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DIY、再会を果たす
表五天談 その05
しおりを挟む『──とまあ、以上でお開きにしようか。ご参加、誠にありがとうございます』
その場に立ち、仰々しいポーズを取ってそう告げる『巧天』。
予定時刻の数十分前となったので、少し余裕を持ったままお開きにしようと『巧天』は考えていた。
そのため、これから話されるのは〆に相応しい内容である。
『映像越しでの会談だったから、フレンド登録もできなかっただろう。あれは、そういうやり方を許容していない。それがいったいなぜだか、『闘天』は分かるか?』
『えっ? う、うーん……直接会わないと友達じゃないから?』
『素晴らしいが、違う。本当にイイ考えなんだが違う。正解は──』
『一方的な申請を大量に送られる可能性があるから、だろ?』
『正解。その通りだ、『魔天』』
間違えたまま終わったしまって『闘天』の頬が膨らむが、そこは『援天』がカバーして慰めている。
チラリとそちらを確認してから、クイズの解説を始めた。
『一度会ったヤツならばともかく、顔も知らない奴と友達になるのはネットサーフィンかオンゲーだけで充分だろう。それに、こっちだと個人への注目が強い……一般人でも有名人扱いだ。経験したことがあるだろう?』
この場では三人が、そういう経験を持つ。
優秀な功績を示した者には、甘い蜜を啜ろうとする者たちが近づいてくる。
それを防ぐために苦労した……一人を除いて、だが。
『設定にもよるが、フレンド設定の通知音を鳴らしてポップをすぐに表示するようにしているなら、ウイルスみたいに一時的な嫌がらせにも使える。登録なんてしたら、なおのことだな』
それらを無効化して、手動で確認するようにもできるが、初めからそれができる者は多くない。
あくまで一度経験をし、嫌だと思うからこそ実行に移せる。
『今回の会談、誰が来るか分からない不確定要素もあったからな。念には念を、という感じでこういったやり方をしている……つまり会いたきゃちゃんと会えってことだ』
『結構無茶なこと言ってない?』
『そうでもないさ。さっきしたみたいに、活動拠点とか今居る場所でも言えば、それは容易く実行できる。逆に、それを罠にすることもできるんだけどな』
一度話をここで終わり、『巧天』はパンッと手を叩く。
再び全員の意識が自分の方へ向いたことを確認し、咳払いをして話を変える。
『これにて解散、お疲れ様。『巧天』お手製の商品をご利用の際は、ぜひ『始まりの街』の生産ギルドまでお越しください』
そういって、『巧天』は姿を消す。
主催者が居なくなったことで、やがて残りの者たちもその場からいなくなっていく。
そして最終的に、五つの椅子と机だけがそこには残されるのだった。
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