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DIY、祭りに現れる
悪鬼の巣 その02
しおりを挟む悪鬼の巣 一層
魔物たちが外へ向かうため、入り口であり出口である穴を目指していく。
だが迷宮の中で、そこへ向かう魔物の数は確実に減っていった。
「ふはははっ、殲滅だ! 殲滅しろ!!」
ノリノリで叫ぶ俺だが、実際には何もしていないので居なくても構わないんだよな。
ドローンが飛び交い外へ漏れる魔物の数を減らしているが、怪しまれない程度に外部へ放出しているため、そこまで倒していない。
「コホン──殲滅せよ、『SEBAS』!」
《仰せのままに、我が王》
ノリに合わせてくれる『SEBAS』。
まあ、アレは持ち主自身に武器の才能があるのでちゃんと戦っているのだが……俺って本当に何もしないよな。
ただ突っ立っているだけなので、居なくとも構わないというか──居ない方がドローンの作業効率は高まる。
俺という保護対象が居なくなるのだから、行動の自由性が上がるからな。
「できるだけ召喚系の能力を持つ魔物から倒していけ! ついでにこの迷宮のことだ、死体操作系の能力保持者もいるはずだ!」
《確認しました。二号機を回し、早急に排除いたします》
少し離れた場所で悲鳴が聞こえた。
どこでもそれは同じなのだが、これまで音が聞こえた場所からだいぶ離れている。
おそらくそこら辺に、切り札となる彼らを隠していたのだろう。
「『SEBAS』、詳細を」
《デミゴブリンサモナー、デミゴブリンネクロマンサー。それぞれ五体を殲滅しました》
「召喚術師と死霊術師か……それぞれの進化個体は居るか?」
《この階層には存在しません》
まあ、一層には魔子鬼が多いからな。
進化個体が数体居たから気になったが、召喚系までは用意していなかったのかもしれない……コストも高いだろうし。
「なら、次の階層に……って、さすがに野放しにはできないか。『SEBAS』、見つけ次第殲滅する設定をして、一機ここに残しておいてくれ」
《畏まりました》
「俺はすぐに二層へ向かう!」
◆ □ ◆ □ ◆
悪鬼の巣 二層
ここからは魔中鬼が増えてくる。
当然戦闘力が上がり、苦戦を強いられるのだが……もともと戦っていない俺には、まったく関係のないことだ。
「ふぅ……ここならバレないか?」
《迷宮の外から視認することはできなくなりました。しかし、解放中は繋がっておりますので完璧とは言いがたいです》
「まだまだこっそりとやる必要があるってことか。ポーションはまだ要るか?」
《できるならば、補給をお願いしたいです》
言われるがままにポーションの転送を行って、ドローンに補給されたことを確認する。
俺がやると『巧天』や『援匠』の効果が働くので、効率が高まるのだ。
──さて、どんどん攻略していこう。
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