568 / 2,721
DIY、再会を果たす
天の戦い その後
しおりを挟むさまざまな戦いが……そして、英雄の誕生があった。
侵略者たちは最終的に、『天』と呼ばれるメンバーが力を合わせることで追い返す。
その際の栄誉を称え、『五天』の名が休人にも現地の者にも強く認識された。
星の剣を振る勇者──『闘天』ショウ。
攻撃特化した賢者──『魔天』ローム。
支援に長けた聖女──『援天』ルリ。
運命を操る冒険家──『冒天』カエン。
そして、最後の五人目は──
◆ □ ◆ □ ◆
冒険世界の生産ギルド、そのギルド長室では密会が行われていた。
中性的な格好をした子供は、変声前の声を振るわせてとある記事を読む。
「『魔物を操る孤独者──『孤天のマイ』』ね……いいのかい、ツクル君?』」
「何がでしょうか?」
「本来ここには、君の名が……もっと言えば他の『天』たちの名前も載るはずだったんだろう。けど、意図的に情報を操作した。ただの強者に歪め、選ばれた『天』たちだけがそうであると……どうしてだい?」
「有名であることと幸せであることは、平等ではありませんので。まして、私のように厄介事の多い身では」
なにせ、終わった翌日には『騎士王』が街に遊びに来ていたからな。
しかも、仕事をしっかりと終わらせていたのでそれを口実に追い返せないという……あの日は実に苦労したよ。
すでに侵略者は去り、平穏が訪れていた。
街の近くにドロップしたアイテムもすべて回収が終わり、今ではどのように使うのかが考察されている。
生産ギルドもまた、プレイヤーにはできない方法で加工できるのかを問われていた。
「──何はともあれ、こちらが例の資料となります。簡単に真似されては困りますが、それでも生産ギルドだけが技術の独占が計れるよう、素材に注意しましたよ」
「……君は相変わらず、理不尽だね」
「そうでしょうか?」
侵略者たちが残す素材は、ちゃんとした加工作業を経ないと真価を発揮しない。
また、一部の素材では装備者が呪われるといった事案が発生しているとのこと。
そこで生産ギルドが動く。
確実に加工に成功し、いっさいのリスクを負わないのであれば──プレイヤーは必ず生産ギルドに加工を望むようになるだろう。
「……まったくだよ。最近台頭し始めた休人でも、まだ解明できていない方法。それを君は、あっさりと数日で完成させるんだから」
「台頭、ですか?」
「君みたいに従順に従ってくれる、というわけじゃないんだよ。別のギルドの権力を借りて、どうにかこっちの目を掻い潜ってるって言った方がいいかな? まあ、それでも君には及ばないけどね」
生産系のプレイヤーが、ついに独立を始めたのか。
ギルド長が少し説明してくれたが、世にも恐ろしい商人ギルドと組んだんだとか。
「その人……大丈夫ですかね?」
「利益があるうちは大丈夫だよ。君の場合はデカすぎてあっちも狂うってだけだから」
「全然大丈夫に聞こえませんね……」
まあ、無事を祈るってことで。
10
お気に入りに追加
643
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる