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DIY、流れて交わる
霊体の問題 その02
しおりを挟む「──それで、問題というのは?」
建物の一つ、会議室のような場所。
互いにソファへ座り、向かい合う体勢で話し合いを行おうとしている。
レムリアの民が持つ悩み、それを解決することが彼らとの融和のための方法。
それを今から教えてもらうのだが……俺の器用さが求められる依頼とはいったい。
「まず分かっておられるとはお思いですが、我々は霊体です。肉体を持たず、外部から持ち込まれた物質には触れられません」
「……触れた経験があるのか?」
「…………セバヌス様が持ち込んだ品を」
嘘だ、そう分かったがあえてスルーしてそのまま話を聞く。
ここをとやかく確認するのは、また別の機会でも構わない。
「悪い、話を逸らしちまって。戻してくれ」
「ええ、分かりました。……そんな物質に触れられない我々ですが、それでもお腹は空きますし食べることを止めてしまえばいずれは死ぬことになります」
「生きているんだから当然だとは思うが……それが問題に繋がるのか」
「はい。この世界はかつて、別世界と繋がっていました……しかし今ではそれも失われてしまい、すべてが閉じてしまっています」
レムリアが許可した者だけが、この世界に入ることができているのが現状だ。
なぜそうなってしまったのか、その理由は現在不明……しかも封印されていた。
他の遺失世界がどうなっているのか、おそらくは封印されているであろう鍵……そしてその関係者たる少女たち。
レムリア同様、同名の女の子がどこかに存在する可能性が高い……いや、創作物だとそういう展開が定番だろ?
「世界同士の接続、そこに何か特別な効果があったのかもしれません。ある日を境に、少しずつ自然の恵みは衰えていき……今の世界となりました」
「昔はこうじゃなかったと? ああ、これには答えてくれ」
「はい。今でこそ、そうは見えないでしょうが……かつてのレムリアは自然豊かな場所でした。そこは生き物の楽園であり、さまざまな動植物が存在していたのですよ」
「……ああ、少し分かった気がする。ついでに訊くが、その動植物も同じ存在だよな?」
コクリと頷くガイド。
つまりその存在は、生命体とは言いづらいモノたちなのだろう。
「それをどうにかするのが役割ってことか」
「おそらくですが、原因の一つはかつて別世界と繋がっていた装置だと思います。ツクル殿にはこれを修理してもらいたいのです」
「……ほぉ、そんな物が残っているのか」
それを解析すれば、過去に在ったとされる星の座標が分かるかもしれない。
なるほど、『SEBAS』は実にためになる依頼を手に入れてくれたな。
──そして、俺は依頼を聞き入れた。
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