流れる川

連鎖

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宿場町

フロント①

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 エリカが旅館を出た後に、彼女が望んでいたことが全て終わったらしく、
 煌々と光っていた店の灯火は消え、そこから見送るのは、
 眠ったように横たわる女と、雑多な形をした物、
 そして、何かの形をした干からびた者が横たわっていた。

 エリカは、嬉しそうに笑っていた。

 店に入ってからは、暖かいシャワーを浴びて身体を清め、
 灯りからの祈りに対しては祝福を送り、
 彼の願いの代償?、いや願った結果として、供物まで受け取っていた。

 その事で身体は火照っていたが、
 白み始める夜の風は冷たく、彼女はまた新しい旅の続きを考えていた。

「さむ。ッ。ブルル。。。。トロぉお。。。。(いやっ。。)」

 夜風のせいで膣口が動き、何かが溢れ出したような感覚があったので、
 いつものように手を当て、こぼれ出したものを救おうとしていた。

「ジュルジュル。ぺろ。ペチャペチャ。ちゅるちゅる。ふぅう。。」

 しかし、いつものように何かが溢れ出して指に絡みつく感触はなく、
 布から染み出したのが、愛液に混じった精子が付着した気がしたので、
 指先を口に入れて、味を確かめるように舐めていた。

(もう朝よねぇ。。。どうしようかなァ。。うぅぅん。ふぅうう。)

 さすがにこの時間には、エリカが喜びそうな男も出歩いていないし、
 見かけたとしても、話しかければ邪魔をするなと言いそうな人ばかりで、
 その一生懸命に、何かに急かされているように働いている人を見ていた。

「うふふふふ。。君達も、ありがとうねェ。。アハハ。。ボウッ。。」

 そんな人に何かを思ったのか、それとも、これは祝福だったのか、
 ここに居る事さえ忘れられ、そこから何も変わることができない人達と、
 今までエリカに遊んで貰っていた布切れは、
 彼女の笑い声と一緒に、この世界から旅立ち、そして消えていった。

 。

「ペタペタ。。ペタペタ。。たっ。。だいぃいい。まぁああああ。」

 誰もいない静かなフロントに、エリカの大声が響き渡っていた。

「バタバタ。。お。。。おか。。おかえりなさい。。お客様。。
 お買い物はどうでしたか?。。。満足できましたでしょうか?」

(なんで元気なんだ?まだ足りないって感じの格好だが、本当に足り。。)

 大声をあげているエリカが、あの店で主演をしていたのを知っているし、
 そこで楽しんできた客から、その内容も聞いていた。
 しかし、今ではその客も気絶したように眠っているし、
 死んではいないが、眠ったように動かない人も旅館に担ぎ込まれていた。

 もちろん、旅館を出る前にフロントで楽しみ過ぎた男達も、
 今でも疲れて寝ている人が多かった。

「うんんとぉお。まあまあ、かなああああァ。アハハ。まあまあ。ねえ。」
「そ。。。そうですかァァ。。。それほど楽しめましたかぁ。。」

(もうちょっと、食べたい気もするんだけどぉ。。
 でもねぇ。もうちょっと。もう少しだけ。。うぅぅぅん。ちょっと。。)

 普通の客は、寝ている時間だし、
 店の準備を一生懸命している人達を、これから食べたい程には。。。
 寝ている男達を無理やり起こして、もう一度食べるまでは。。。

「あっ。。。」「(ひゃ。。)。。」

(次は俺かぁ?俺が相手をするのか?やっぱり、俺だよなぁ。本当に?)

 確かに彼女は美しい女だし、何度も味わっても飽きることはないが、
 舞台を楽しんできた人から聞いた演目などは、
 その内容を聞いただけで、恐ろしくて、怖いとまで感じていた。

 もちろん、主演の彼女は店で疲れ果てて気絶していると思っていたが、
 何故か元気そうに、この旅館に帰ってきているし、
 そんな恐ろしい彼女を、自分の身体が求めている事にも戸惑っていた。

 ああ、舞台を見て旅館に戻ってきた人は、
 満足そうに「最高だった」と笑って答え、明日も行きたいと言っていた。

 また、舞台の下で楽しんできた知り合いの女は、
「今度は一緒に舞台に立ちたい」と言っていたが、
 その狂気じみた目と、嬉しそうに笑う口が怖かった。

「ごめん。。アレ。消しちゃったァ。また入れてもらってもいいかなぁ?」
「?。。アレとは?」「ダン。。ぐいぃいい。。ここ。。ここのよ。」

(なーんか、違和感があると思ったらァ。うふふふふ。アレよ。あれぇ。)

(何をしているんだ?脚。。足をのせて、何をしたいんだ?この女!)

 早朝に真っ赤なショーツ一枚で、旅館に入ってきた事にも驚いていたが、
 男の前に有る旅館のカウンターに片足をのせて、
 アソコを見ろとでも言っているのか、
 太ももに手を当てて、ある部分を広げている姿に驚いていた。

「とても綺麗だと思いますが?ポーションでも、ご入り用でしょうか?」

(濡れてる。そうか、まだ足りない。傷でも。。うぅぅぅ。ダメだ!
 きれい。ふぅう。見るな。流されるんじゃな。。う。うぅう。傷かぁ?)

 彼女を求めている本能に流されたくは無いし、
 もしこれから楽しめば、仕事に戻って来れそうにも無い、
 お客様の言っている意味はわからないが、
 やり過ぎで、何処かに傷か違和感があると言っていると思うので、
 くい込んだショーツに顔を近づけて、その場所を探していた。

 もちろん、美味しそうに誘う、
 濡れて透けた割れ目、はみ出して盛り上がる膣壁、はみ出した肉ビラ、
 全てがショーツで隠されている部分もあり、直接見るよりもイヤラシク、
 視線を向けないように、近づいて舐めないように注意しながら、
 彼女が確認させたい場所を、必死に探していた。

「ぐちゅぐちゅ。。ぐい。。ここに欲しいの!ここのヤツ。グチュ。」

(やっぱり、あれでしょう。うふふふふ。アハハハハ。忘れてたぁ。)

 エリカは、マネキンの何も無い美しい肌が羨ましかったのだろうか、
 邪魔だといって、勝手に刻印を消していた。

 もちろん、刻印が無ければ、またあの店で巨大な肉棒を貰え無いし、
 気絶するほどに痛かった?、いや嬉しくて泣いていた刻印が欲しくて、
 もう一度入れて欲しいと、もう一度味あわせて欲しいと、
 綺麗に何も無くなった場所を広げて、必死に頼んでいた。

「お。。。お綺麗ですよ?
 何もありません。何も変な所はありません。とてもお綺麗ですが。。」
「ガツン。。ぐい。じゃあ、こっち!!ここでもいいからぁああ!
 パァあァァァァん。ココよ!ぱんぱん。ここよ!!ここぉおォオ。」

 身体を異性に見せて、恥ずかしいという気持ちが無いのか、
 それとも逆に、変態露出の痴女らしく見られて嬉しいのか、
 今度はアナルでも見ろと言っているのか、
 背を向けてお尻を突き出し、平手で思い切り叩いていた。

「あっ。。。。ああ、そちらですね。アハハ。。ハあぁあァァ!」

(アハハ。そうか。そういう事だよな。あぁ。刻印。あれなぁ。アハハ。
 用意はできるがぁ。。カチャカチャ。。んっ!!この女って。。
 えっ。。そういえば、刻印って、そうだよ。。どうして忘れて。。。?)

 この男にとっても、肉豚露出狂の変態に刻印を入れてやるのも、
 この美しい女の管理者となっても嬉しいのだが、
 今まで忘れていたのか、確認していたが見ていなかったのか、
 エリカが出してきたカードの照合を、もう一度見て焦っていた。

(アレか?げっ。。本人なのか?そういう事は。。この女。。そうだよ。)

 カードの偽造も考えてみたが、このレベルの物が出来るなら、
 この女のカードを作った意味が、わからない人などいないし、
 有り得ないが、落し物でも使っているかもという希望さえ考えていた。

 しかし、刻印を消すなど、
 皮膚から筋肉まで、全てエグってから治療すれば出来るかもしれないが、
 何も無かった位に、その場所が綺麗になる事など考えられないので、
 普通に考えれば、治癒では無く再生が可能な魔法使いという事だった。

 その特別な人が、たまたまエリカのカードを拾い、
 使った意味など知らない、ただのバカなのかもしれないが、
 それでも、死ぬより恐ろしい事を受け入れる事など考えられなかった。

 ああ、もう一度入れて欲しいと言っている人が、
 わざわざ再生ができる人に会いに行き。。。にしても、ありえなかった。

「まさか!消したりしたら。。ブルル。。消しちゃったら。ブルブル。」

「大丈夫ですよぉおお。ぜんっぜえぇん、問題ありませぇえん。
 とっても、大丈夫ですからねぇ。アハハ。いやあぁ、消しましたかぁ。」

「いいのよ。しょ。。正直に言ってください。バババ。罰なら。。」

(やっぱり、ハァァ。磔にされてぇえ。むち打ちィい。
 いや。。観客から石を投げられてぇ。大声でなじられぇえ。
 キャ。ハァアン。その前に引き回し。。観客の前でぇええ。ハアハア。
 やっぱり、そのあとは、ひやぶりぃ。うぅう。うぅぅぅ。。ハアハア。)

 これから罰を与えられると思っただけで、身体は素直に反応するし、
 その事を妄想しただけで、我慢できなくなった心が疼き始めていた。

「アハハハハ。そんな事ありませんよぉお。アハハハハ。大丈夫ですぅ。」

(どうして、気づかなかった?なぜ気づかなかった?何かをされていた?)

 エリカの事で流れてくる噂は、半分でも、それ以下でも関係ないが、
 この女が、気分次第で街を消し去ってしまい、
 しかも、それを咎める人はいないし、
 それを罰する力など、この世界に存在しなかった。

 もちろん、嘘だと思いたいが、
 不老不死で不滅に、全知全能だという噂まで聞いたことがあったので、
 そんな女の相手を、これ以上続けられないと焦り始めていた。

(次わぁ。何をされるのぉおお?今から、牢屋に連れていかれてぇえ。
 はぁ。尋問でしょぉ。ハアハア。お前わぁ。し。知りませえん。うぅ。)

 我慢できないほど膨れた妄想が、エリカの顔に現れているらしく、
 嬉しそうにでも、何かを考えているようにも見える顔で笑っていた。

「あのォ。。たいっへん。申し訳ございません。宿泊客以外には。。」
「うぅぅぅん。そっかァ。。でもぉぉぉ。デモサァアア。でぇえもぉお。」

 刻印が出来ないと男が断って来た事に、周りが灰燼になっていないので、
 彼女がその事に怒ってはいないように感じるのだが、
 何故かエリカは、難しそうな顔で男を見つめ返していた。

「アレは、特別でしてぇ。。。ご用意。。」「いくらでも、待つわよ?」
「お客様に、待っていただくのもぉ。。」「いつも暇だし、いいわよ!」

(もう一度。もう一回かぁ。。ウゥン。また同じかなぁ。アァ。
 そういえばぁ、この旅館の、お風呂に入っていない!おっふろおおぉ。)

 彼が、自分と周りの死を覚悟しながら言い返している声など、
 彼女は聞いていないし、気にもしていないらしく、
 エリカがニヤニヤと嬉しそうに、違うことを考えながら笑っていた。

「ご宿泊。。」「ああ、いいわよ。楽しかったし、明日も泊まるわァ。」
「あいにく。。」「えぇ。無いのぉおお。アイツの部屋でもいいからぁ。」
「あの。。」「そこまで無いの?じゃあ、そこのソファーでもイイわ。」

(アハハ。宿泊客へのサービスですうぅぅぅ。ぐふふふふ。アハハハハ。
 温められた肉布団にぃ。枕でもいいしぃ。ティッシュなんてえぇ。)

 彼女に部屋など必要無いし、何処で寝ていたって、眠らなくたっていい、
 誰かが通る場所で寝ていたら、その人の部屋に連れ込まれてもいい、
 その程度の事は、気にもしていないし、
 最後には、旅館の備品のように扱って貰っている事まで考えていた。

「えっ。」「そうそう、バッ。番犬ってどう?。番犬よぉ。ぶるぅうん。」
「。」「ここの、番犬よ!ふうぅぅぅ。く。。首輪で。。つつ。。つ。」

(そうよ。。いぬよ。。ここに飼われている。。犬になればああァ。。)

 番犬は家畜なのだから、
 すぐに家から逃げ出すのなら、罰として刻印を受けると思うし、
 服を着せない外飼の犬なら、少しだけ長い鎖と首輪で放置され、
 周りから隠す事など出来ない場所で、
 排泄する姿や、発情して慰めている姿を、
 惨めに晒してもいいので、その姿を見せている自分に喜んでいた。

「ダン。。。お客様。。聞いてください!」「グチャ。。。。ウゥ?」

(いいじゃん。もぉお。もうちょっと待ってよォ。少しぐらいさァああ。)

 これからの楽しみを邪魔する相手に、エリカは容赦がなく、
 不機嫌そうな顔を隠さずに、相手の男を見つめていた。

「すみません。申し訳ございません。。。。エリカさ。。。。」


 フロント①
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