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『花びら』

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 病室に舞う花びらを少女は眺めた。
 この儚い花びらのように誰かの心に残りたい。
 少女は好きな作家に手紙を書いた。
 手術の日が訪れる。失敗すれば目覚めることはない。
 不安な少女の元に手紙が届く。作家からの感謝の手紙。
 少女は満たされ、麻酔で眠った。
 ――風を感じ、目を覚ます。
 私、まだ生きている。
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