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DIY、再び革命へ
央州戦線 その05
しおりを挟むこれまで起きたことを『宣教師』は語る。
権能なのか本人の舌が回るのか、その説明はとても分かりやすく脳に入っていった。
まあ、『SEBAS』が字幕として表示してくれているものを読んでいるわけだが。
いちおう洗脳……というか精神に直接入るであろう、『宣教師』の言葉への対策だな。
「──というわけで、『生者』君が通る穴を作ってからここに来たわけだよ」
「そうであったか……『生者』殿、改めて感謝する。より多くの戦力、それが間違いなくこの先必要となるのでな」
「いえ、私にも私の目的がございます。そして『生者』としての在り方が、今のこの街を認めません。ならば、皆さまと共に動くことが最適……そう思いましたので」
「ふむ。では『生者』殿、一つお尋ね申し上げたい。もしあちらの勢力より、好条件を与えられた時……貴殿はどうされるので?」
答え次第では……と、いかにも試していますという問いをしてくる代表者。
まあ、若者には俺を信じていないヤツもいるみたいだしな、しょうがない。
「変わりませんよ。むしろ、中に潜り込んで隙を伺う絶好の機会ではありませんか。これはあとで話す予定でしたが、連絡を密に行うための魔道具を用意してありますので、そちらで情報を送れるようにしますよ」
「……これが、魔道具なのですか?」
まあ、疑うだろうな。
ただの紙コップ、見た目はそれだから。
「底にご注目ください。そちらに刻まれた術式によって、遠く離れた場所へ音を伝えることができます。その小ささであれば、隠すことができるでしょう」
「なるほど……試しても?」
「ええ、どうぞお好きに。陣に魔力を籠めれば起動します。一度起動すれば、もう一度魔力を籠めるまでは辺りの魔力を使って永続的に繋がりますので、会話を盗聴するといった方法にも使えますね」
「うむ、やってみよう」
そこからは、実験からの使い方について話し合う時間となった。
これがあれば派手な仕掛けなど無くても、合図を行うことができるからな。
声を出さなければいけないというのも、叩いた信号で読み取る暗号方式を採用してクリアし、いくつかの問題点を俺に提示すると、生産用の工房を与えてくれた。
「……とまあ、上手く行ったわけだが。これからどうなると思う?」
《ドローンを飛ばしていますが、地上にて主だった動きは確認されていません。翌朝になれば、『宣教師』が話していた通りになるかもしれません》
「だから急いでいたわけだしな……いったいどこを滅ぼそうとするんだか」
四等分、なのかな?
先に場所が分かれば、対策できる……しっかりと情報を開示してくれよ。
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