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偽善者と決意交わる水着イベント 十月目

偽善者と水着イベント前半戦 その05

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 無事水着も完成し、彼女たちはその水着を着用する……平野への配慮もあるため、詳細は記さないことにしておく。
 ただ一つ言えることは……やっぱり、女性の体は神秘で溢れている、ということだ。

 しかし、他の男たちの目に毒な果実、それらを野晒しにしておくわけにもいかない。
 現在の彼女たちは、シャツやらパーカーやら(製作者:俺)を着て活動を行っているぞ。


「うんしょ、うんしょ……よし、完成」

『わー! 凄いですよ、メルちゃん』

「ふふん、そうでしょう」


 活動……と言っても、どうやら何をするかまだ決めておらず、現在シガンがそれを思案中である(母音が似ているが、ダジャレのつもりは無いからな)。

 俺とクラーレは、何故か一緒にサンドアート的なことをやって遊んでいた。
 どっちが言い出したかは分からないが、物作りで手を抜くわけにはいかない。
 こんな時でも(生産神の加護)は発動し、俺の望むままに砂は形を変え、芸術へと昇華されている。


「1/10スケールのネイロ王国城!」

『凄い! 完璧に再現していますよ!』

「どう? ますたー。これならますたーも一緒にできr――」

『二人共……何をやっているの?』


 このタイミングで、シガンがこちらへと向かって来る。
 どうやら、彼女たちの次の予定は決まったようだな。

 だが、俺とクラーレが今までに作った作品の数々を眺め、興味を持っているみたいだ。
 ――出発は、もう少し後かな?


『あ、シガン。これから、一緒に魔物を砂で作ろうと思っていたのですよ。シガンも一緒にどうですか?』

『……遠慮しておくわ。メル、アンタって本当に器用よね。スクショしたくなるぐらい、再現度が高いじゃないの』

「うーん? これも生産だし、そういうスキルがあればみんなもできるよ」


 例えばそう――(砂像の指先)とかな。


『……どれだけ器用でも、城の詳細なんて覚えてられないわよ』

「そうかなー?」


 天才ならそれぐらい、簡単にできるんじゃないのか?
 うちの天災共(誤字に非ず)は、大体のことは瞬時に理解できるし覚えられるし……。


「まあ、窮すれば通ず? そんな感じかな。一度やってみないと、分からないよ」

『シガン……やりましょうよ』

『…………しょうがないわね、こうなりゃヤケよ! やってやろうじゃない!』

『シガン、一緒にメルちゃんより凄い物を作りましょう!』

『そうね、たまにはこういうのも好いかもしれないわね』

「それじゃあ、張り切って――スタート!」


 何故か始まった、2VS1によるサンドアート対決。
 少し緩んでしまった頬を隠しながら、早速製作に取り掛かっていった。


◆   □   ◆   □   ◆


「そこー、右だよ右-!」

『いいえ~、左ですよ~』

『……二人共、失敗させたいの?』

「『ううん(~)。もちろん(~)、面白くしたいだけだよ(~)!』」

『……ハァ。ディオン! 真っ直ぐで大丈夫よ!』

「『……チッ』」

『舌打ち!?』


 シガンは今日を安息日として、イベントへの本格的な参加は明日からにするそうだ。
 なので彼女たちは現在、みんなで楽しくスイカ割りをしていた。

 ……全く、折角スイカ周辺の地面の硬度を上げておいたというのに……。
 一緒に考えたプーチも、俺と同様に残念な顔を浮かべている。


『そいやっ!』


 ディオンが振り下ろした木の棒は、見事スイカに吸い込まれるような軌跡を描いた。
 狙い通りに棒は命中し、スイカは――綺麗に七等分になる。


『ここら辺は、ファンタジーよね』

『あのスイカ……魔物でしたしね』


 まあ、最初は手と足が生えていたとのことだしな。
 その魔物のドロップアイテムとはいえ、叩いただけでそこまで綺麗に割れるなんて普通じゃありえないか。


「ん~~♪ 美味しい~!」

『本当ですね。瑞々しくて甘く、キメが細かい感じが堪りませ~ん!』

『塩があればよかったのだが……』

『海水なら、いっぱいあるんだけどね』

『メルちゃ~ん、持ってない~?』

「ん? はい、深層水から作った塩。他にも色んな調味料があるから試してみてね」

『シナモンに黒酢に蜂蜜に……酒。メル、私たち未成年なんだけど』

「ちゃんと見て、これはブランデー風な飲み物だよ。アルコール成分が無いけど、何故かブランデーな味がする摩訶不思議な物なんだけど……使う?」


 そのままの味もよかったが、やっぱり何か調味料を使うのも最高だな。
 ちなみにだが、結局全部試していた。


◆   □   ◆   □   ◆


 スイカも食べ終わり、本当にやることが無くなってしまった。
 いや、彼女たちは再び沖の方に泳ぎに行ったりしているんだけどな。

 俺はいつ彼女たちが戻って来てもいいように、ただ待機しているだけなのだ。


「(うーん、暇だな~。ヘルプ眷属~)」

《どうしたのだ、メルス》

「(クエラム~、聖獣状態でこっちに来てくれよ~。モフモフさしちくりぇ~)」

《……しょうがないな》


 宙に上げた手の下に、魔方陣が出現する。
 それが光ると、そこには手のひらサイズのクエラム(モフモフバージョン)が現れる。


「おお、ザッツプリティーアニモー!」

『モフモフの反応がするっs――』

「シーユーモッフルー! (――"領域干渉""空間転移")」


 モフモフの出現を感じたプレイヤーが、何処からともなくルハ°ンダイブをしながら飛び込んでくる。
 乱入者の周りを空間ごと囲い、無理矢理飛ばして消し去る。
 誰も居なくなった静かな砂浜で、俺はクエラムの毛並みを確かめていった。


『……ん、んぅ』モフモフモフ

「…………」モフモフモフ

『……ああっ、…………んっ、……うぅっ、め、めるしゅぅぅ…………』モフモフモフ

「…………」モフモフモフ


 少しずつクエラムの気持ち好い部分を探り当て、そこを焦らすようになぞり始める。
 クエラムは俺の指先が走る度に、ビクンビクンと動いて悦びを示してくれていた。

 はい、この先は色々とヤバかったからカットしておきましょう。


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