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偽善者と終焉の島 前篇 六月目
偽善者と武具娘達のステータス
しおりを挟む――あれから1週間、俺は日々の戦いに明け暮れt『――てないですよ。まだ1日しか経ってませんよ』……ありゃ、バレたか」
『そりゃバレます。ワタシ達の受肉が完成してからまだ1日しか経って無いんですから』
そう、探索を終えた俺を待っていたのは、受肉を終えた武具っ娘達だった。その日はもう遅かったので、用意してあった食料を食べながら受肉を祝って、これまた用意してあった魔道具"簡易館"の中で夜を過ごした(アンは人形に入って受肉作業を始めたぞ)。
そして翌日、全く朝日の光を感じられない朝にげんなりしながら、ほぼ適当に言ったモノローグをリーにツッコまれたと言う訳だ。
『急いだのはリーなのに……』
『ちょっとギー、なんで言っちゃうのよ! ……メルス、違うのよ。わ、ワタシはただ、その、み、みんなの為にやっただけなのよ!』
『メルス。リーはね、グーさんが記録した受肉の効率化についての記憶を理解して、みんなにもそれを共有してたんだよ。
本当ならもっと早く受肉を終わらせられたのに、私達の分も同時に行ってたから……』
『きゃあぁぁぁぁ! なんで言っちゃうのよ!』
『だからメルス。リーを褒めてあげて』
俺はそう言われると、リー……とギーの頭にポンと手を置いて頭を撫でた。……うん、サラサラで気持ち良い感触だ。
「みんなのことを考えてくれたリーも、そんなリーを気遣ってくれたギーも……どっちも良い娘だよ。よしよし」
『『~~~~!!』』
ありゃっ? リーはともかくギーも怒ったのか? やっぱり悪かったかな? スーの熊耳を"永久の獣愛好家"(自称)でモフモフしていた時も、グーに怒られちゃったしな。
「悪い悪い、いきなり撫でるのはマナー違反だよな。今止めるわ」
『『……あっ』』
……いや、どうしてそんなに寂しそうな反応をするのさ。お前達の為を思って止めたんだが。
「……俺の掌に頭を付けたら、撫でるのを続けるよ――(ズイッ)了解したよ」
とりあえず二人の気が済むまでは、ずっと撫でているのも良いかもな。
結局この後、後からやって来たグラ達にも強請られ、みんな纏めて撫でることになったよ……ハフゥ。
「じゃあ、ステータスを確認してみよ~!!」
『お~~!!』
俺の妙なテンションで言ったノリ発言に、グラだけが乗ってくれた、嬉しいぞ!
他のみんなは、ただ俺達をじーっと見ていた。止めて、そんな目で見ないで! 俺のライフはもう0よ!
あ、ちなみにこの場には新しく受肉したメンバーしかいないぞ。スーとグーには模擬専用のフィールドを作成して貰っている。
鑑定が終わった人からそっちで模擬戦をして貰う予定だからな。
「……よし、じゃあグラから見るか」
『ふふん、ぼくのステータスを見たら、驚くよー』
ほー、それは楽しみだな。昨日必死に色々なことをやって復元した、(神氣)(鑑定眼)を使ってグラを鑑定する――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ステータス
名前:グラ (女)
種族:獣人族 Lv1・〔機巧乙女 Lv-〕
職業:料理士 Lv1
HP:736/736
MP:1104/1104
AP:736/736
STR:0[+184]×2
VIT:0[+184]×2
AGI:0[+184]×2
DEX:0[+184]×2
INT:0[+184]×2
LUC:0[+184]×2
[眷軍強化]
スキル
(餓鬼弾生成)(物喰弾生成)(聖魔一対)(人化)
(聖魔混合)(形状変化)(同時成長)(武具化)
(魔喰弾生成)(獣人化)(獣化)(咆哮)(爪術)
(夜目)(日光弱体)(料理の心得)
〔(保存)(再生)(霊化)(魂喰)(竜魔法)
(神獣化)(神氣)(与えられし肉体)〕
固有
【暴食】
眷属スキル
[スキル共有][経験共有]
〔祝福〕
〔(獣人神の加護)(死神の加護)
(冥神の加護)(不明の寵愛)〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
先にグラの見た目を説明しよう。蒼海色の髪を持つ10歳ぐらいの少女で、眼の色は碧色で肌は少し焼けた肌色。活発という言葉を体現したような顔。
そして、頭に犬耳、尻尾に竜尾……ま、大体こんな感じかな。
しかし、ケルベロスかー。……あれ?
「グラ、お前の頭は一つだよな」
『ううん、こうすると……三つだよ』
ワンッ!×2
グラが手の形を犬にすると、手が光り出して――本物の犬(デフォルメ版)になった。
「……マジか、凄いなグラ。本当に驚いた」
『へっへ~ん、もっと褒めて~』
「……さすがはグラお嬢様です(ナデナデ)」
『ふふ~ん♪』
ポンッ
軽快な音と共に犬が手に戻った。……集中力でもいるのかな? 今は置いておこう。
スキルもいっぱいあるな。霊化できるし、魂食べれるし、竜の魔法が使えるし……なんか凄いなケルベロスって。
……俺の寵愛は天魔から不明に変わっている。種族で決まっていたから、そうなったのだろうか……。
今はここまでにしておこう。
「セイ、鑑定するぞ」
『はい、ではどうぞ』
さぁ、鑑定だ――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ステータス
名前:セイ (女)
種族:御使い Lv1・〔機巧乙女 Lv-〕
職業:騎士 Lv1
HP:736/736
MP:1104/1104
AP:736/736
STR:0[+184]×2
VIT:0[+184]×2
AGI:0[+184]×2
DEX:0[+184]×2
INT:0[+184]×2
LUC:0[+184]×2
[眷軍強化]
スキル
(魔弾生成)(暴食弾生成)(聖魔一対)(人化)
(聖魔混合)(形状変化)(同時成長)(武具化)
(時弾生成・一/二/四/十)(熾天魔法)(飛行)
(熾天翼生成)(業火魔法)(天啓)(魂秤)(神氣)
(孔雀翼生成)(天剣術)(騎士の心得)
〔(与えられし肉体)〕
固有
【節制】
眷属スキル
[スキル共有][経験共有]
〔祝福〕
〔(不明の寵愛)〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
殆ど隠れて無いな。
【節制】を司る天使は熾天使ミカエル。四元素の内火を司り、剣と秤を持っているといわれている。翼は、孔雀という説があるらしいな。
セイの種族的特徴は殆どレミルと同じだ。違う所は、翼が3対ある部分かな?
背はグラと同じぐらいの約10歳の少女。
髪は銀朱で目は紅鶸色、キリッとした目はなんかこう――女騎士みたいな感じだ。
……実年齢0歳、外見年齢10歳なのにな。
「セイ、翼を変えれるか?」
『翼……こうですか?』
ファサッ
セイが展開した孔雀の翼は、天使とはまた別の意味で幻想的な色を放っていた。いや、別に魔王とか孔雀明王みたいに広げている訳じゃ無いぞ。鳥の翼のように孔雀の羽を使っているんだ。天使の羽がそこに置き換えられているイメージをしてくれよ。
「綺麗だぞ、セイ」
『ほ、本当ですか?!』
「あぁ、本当に綺麗だ。……その翼」
『…………』 ゲシッゲシッ
ちょっとセイ、何で蹴って来るんだ。
……よしよし、悪かったって(ナデナデ)。
『そ、そんなことで、許されると、思わないで……ふぁあ』
うんうん、喜んでくれて何よりだ。
移動をしないでセイを羨ましそうに待ちながら見ていたグラも一緒に撫でて、セイが許してくれるのをモフモフしつつ待った。
『分かりました、分かりましたから!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「……じゃあ、次はリーだ」
『は、はい! よろしくお願いします』
いや、そんなに緊張しなくても良いんだけだな。……良し(――"不可視の手")。
ガシッ 『へ?』 ストッ
『な、なんでメルスの膝に載ってるの?!』
「まぁまぁ、良いから良いから(ナデナデ)」
俺は"不可視の手"を使ってリーを俺の膝の上に乗せると、頭を撫でまくった。(手を発動させると同時に、運ぶのに使わなかった手を椅子代わりに使っている。ほら、勤勉な奴もやってたし……てか、俺最近撫でてばっかりだな)。
さぁ、鑑定だ――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ステータス
名前:リー (女)
種族:憑代 Lv1・〔機巧乙女 Lv-〕
職業:支援魔法士 Lv1
HP:736/736
MP:1104/1104
AP:736/736
STR:0[+184]×2
VIT:0[+184]×2
AGI:0[+184]×2
DEX:0[+184]×2
INT:0[+184]×2
LUC:0[+184]×2
[眷軍強化]
スキル
(実力偽装)(快適調整)(経験値貯蓄)(人化)
(破壊成長)(行動補助)(多重詠唱)(反復行動)
(武具化)(激強魔法)(衰弱魔法)(咒魔法)
(支援魔法)
〔(神氣)(神格の卵)(与えられし肉体)〕
固有
【神呪魔法】
眷属スキル
[スキル共有][経験共有]
〔祝福〕
〔(不明の寵愛)〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(サイズ調整)が(快適調整)に変わっているのだが、快適の中にサイズも含まれるのだろうか……そういうものなのか? さて、質問といこうか――
「【神呪魔法】ってなんだ?」
『……あ、はい。【神呪魔法】は(神氣)を練り込んだ呪魔法が変質した物です。神にも届く呪魔法ですので、こうなったみたいです』
「へぇ、成長したな」
『それもこれも全部、メルスがワタシに呪魔法を組み込んだからでは無いですか!!』
「え、怒ってるの? 俺は別に良いと思うぞ、相手を弱らせて戦うのも。こっちが無理をして戦うより、相手が勝手に弱くなってくれた方が良いしな」
『そ、そうなんですか……なら良いです』
あと気になるのは(神格の卵)だが、これは訊いても分からないだろう。卵ならいづれ孵るのだし、気長に待てば良いか。
リーは白金の髪に桃金の目をしている。身長はJKぐらいで、まぁお嬢様みたいだな。
……お嬢様はお嬢様でも、ツンピュアさんみたいなお嬢様だけどな。
『……今何か、変なことを考えてなかった?』
「うんにゃ。さて、次はギーだな……どうしてハグ待ちのポーズなんだ?」
『だって、次は私でしょ?』
「……そうだな」
リーに降りて貰ってから、今度はギーを乗せて鑑定を行う――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ステータス
名前:ギー (女)
種族:憑代 Lv1・〔機巧乙女 Lv-〕
職業:魔法戦士 Lv1
HP:736/736
MP:1104/1104
AP:736/736
STR:0[+184]×2
VIT:0[+184]×2
AGI:0[+184]×2
DEX:0[+184]×2
INT:0[+184]×2
LUC:0[+184]×2
[眷軍強化]
スキル
(完全模倣/形状・武技・魔法/)(戦闘学習)
(完全再現/形状・武技・魔法/)(破壊成長)
(行動補助)(分裂)(人化)(武具化)
(魔法武具術)
〔(神氣)(神格の卵)(与えられし肉体)〕
固有
【武具魔法】
眷属スキル
[スキル共有][経験共有]
〔祝福〕
〔(不明の寵愛)〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ギーは紫水晶色の髪に乳水晶色の目を持つ……□リだ。神鉄鉱石に水晶を交ぜたからかな? 人としてのイメージをその当時はしてなかったから、真実は分からないがな。
「ギー、【武具魔法】のことは分かるか?」
『うん。【武具魔法】は私の再現できる武具に再現できる魔法を籠められる。――(完全再現)が魔法になった』
「籠められる魔法の制限はあるのか?」
『……籠めるMPと魔法の強さ、その武具の耐久度で限界が変わる。成長すると、限界値が増えるみたい』
「籠められる魔法に、俺の合成魔法って入っているのか?」
『……全部は無理だった。"魔法の雨"や"カオスランス"はできたけど、武技と魔法を交ぜた技は駄目みたい。だから、私自身が(魔法武具術)を覚えたの』
「ごめんな、俺がそれも模倣できるように予め創っていれば、好きな職業を選べたのに」
『ううん、気にしなくて良いよ。両方を使った技を模倣できるようにするっていう、私の目標が見つかったんだから』
「ギー……ありがとう」
うちの娘は、良い娘に育ったなー。絶対にうちの娘は変な男には渡さん。
そんな悲しい覚悟を決めながら、ギーを連れて模擬戦場へとギーを送って行った。
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