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DIY、試練を受ける
神様談(07)
しおりを挟む人々が観測できない場所。
すべてが白で構成された世界で、今日も彼らは活動する。
子供のような姿をしたものと、老人のような姿をしたもの。
そして、新たに加わった肌色の球体が──
「やあ、▲▲▲▲。協力ありがとう」
「構わない。他の誰でもない■■■からの頼み事、こちらでのチェックが済んだのであれば協力を惜しまない」
「惜しまない、と言ったわりにはずいぶんと時が経たんだけどね」
「そうか? オレには、そう長かったとは思えない」
その球体はまずその色を真紅と化し、形を歪め一体の獣と化した。
全身に焔を纏う獅子──とある地域で信仰される紅蓮の神である。
「って、その姿なんだ。君はあまり人型を好まなかったっけ?」
「こっちの方が楽だ」
「そんな自堕落にならなくてもいいじゃないか。僕なんて、最悪象る姿が無いからって球体しか無い場合もあるんだよ」
彼らの姿は、人々が象らせた偶像のみ。
故に多様な姿を持つ者ほど、人々に想われているとも言える。
しかし少年の姿をした■■■には、これまで人の姿を模した姿が存在しなかった。
かつてはあった、しかし失われた……とある普人が新たに姿を構築するまで、球体か工具の姿にしかなれずにいたのだ。
「……それよりも、そろそろ話をしないか」
「おっと、ごめんよ。うん、そろそろ彼──ツクル君のことについてね」
「思ったのだが、本当にアイツ? 試練は果たした、けど理由は全滅」
「君の試練は独特だったね、負けても合格なケースがあるし……けど、誰一人犠牲にしなかったんだから彼は合格した。もっとも難しい条件でクリアしたんだ、間違いなく本物に決まっている」
▲▲▲▲によって行われた『当千の試練』は、必ずしも現れた魔物すべてに対処せずとも試練達成と見なされる場合がある。
▲▲▲▲の本質は獣──敵を殲滅することが目的ではない、生き残ろうとすることこそが重要だったのだ。
また、仲間を守ることを大切にしていた。
とある事情から嫌われている■■■に協力する理由もまた、そういった本質が関係するのである。
「あと一人、協力してくれたら【救星者】は完成する。……って、ここだけ切り取ると物凄く僕が悪役みたいだね」
「みたい、というよりも……」
「そのもの」
「ひどい!?」
神であろうと万能ではない。
もし、地球に語られるような絶対的に祈りが捧げられる神が居るのであれば、そもそも彼らは存在しないだろう。
不完全だからこそ、成長する。
それはまた、心を持った神もまた同意。
そのことがいったい何を意味するのか……この世界に挑む星渡りの民はまだ知らない。
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