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DIY、真・就職活動
レベル限界 中篇
しおりを挟む「──というわけで、俺はレベル999だ」
ただ事実を告げたのだが、拓真は訝しむ死線を向けてくるだけ。
あれからすでにログアウトを行い、一日という時間が経過している。
「なんだよ、そのウェブ小説にありそうな言い方。というか……もう、ムチャクチャだ」
「そう言われてもな……魔力と器用さ以外のパラメーターは伸びてないんだから」
種族レベルを目標値まで上げたのだが、やはり俺に掛けられた縛りは変わらずに働く。
というか、特に変わる理由なんかもないのでそのままなわけだ。
「その分、二つがそれなりに伸びているだろう? 装備とか職業で補ったとしても、完全にステータスポイントが立派なんだ、それはもう充分な力だろう」
「だからチートってか? あんまり言いがかりはしないでもらいたいんだが……それ以上のことがあったからこそ、呼んだんだし」
「──あー、そういうえばそうだっけ? いきなり衝撃的なことを言うから、すっかり抜き落ちていたな」
俺の力は代償があってのものだ。
それを踏まえずに力を得ることはできないだろうし、ゲームとしての楽しみを削る行為とも呼べよう。
それでも行えたのは、家族のためという大きな使命感があったからだ。
……まあ、今ではそれ以外にも理由ができたわけだが。
「話を戻すか……レベルを999にするには面倒な条件がある。これは、とっくに掴んでいるよな? 普通は先に250になったときに、レベルが一時的にカンストする」
「ああ。進化を重ねる、それか特殊な称号を得ることでそれを突破できるんだろう? クエスト達成が本当のやり方だ」
「俺もクエストだな。間違いなく、クエストの中では異常な方だと思うけど……とにかくだ、そうやっていくといずれは届くんだよ、レベル999にさ」
「……さっきからその言いぶり、もしかして何かあるのか?」
どうやら気づいてくれたようだ。
最終的にはバラすつもりではあったが、やはり段階を踏んだ方が面白いからな。
「そう、あれはレベルを999に届かせたそのときだった。突然目の前にUIが表示されて、いろんなことを知った」
「いろんなこと、ねぇ……それは、俺が教えてもらえることなのか?」
「そうじゃなきゃ、俺がわざわざこういう場で話すわけないだろう。隠すことなんてしない、話せることは話すって」
拓真もこの言葉の裏は読んでいる。
つまり、話せないことも存在すると。
ゲームの中ではないので、発言の自由は守られる……それでもなお、話せない。
それがどういう意味なのか、拓真は分かっているのだ。
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