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DIY、祭りに現れる
歓迎ミニゲーム その15
しおりを挟む最後のミニゲーム──それは『くじ』だ。
要するにルリの独壇場、望めば望むだけ結果を生みだすルリ無双回……ではあるが、信奉者として恩恵にあやかっていない俺にとって、今その話は省いておこう。
くじなどの運ゲーの類いは、裏で当たりが無いだのと揉めてしまうことが多い。
そのためソシャゲやオンゲーでは現在、当選確率の開示が必要とされているぐらいだ。
VRMMOであるEHOもまた、当選確率はしっかりと表示されていた。
だがその確率──0.0001%。
細かいことはよく分からないが、ゼロの数からして少ないと思うだろう。
「ただ、一番簡単な方法ならだけど」
《旦那様はどれをお選びになりますか?》
「条件が厳しいからな……どれ、と言われると正直悩む」
くじにも種類があるように、紙を引くくじの他にも──千本引きやあみだくじ、果てはガチャやビンゴまで存在する……最後の二つもいちおう、くじなんだよ。
「ただ、ガチャは0.0001%だろう? 他も似たような感じで仕掛けがあるのは当然だ。実際、運勢の補正が無い状態で挑んだらどれぐらいで引けるんだ?」
《リセット後に初めて挑むのであれば、独占以外での入手は不可能かと》
「まあ、唯一のギャンブルミニゲームだからな、そんなことないだろうけど」
ミニゲームの一部にはそれぞれ新人のためとなるモノがあり、『バトル』や『くじ』はそのジャンルに含まれている。
模擬戦をすれば戦い方が分かるだろう。
そして、くじを引けば──
「景品が手に入ると。富くじも含んでいるから金でもいいし、コインを手に入れることもできる。物欲センサー全開でいかなきゃ、新人でも一つぐらいいいものが手に入るか」
とりあえず、あみだくじを選んでみた。
ビンゴはカードがランダムなため、いっさい『SEBAS』のサポートが受けられないから却下、他のゲームも似たような感じで単独でのクリアが難しいものばかりだ。
「──はい、それでは好きな場所をお一つお選びください」
(どこを選べばいいんだ?)
《それでしたら……》
視界に表示された無数の線の内、指示された場所を選択する。
すると、会場の奥に設置されたパネルの中で選んだ場所が光輝き、線を辿り下へ下へと線に色が付いていく。
「──おめでとうございます! 見事、クリアコインが当たりましたよ!」
「本当ですか!? や、やったー!」
などと一攫千金に挑んだギャンブラー並みに喜び、周りを引かせる。
ついでにルリを崇める宗教について軽く呟き、信者のように振る舞っておく。
──運がいいのはルリのお蔭、そう思わせておくのが一番楽なのだ。
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