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偽善者と終焉の島 前篇 六月目

偽善者とスキル確認 後篇

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『――メルスの別人格ってどんな娘なの? アバターの娘エナやディオは見たことあるけど同じ娘?』


 ……なんで、女性だと思うんだ? 俺は男なんだから、普通人格も男だろう?


『……ビコーズ、ユーア―メルス』


 いやいや、どうして英語なんだよ。
 ……いや、そうだよそうですよ。
 男だと心配で心配で、みんな、俺よりいい男を見つけたら……ってウォッ!!


『それ、次言ったら殺すわよ』


 いや、言って無いからな……というか、俺がなんでこんなことを言うかも分かってるんだろう?
 世の中に一体どれだけ俺以上のFaceの持ち主がいると思ってるんだよ。


『……前に言ったわよね。私と親しく話してくれたのは一部の人だけだって。確かに、のメルス以上の顔の持ち主はいくらでも……それこそ、星の数程私に近付いて来たわよ。
 だけど、私のこの力に気付いた人は皆私から離れて行ったわ、怖いだの気持ち悪いだのと言ってね。
 メルスの周りの人達は、そんなこと言わなかったわ……メルスの眷属になって、あの記憶を観たから理由は分かったけどね。
 メルス、貴方の考えって、ちょっとおかしいからね。
 他人の行動を真似ることが多い、だけどメルス自身の我は強い。
 何かになりたいと思っているのに、変わりたくないとも考えている。
 ――要は矛盾が多いのよ、メルスの行動には。……だけど、メルスはその矛盾を自分の中で成立させているから凄いのよね。さっき言った男達なんて、全然取り繕えて無かったしね。
 でも、私達はその矛盾をいつまで維持できるかが心配なのよね。貴方の心は、本当は脆いのだから』


 ……長すぎて理解できなかったってことで良いか? それについて考えていると、色々と頭がこんがらがるんだよ。
 俺は俺で、俺でしかない。
 俺の考えは俺だけのものだし、俺の行動は最終的には俺の意思で決めたものだ。
 ……ティル、お前が言うからには、俺の中は本当にそうなっているんだろう。
 矛盾かぁ……。俺は、俺でいられるんだろうか。難しい話だな。


『馬鹿ねぇ。そうする為に、私達が一緒にいるんじゃない』


 そうなのか? ……って、ボケる程のことでもないか。
 そうだな、少なくとも聖・魔武具の娘達には、それを望んでいたんだからな。


『……で、結局どんな娘なの?』


 ……あ、覚えてましたか。


特殊思考内
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 全然誤魔化せなかったな。
 途中まで、シリアスっぽい展開だったからバレないと思っていたんだが……少々甘かったな。
 思考を読む相手にブラフは掛けられなかったので、正直に説明しておいた。
 多分、眷属全員が知ることになるんだろうな(全く、訓練の最中になんて会話(?)をしているんだ)。

 気を取り直して、スキル考察に行ってみようか。
 まずはこちら――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
魔法:【影魔法Lv1】

説明:自身が触れている影に魔力を流すことで干渉ができる固有魔法
Lvが上昇することで、発動できる魔法が増加する

〔闇属性の適性が高い程、自由度の高い魔法が使用可能〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ――久しぶりだな、魔法を表示するのは。
 影に干渉する【影魔法】だが、どこにも肉体的に干渉しなければならないと書いてないみたいだからな。この魔法自体が自由度の高い魔法だな……道理で影を操る主人公を良く小説で見るワケだ。

 さて、次だ――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
特殊:【和衷協同Lv1】

説明:行動を別の者と共にする場合、威力や成功率に補正が入る
Lv1につき、0.1%の補正が入る

〔行動の成功時、共に行動を行った者の好感度が微増する〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ――(連携)が派生したスキルだが、上の文はとりあえずどうでも良い。
 問題は下、好感度が微増という部分だ。
 危機を共にして好感度アップ……という、俺のパーフェクトなプランが実行される時が来たな。
 眷属を危険な目に合わせるワケにはいかないから、使い道に悩むが……。

 次からは、スキルでは無く加護だな――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
祝福:(■■■の注目)

説明:対象の成長速度が高まる

〔負の魔素全てへの適性が上昇する
 また、■■■から常に観られる〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ――後から授かった方だな。
 あっちが正でこっちが負……対称的な神なのだろうか。
 何故俺に注目しているかは分からないが、成長速度が高まるというのはありがたい。
 神の期待にも応える気になるってものか?

 ……そして、問題のヤツ――


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
祝福:(神々の加護)

説明:一定以上の神より加護を授かり、神々から注目されることで入手できる統合加護
新たな加護を授かり易くなり、祝福の階級が上がり易くなる

〔神々から常に観られ■の質が高まる
 授かれる祝福の数に制限が無くなる〕

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ――何をしたいんだろうか。
 前から『神々の注目』は称号として持っていたが、遂に加護という形で表示されるようになってしまったぞ。
 加護は貰い易くなったし、強化されやすくなった。
 制限も在った筈なのに、それも無くなっている。……俺に何を求めているんだろうか。

(I am ordinary so I am not Hero )

 ……全く、どうせ見るなら主人公的な奴の方が盛り上がるだろうに。
 【断罪者】とか、【闇勇者】とか……観る奴は色々あるだろうに。
 なんで俺のようなモブを見ているんだろうか? 酔狂な神様の多いこと多いこと。


 あ、分かった。飽きたのか! 主人公に。
 最近は主人公が活躍する作品が多いしな。
 きっと、普通ってものを見たくなったんだと思う。
 借り物の力を持ったごく一般の人間、そんな奴がどういった風に道化るかが、今の神のブームなんだろう……納得納得。


 よし、理由も分かったし、そろそろ戻るとするか。
 体の方もだいぶティルの剣術を理解してきたみたいだし。


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