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DIY、新境地を求める
幽源の世界 その03
しおりを挟むN1
「誰もいないなぁ……」
まだ可能性でしかないが、もしかしたらこの世界はアイプスルと似たような未来を歩んでいるのかもしれない。
鍵であるレムリアが封印されたことで、何かしらの影響があったのだろうか?
「何かしらの反応がこっちに在ったんだっけか? 最初に接触するのは、敵対勢力よりは友好的な存在が嬉しいよ」
《左様にございますね》
「さて、そろそろ目的の地点だが……人が居るとは思わないな」
なお、フィールドには自然が存在する。
幽体の世界ではあるが、草木が生え風が吹く……自然にも何かしらの理が働き、魂かそれに似たシステムがあるのだろう。
「さて──居たな」
《アンデッドではございません。やはり、魂に関しても異なる法則があるようです》
「死者では無いってことか。まあ、生霊って存在があるもんな」
現れたのは角の生えたウサギだ。
しかし存在が不確定なのか、少しだけ体が薄いのでただの角兎とは違う。
奥に行けば異なる存在もいるようだが、今はコイツで試しを行っておく。
「スタンガンは……うん、やっぱり効かないか。道具が使えるのと、この世界で有効的かどうかはまた別の問題ってことか」
《幽体に有効なアイテムも作成してはおりますが……》
「ほとんどがアンデッドの浄化用だしな。このウサギを見て、そういう生者を恨むような負のオーラは無い……死者で無い以上、それらは効果を成さない」
しかし、あちらの攻撃は通用する。
キュイ、と鳴いて突っ込んできたのだが、その一撃はあっさりと俺の肉体から生命力を奪い去り──霊体を再構築した。
「……『生者』の権能はこっちでも健在みたいだな」
《旦那様の称号『生死の冒涜者』によって、スキル(半生半死)が発動しております。この世界においても称号が機能さえすれば、効果によって霊体を瞬時に肉体にすることも可能です。故に構築も簡単となります》
「……そういえば、そんなのもあったな。いつも『生者』と『死を極めし者』の世話になることが多かったから忘れていたよ」
即蘇生の『生者』と、肉体の即修復に加えデスペナを完全に無くす『死を極めし者』によって、俺は冒険世界で活動している。
他にも死因が分かる『死を愛す者』、死亡後も一定時間活動できる『死配者』などが存在し──『生者』に統合されているのだ。
「なら、(半死半生)を意図的に行使して、ウサギに攻撃すれば……攻撃できるようだな」
《さすが旦那様です》
「だが、これだと俺自身の戦闘力しか反映されないな。あくまでドローンたちの力も含めて俺の戦い方だしな……」
とりあえず、称号を一度おさらいしておくのがいいのかな?
セット数は『生者』が増やしてくれるし、せっかくだからいいものが無いかを探してみるべきだ。
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