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第4話 いつだって自信なんてもてなくて。欲しいものは?
しおりを挟む「?天慶さま?ご気分を害されてます??」
「いや…。別に。」
ご気分がいい訳ではないが、初めは「そんな訳ない」といった颯太がサンタクロースとやらからどんな贈物が、と期待している様子は子供っぽくて可愛くもある。
「ほんとに?」
ちょっと恥ずかしかった?
手をとめて頬を赤らめる颯太。
オレは別に何かが欲しい、とかあんまり思ってないしぃ。オレには勿体ないくらい着るものも食べ物もいっぱいいただいてるもん。
オレが欲しいとしたら...。
くすくす。
「あの、おやすみなさい!」
ぱっと目を背けて布団に潜り込む颯太。
オレが欲しいとしたら、自分の存在する意味とかかもしれない。絶対に自分を必要としてくれるなにか。
(それって貰えるもんじゃないよね。小さな妖精さんでも入ってるのかしらん?)
そんなバカな。
ただ...。オレは親に捨てられたから。
それは自分は要らない人間だってゆう劣等感を植え付けられてて。
オレはこんなだし、みんなが天慶さまに逆らわなくても...。逆らってるわけじゃないけど気にさわってるとアリアリとわかることだらけ。いつか天慶さまにも捨てられて、寄る辺ない自分になってしまったらどうしていいかわからない、とゆう不安がいつもつきまとってる。
別にただ、生きていく。
ってことはそんなに難しくないと思う。
ただ、食べて、寝て。
それを繰り返していけば命ってなくならないかもしれない。
今のオレにはその能力だけはあると思う。
でも...。
そんなのってほんとに 生きてることなんだろうか?
ちょっと考えてから、真っ赤な靴下に勇気を借りて思い切ってずっと抱えていた疑問をきりだしてみる。
「天慶さま、あの・・・。なんであの時・・・。オレを拾ったのですか?」
そう。
それは市中の貧しい子供達を見る度に、
なぜ、自分は?と思っていたこと。
あの時、天慶さまはなんで捨てられた自分を拾ったのか?
他にも捨て子はたくさんいて、売られる子だっていて...。
なぜ、自分、だったのか?
自分は他の子と違ってたのだろうか?
自分があまりにも惨めだったから?
自分は?
オレは?
特別な、何かがあったって思いたいんだと思う。
自分の生きてる、って意味があるとしたら...。
予想外の颯太の言葉に帳台から身をおこし、真顔に戻る天慶さま。
「そうだな?んっ」
思い切っていってみた言葉にちょっと戸惑い
「あの、やっぱりいいです、」といいかけた言葉をのみこむ颯太に答えてくれる気があるのか??
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