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DIY、再び革命へ
五州戦線 その08
しおりを挟む「ここが東五州……の入り口か」
山の中から双眼鏡を使い、東五州に該当する領域に入るための門を確認していた。
中央区画である中五州を囲む砦と異なり、東五州と北五州を隔てる門は、山の部分で壁が途切れている。
「『SEBAS』の言っていた通り、兵士が立っているんだな。まあ、俺は山を通ればいいだけなんだが……魔物、居るのか」
《壁を整備できない程度のレベルですが、魔物が徘徊しているようです。しかし、旦那様はそれ以上のレベル魔物とすでにこの山中で邂逅しております》
「……ああ、散々食われたもんな。それよりも、ここの奴らは弱いってことか?」
《いえ、派遣したドローンから推測した平均レベルは、魔物に勝ち得るものでした。なのでおそらく、築く必要性を感じていない……のかもしれません》
戦争真っ只中の土地なのに、どうしてそういう考えになるのだろうか。
いや、もしかしたら壊されたかも……と考えてみたが、それなら跡が無いのでおかしいという結論に至ってしまう。
「なら、どうして中央には砦があるんだ?」
《不明です。情報が足りません……仮説を挙げるのであれば、中央をかつては崇めていたのでは? というものがございます》
「それが今では五等分か……やれやれ、いつの世も争いごとの種はあるんだな」
あるいは『宣教師』が? とも思ったが、さすがに違うだろうと考える。
長寿の種族という可能性もあるが、たとえ要因であっても原因ではないだろうし。
「まっ、そろそろ行くとしよう」
先ほども説明した通り、山の中を歩いていけばいつの間にか東五州に辿り着く。
魔物たちが蔓延っているので、普通は危険なのだが……俺には関係ない。
「おっと、巨大化した虫か……えっと、見た目的にダンゴ虫か?」
《こちらの島では『団固虫』と呼ばれる魔物です。集団で敵対する生物を轢き殺し、殻で身を守りながら食事を行います》
「移動速度も防御力も高いわけだが……それでも封印系の能力があるわけじゃないから、いつまで経っても止められないわけだ。まあ虫からしても、俺は理不尽な存在だな」
《いえ、それこそが旦那様です》
まあ、ダンゴ虫も不幸中の幸いだろう。
経験値(微量)も得られるし、何より苦しむこともなかったのだから。
もし俺以外の家族に会っていたなら、間違いなく何かしらの糧となっていただろう。
「マイとルリはどちらかというと、自分でやる感じじゃないが……まあ、ダンゴ虫が死ぬという結果は同じか」
そんなこんなでダンゴ虫たちを無視して、俺は東五州へ侵入する。
こうやって、州を巡っていくんだな。
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