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DIY、紡がれる関係性
神様談(15)
しおりを挟む「第二回! ツクル君が全然【救星者】っぽいことをしてくれない問題について―!」
「……はぁ」
「ねぇねぇ◆◆◆◆、まったく同じ反応ってのはどうかと思うよ。君が思っていることをぶつけてくれるのは面白いから構わないんだけど……つまらないのは嫌だな」
「そうですね……分かりました」
二人分の声が、その空間では木霊する。
しかしそこに人はいない──在るのは神という存在、その意識だけだ。
「今回のイベント、ツクル君のレベルがついに999まで達したね。◆◆◆◆、それにはどういった意味があると思う?」
「人族最強……でしょうか」
「ツクル君がかい? これまでツクル君を見ていて、それが本音とは言わないよね?」
「それは……」
◆◆◆◆も分かってはいた。
ツクルがどれだけレベルを上げようと、それは彼の強さにまったく影響しないことを。
彼の本領は生みだすこと──誰も想像しえないアイテムを自在に操り、己の弱さを見せることなく圧倒する点である。
「ははっ、ちょっと意地悪だったね。だからヒントをあげよう──君の望んでいたこと、その資格を正式に手に入れたわけだ」
「……神族への昇格、ですか?」
「まあ、似たようなものさ。かつて、その領域に手を伸ばした者がいる。彼女は今、騎士の神として崇められている……そう、彼も話に聞いた初代『騎士王』のことだね」
■■■──創造神ははるか昔より存在するため、ツクルや当代の『騎士王』すら知り得ない情報を保持していた。
その中の一つが、初代『騎士王』が成長の果てに得たモノである。
「けどね、◆◆◆◆。人がどれだけ才覚を持とうと、神という概念が持つ全能性には届かないんだよ。たとえ『騎士王』……世界の守護者だろうと、それは同じ」
「ですが……その、そのお方は──」
「そう、神になったんだよ。他でもない、可能性のみを与えられた普人の身で」
普人という種族には、他の種族と違い特出した点がない。
その代わりに与えられたのは、幅広いスキルへの適性だ。
初代『騎士王』もまた、例外ではない。
ただし、彼女の場合ただの普人と異なり、そのすべてが特出した才を持つ他種族よりも優れていたわけだが。
「条件はいくつかあるけど、ツクル君は彼女と違って【救星者】だ。その力をちゃんと理解してくれたなら、彼女が費やした時間よりも早く神に到達できると思うよ。──けど」
「…………」
「今のままだと、絶対にどうしようもならない問題がある。◆◆◆◆、君が望む未来はそれをどうにかしないと訪れない」
人族であり、彼が星渡りの民であれば避けられない問題。
それを提示した■■■は、苦悩する◆◆◆◆をそっと見守るのだった。
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