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世界救済委員会
第256話 天井の染みを数える
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高級ホテルの寝室の柔らかそうなベットに腰掛けるジャンヌを三人の男達が取り囲んでいる。
ジャンヌは一応フランスの要人ということで果無と違い近場の高級ホテルのスィートに軟禁という形にされている。後でフランス政府と外交問題にならないようとの配慮が働いていて、そういう政治的判断が出来る人物が黒幕にいる。
まさに果無の読みは当たっていた。
「いい加減私を自由にして下さい」
手錠などの拘束はされていないが寝室に押し込められ男三人に監視されていては気が滅入ってくる。
ジャンヌもまた日本の警察と揉めたくないとの配慮が働いて大人しくしていたが、そろそろ我慢が限界に来ている。
「残念ながらそれは出来ませんな。貴方は容疑者なのですよ」
ジャンヌは可愛い顔が般若になるほどの険しい顔で睨み付けるが、この場のリーダー格らしい中年の男大久保はその飛び出た腹の如くふてぶてしく言い返す。
「なら連絡をさせて下さい。弁護士を呼ぶ権利はあるはずです」
「あるかもしれませんが、当方法律には疎い下っ端なので上に聞かないと分かりませんな」
「良くもぬけぬけと言う」
面の厚さは腹の厚さと同じマスコミに聞かれたら大問題の発言を肩を竦めて堂々とのたまう大久保。あまりの態度にジャンヌの体から殺気が溢れ体に密着したライダースーツが膨れ上がったような幻想に襲われる。
猛獣たる雌豹が目の前にいる。
一歩間違えば喰われてしまう死の恐怖が振り撒かれる。
密着するライダースーツで浮き上がる体は鍛え上げられ無駄を削ぎ落としつつも女の柔らかさラインも残り瑞瑞しい生と性が溢れている。
死が生に陰影を刻んで性を強調する。
ただでさえ女の微香に擽られる部屋にいてかろうじて抑えていた中年の欲望の蓋が緩み出す。
ゴクッと生唾を飲んでしまった大久保。
そして計算が狂う。
「おやおやいいのですか、貴方の出方次第で可愛い彼がどうなるか?」
鎖に繋がれていない雌豹を前にして大久保は一歩前に踏み込んでしまった。
「どういう意味です」
「何処の国でも凶悪犯の尋問中の不慮の事故はよくあることではないですか?」
肌にねっとりと油のように垂れて粘つく視線でジャンヌを見下ろす大久保。
「セリに何かあったら覚悟しなさい」
そんな油のような視線を焼き尽くす視線を受けてなお大久保は退かない。
大久保は所謂悪徳刑事、刑事という職を利用してヤクザから小遣いを巻き上げたり未成年の売春を見逃してやった見返りを楽しんだりと人生を謳歌している。
その感性はどろりと泥に覆われて鈍くなっている。
そうで無ければ悪徳刑事など出来ない。
だからジャンヌの視線を前にして死線に立たされようとも踏み込める。
「怖い怖い。ですが彼がどうなるかは貴方次第ですよ」
大久保はジャンヌの肩にその手を乗せる。
「この手を・・・」
ジャンヌが大久保の手を振り払おうとするより早く大久保の口が開く。
「おやおや見捨てますか?」
「!?」
「彼を自由に出来るかどうかは貴方に懸かっているんですよ。
なに日本の諺でね。天井の染みでも数えて貰っていれば終わりますよ」
「大久保さん、ちょっとまずいですよ。もしばれたら」
様子を見ていた男の一人が大久保を止めようと耳に囁く。
「馬鹿。こんなチャンス二度と来ないぞ。あばずれの小娘じゃ無い、正真正銘の聖女様を抱けるんだぞ」
大久保は理解している男としてジャンヌ以上の女を抱ける機会など二度と巡ってこないことを。なら男として冒険をするのは当たり前と思い込む、寧ろこの機会を見逃すようでは男になれないとさえ思い込む。決して女を脅して抱く事が男らしくないという考えは浮かばない。ピラニアの如く目に付くチャンスに食らい付く。
「ですが」
「それほどの価値はあるし、これくらいのご褒美は許してくれるさ」
「そっそれは」
「でなきゃ俺達を配置したりしないさ」
大久保に言われちらっとジャンヌを見た男はその溢れる魅力に抗えなくなる。
「分かりました。早く回して下さいよ」
この男も欲望に負けた。
そういった意味ではここに配置された部下は質が良くないが、そもそもまともな刑事達ならこんな仕事をしない。大久保が言った通り黒幕にとって、この程度のことは想定の内で最低限ジャンヌをここに釘付けにしておいてくれれば良し。目的を果たした後なら、どうとでも繕えるという計算があってのこと。
「分かってるよ。
だが他人がするのを見るのは自分でする以上に興奮するものだぜ」
「俺は若いんで、そこまで到ってませんよ」
「最低」
ジャンヌは吐き捨て大久保に体重を掛けられ全身を潰されるようにベットに沈み込む。
大久保の慣れた手がジャンヌのライダースーツのジッパーを降ろしていく。
白人とハーフでしか為し得ない絹ごし豆腐のように白くきめ細かく柔らかい肌が鎖骨から露わになっていく。
ちゃーーと降ろされていき、胸が晒され腹が晒され、ジャンヌの顔が羞恥に染まっていく。
それでもジャンヌは抵抗しない。
女性の秘部まであと後数エレメント。
それでもジャンヌは果無の為恥辱を食い縛って耐えるのであった。
ジャンヌは一応フランスの要人ということで果無と違い近場の高級ホテルのスィートに軟禁という形にされている。後でフランス政府と外交問題にならないようとの配慮が働いていて、そういう政治的判断が出来る人物が黒幕にいる。
まさに果無の読みは当たっていた。
「いい加減私を自由にして下さい」
手錠などの拘束はされていないが寝室に押し込められ男三人に監視されていては気が滅入ってくる。
ジャンヌもまた日本の警察と揉めたくないとの配慮が働いて大人しくしていたが、そろそろ我慢が限界に来ている。
「残念ながらそれは出来ませんな。貴方は容疑者なのですよ」
ジャンヌは可愛い顔が般若になるほどの険しい顔で睨み付けるが、この場のリーダー格らしい中年の男大久保はその飛び出た腹の如くふてぶてしく言い返す。
「なら連絡をさせて下さい。弁護士を呼ぶ権利はあるはずです」
「あるかもしれませんが、当方法律には疎い下っ端なので上に聞かないと分かりませんな」
「良くもぬけぬけと言う」
面の厚さは腹の厚さと同じマスコミに聞かれたら大問題の発言を肩を竦めて堂々とのたまう大久保。あまりの態度にジャンヌの体から殺気が溢れ体に密着したライダースーツが膨れ上がったような幻想に襲われる。
猛獣たる雌豹が目の前にいる。
一歩間違えば喰われてしまう死の恐怖が振り撒かれる。
密着するライダースーツで浮き上がる体は鍛え上げられ無駄を削ぎ落としつつも女の柔らかさラインも残り瑞瑞しい生と性が溢れている。
死が生に陰影を刻んで性を強調する。
ただでさえ女の微香に擽られる部屋にいてかろうじて抑えていた中年の欲望の蓋が緩み出す。
ゴクッと生唾を飲んでしまった大久保。
そして計算が狂う。
「おやおやいいのですか、貴方の出方次第で可愛い彼がどうなるか?」
鎖に繋がれていない雌豹を前にして大久保は一歩前に踏み込んでしまった。
「どういう意味です」
「何処の国でも凶悪犯の尋問中の不慮の事故はよくあることではないですか?」
肌にねっとりと油のように垂れて粘つく視線でジャンヌを見下ろす大久保。
「セリに何かあったら覚悟しなさい」
そんな油のような視線を焼き尽くす視線を受けてなお大久保は退かない。
大久保は所謂悪徳刑事、刑事という職を利用してヤクザから小遣いを巻き上げたり未成年の売春を見逃してやった見返りを楽しんだりと人生を謳歌している。
その感性はどろりと泥に覆われて鈍くなっている。
そうで無ければ悪徳刑事など出来ない。
だからジャンヌの視線を前にして死線に立たされようとも踏み込める。
「怖い怖い。ですが彼がどうなるかは貴方次第ですよ」
大久保はジャンヌの肩にその手を乗せる。
「この手を・・・」
ジャンヌが大久保の手を振り払おうとするより早く大久保の口が開く。
「おやおや見捨てますか?」
「!?」
「彼を自由に出来るかどうかは貴方に懸かっているんですよ。
なに日本の諺でね。天井の染みでも数えて貰っていれば終わりますよ」
「大久保さん、ちょっとまずいですよ。もしばれたら」
様子を見ていた男の一人が大久保を止めようと耳に囁く。
「馬鹿。こんなチャンス二度と来ないぞ。あばずれの小娘じゃ無い、正真正銘の聖女様を抱けるんだぞ」
大久保は理解している男としてジャンヌ以上の女を抱ける機会など二度と巡ってこないことを。なら男として冒険をするのは当たり前と思い込む、寧ろこの機会を見逃すようでは男になれないとさえ思い込む。決して女を脅して抱く事が男らしくないという考えは浮かばない。ピラニアの如く目に付くチャンスに食らい付く。
「ですが」
「それほどの価値はあるし、これくらいのご褒美は許してくれるさ」
「そっそれは」
「でなきゃ俺達を配置したりしないさ」
大久保に言われちらっとジャンヌを見た男はその溢れる魅力に抗えなくなる。
「分かりました。早く回して下さいよ」
この男も欲望に負けた。
そういった意味ではここに配置された部下は質が良くないが、そもそもまともな刑事達ならこんな仕事をしない。大久保が言った通り黒幕にとって、この程度のことは想定の内で最低限ジャンヌをここに釘付けにしておいてくれれば良し。目的を果たした後なら、どうとでも繕えるという計算があってのこと。
「分かってるよ。
だが他人がするのを見るのは自分でする以上に興奮するものだぜ」
「俺は若いんで、そこまで到ってませんよ」
「最低」
ジャンヌは吐き捨て大久保に体重を掛けられ全身を潰されるようにベットに沈み込む。
大久保の慣れた手がジャンヌのライダースーツのジッパーを降ろしていく。
白人とハーフでしか為し得ない絹ごし豆腐のように白くきめ細かく柔らかい肌が鎖骨から露わになっていく。
ちゃーーと降ろされていき、胸が晒され腹が晒され、ジャンヌの顔が羞恥に染まっていく。
それでもジャンヌは抵抗しない。
女性の秘部まであと後数エレメント。
それでもジャンヌは果無の為恥辱を食い縛って耐えるのであった。
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