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DIY、就職活動へ
仮想戦闘 後篇
しおりを挟む「無理無理無理無理無理!」
《再現率20%でしたが……やはり、と言うべきでしょうか》
「さすがだな、おい。それだけでもここまでの実力なのか──『騎士王』は」
戦闘データは一度目の来訪、そして二度目の来訪である程度集めてある。
特に二度目は魔族と魔物相手との闘いだったので、それなりに力を振るっていた。
だがそれでも本気ではなく、『騎士王』はまだまだ余裕を保っていたんだとか。
そんな戦闘データなので、あくまで完全体ではないのだ。
「しかもこいつ、まだ魔術まで使えるし……あと聖鑓も」
いろいろとチートすぎる『騎士王』。
レベルの上では俺の方が上だが、能力値というか才覚の差が天と地の違いなのだ。
振るっているのも聖剣だけ、俺がプレゼントした聖鑓を使った情報など渡した時の試し振りぐらい……それでも、先ほどまで闘っていた休人を模した人形を倒せるようだが。
「やっぱり相手が格上すぎる。ラスボスっていうか、それを超えた存在だからな……全休人で挑んでも勝てるか分からないし」
数の力は偉大だが、それすらも圧倒できるのがこの世界に住まう人々だ。
その中でも最上位の一人『騎士王』、万能の権能を自在に扱う彼女は一騎当千以上に凄まじい力を有している。
「【魔王】は……もっと戦闘データが少ないよな。『SEBAS』、再現できたとしてどれくらいだ?」
《およそ10%かと。同様に、この状態で休人と闘わせた場合は圧勝となります》
もう一人の最強──【魔王】。
俺とは異なる形で複数の職業の力を操り、さらに種族も書き換えることができる。
そして何より、歴代【魔王】の能力も振るえるので……まさに歴史が生んだ化け物だ。
「まあ、もう一度だけやってみるか──再起動してくれ」
《畏まりました。擬似『騎士王』を再起動、戦闘を開始します》
再び起動した人形だが、その手にいちおうとはいえ聖剣を持たしているためか存在感が休人を再現した時とは段違いである。
「制限なんて不要だ──『闘仙』を再現、細胞は『拳王』と『闘仙』を半々で」
《仰せのままに》
仙丹の充填速度が高められ、物理攻撃貫通と連撃時の威力向上が発現する。
集められた仙丹を脚に籠め、推進力として使って人形へ近づき──ジャブを一発。
「うわぁ……まったく効かない」
ここでまず一度死亡。
完全に動きを読み切られ、スッと添えられた剣をなぞりそのまま死ぬ。
「こんなのの連続だからな。これでまだ20とか……無理ゲーだろ」
無理ゲーだと興奮するとか、そう言うヤツではないからな。
今回はここまでにして──もうカンストしてしまった【騎士】を別の職業にしよう。
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