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DIY、再会を果たす
裏五天談 その05
しおりを挟む生産ギルドにも、徒党を組むシステムはいちおう存在する。
そうでないと、組合という概念は存在しないからな。
だが、俺はこれまでそうした団体にお世話にならずにやってきていた……というより、なってはいけなかった。
『わざわざ移らずとも、生産ギルドから立ち上げをやってもいい。だが、冒険者ギルドに入る必要はないだろう』
『なんでだよ』
『今の俺は生産特化のプレイヤーだ。百歩譲ろうが、派遣という形で入っておけばそれで充分だ……俺がリーダーじゃなくても、それなら『渡り船』は成立す──』
『何言ってんだ! リーダーがトップに君臨しないで、誰がトップをやるんだ!』
『そうだ! マスターは自分の使命を全うすべきだ!』
『お前ら……』
少々ジーンときた……とかなるシーンだろうなとは理解できる。
しかしまあ、ランダムを重ねていればそういうことは前にもあったわけで……実情をすでに知っているのだ。
『俺が居ないと、どっちかがリーダーになるからそれが嫌だと』
『当然だ! リーダのカミさんも、しっかり者も一苦労するんだよ!』
『それに比べてマスターなら、本当にやりたいようにやれるからな!』
『お前ら……』
台詞に籠められた心情の変化が、分かってもらえるだろうか?
ルリはほぼ無自覚の運があるから周りはついていくのが大変だし、もう一人の代表者っぽいヤツも真面目すぎて苦手がられるんだ。
『父さん……』
嗚呼、そんな姿を娘に見られてしまった。
それ自体は構わないんだが、もっと別の場面を見せたかったよ。
◆ □ ◆ □ ◆
『ゴホン。ハック、『暗天』だ。権能はもちろん暗殺で、五感の内三つでおれを見抜いた奴を殺すことができる。誰かPKしたい奴が居れば、ぜひ連絡を』
一度宥めて、『暗天』の紹介をさせた。
見た目JCかJKの彼女だが、何気ない会話から『SEBAS』が推測するにJDなんだそうで……見た目を弄ってなかったら、お若いリアルということになるな。
次は『SEBAS』……じゃなく、セバヌスが代わりに立ち、自己紹介を行う。
ちなみに格好は定番の燕尾服、やっぱり彼はこうでないといけないだろ?
『『統天』です。権能は支配下に居る者たちの強化、また能力の一部共有です。見ての通り、あるお方にお仕えしている身ですが、主の身に背かぬ限り、仲良くさせてもらえると幸いです』
綺麗な会釈を行い、席に着く。
流れるような一連の動作は、見る者に疑念などをいっさい抱かせない美があった。
実際、全員何か思っているようだし……質問はいっぱいありそうだけどな。
さて、次はようやくマイの番だ。
立ち上がる彼女の姿に、胸を躍らせようとした──そのとき。
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