に求められるのはいつだって勇ましくあること。つまりは奇跡と呼ぶべき戦いだ」

「……命を賭けベッドして戦えってわけか」

 加護持ちが優遇されることは分かっていたのだが、【勇者】もそうなのか。
 まあ、たしかに異世界物とかで【勇者】になるヤツってだいたい加護持ちだよな。

「だが、【勇者】ではまだ足りない。あくまで目を付けられているというだけであって、職業スキルである『迅』も【魔王】に攻撃できるようになるだけだ」

「……あっ、そこに繋がるんだな」

「基礎属性と同じ『迅』では、魔物への特攻があるぐらいだろうか。その真価は第二段階である『覚醒』を経て発揮されるのだ」

「おおっ、なんだか凄そうな言葉の響き!」

 常日頃の攻撃力が1の俺としては、魔物への特攻という部分にも興味があるが……それよりも今は『覚醒』が気になる。

「『覚醒』とは職業システムに存在する、特殊な派生をした上級職だ。当人のスキルなどが関係していて、その大半がオンリーワンな職業となるな」

「やっぱり面白そうだ。で、『覚醒』するにはどうすればいいんだ?」

「称号を得るのだ。『生者』が【勇者】に目覚めたのも、称号に【勇者】に関するモノが発現したからだろう? つまり『覚醒』も、それと同じ手順を踏むのだ」

「…………なるほどね、そういうことか」

 たしかに生産職をカンストさせまくったことで、得ている称号が有ったはずだ。
 それが条件で【勇者】に派生先が出現したのであれば……うん、納得できる。

 だが、それならもう少し発現してくれても良い気がするけどな。
 たとえば『天』とか『匠』とか、そういう称号とかも。

《おそらく、運営謹製の称号なのでしょう。そちらも解析中ですが、アイテム同様独自のシステム体系がございました》

 考えていると、『SEBAS』が思考を読み取ったのかそんな報告をしてくる。
 まあ、こっちの奴らが防御無視とかそんな称号を持ってたら厄介だよな。

 何より『冒天』の運命強化とフラグ増大の(勝手に俺が呼んでいる)能力なんて、理解できるか分からないしな。

「しかし、『生者』よ。あえて何も言わずにいたが、とうとう達したのだな。【勇者】もそれが理由であったか」

「急だな。それがどうした?」

「……いや、一つ頼みたいことがあってな。私とブリタンニアに来てもらえないか?」

 突然の発言だが、普段の『騎士王』と違いたまに見る真面目な顔をしている。
 なので俺もすぐに了承し、彼女の転移魔術によって移動を行うのだった。

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