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DIY、再び革命へ
五州戦線 その05
しおりを挟む「──とりあえず、北五州を探ろうか」
式神が飛び交っているわけでも、武具でできた城が在るわけでもない。
原付きで巡る際によく通った、ごくありふれたかつての日本風景(戦国版)である。
いくら『宣教師』といえども、建築技術の革新には相応の時間を要するのだろう。
現にいくつか異国風の魔道具が出回っているようだが、建物は皆同じような感じだ。
「……悪いことばかりじゃないわけだな。けど、俺たちの世界でも異物ってのはあまり好かれない場合が多いからなぁ」
《『宣教師』が宗教を伝えているかは不明ですが、意思を統一する手段を教えているのであれば同じ道を歩むかもしれません。しかしこの世界には、スキルがございます》
「……会ってないから効果が分からないな。話術とか、そういうのも持っているかもな」
もしそれが権能だったのであれば、洗脳に等しい話術を手にしているのだろう。
だが、話すだけならば誰でもできるので、スキルの可能性もある……『賭博』も話術はそれなりにあったっけ?
「まあ、それはいいとして……この北五州はいったい誰が治めているんだ? 赤と青に分かれていた奴らを統率しているんだよな?」
《はい、集めた情報によると『ハヤセ』という者が長となっているようです》
「ハヤセねぇ……会えるか?」
《少々難しいかと。この五州では、常に諍いの種が存在します。互いに諜報員を派遣し、情報を集めいつでも寝首を掛けるようにしておりますので》
戦争中の国であれば、まあそういうこともあるかもしれない。
でもそれって、諜報員と言うか暗殺者な気もするが……いや、こっちなら忍者か?
まあ、それでも俺と『SEBAS』が送りだしたドローンには気づけていないのだから本当に優秀である。
いつでも情報を集められるし、その気になれば暗殺だってできるしな。
「うーん……けど、ここには『宣教師』はもういないんだろう? 普通、教えた場所に滞在する必要は無いからな」
《我々を欺く隠蔽技術を有していないのであれば、おそらくはそうかと。現在、新たな技術を導入した州を探っております》
「何をしたにせよ、その形跡は残るわけだしな……そうか。今回は魔法だった、つまり別の大陸から来ていたわけだが……それぞれの技術をどこまで持っているのか、疑問だな」
《生産技術において、旦那様の右に出る者はいないでしょうが。それでもあちらの大陸には、旦那様に比肩する『超越者』がおりますので注意が必要かと》
そう、さながら創作物における知識チートのように、うろ覚えであろうとヒントを提供すれば才人たちは技術を確信させる。
──『宣教師』、お前はいったい何のために伝えているんだか。
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