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シズナイ
花見③
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「あの。その。お願いします。そこで。」
真っ赤な顔で俯いて台を見たままで、小声で男に話しかけていた。
「はい?本当に大丈夫ですか?」
びっくりして聞き直していた。
「マイちゃーん」「あははは」「おいおい」「あれはねえ」
呆れ返った声が会場に広がっていた。
「それでお願いします。」
消え去りそうな声で話していた。
「それでは、ご武運を。ギュウウウン。カラカラ。カラカラ。」
勝たせれば良いんだよな。勝たせれば。ドキドキ。ドキドキ。
「ぎゅう。ブルブル。ブルブル。」
マイは、お祈りしてるように両手を組んで、
素人のように震えていた。
上手いのね。うふふふふふふ。これなら楽しめるかも。
さあ、楽しませて。何回目かしらね。うふふ。あははは。
「あれフリでしょ」「あのコインって」「どっかの令嬢?」「あれは」
みんなの視線が、ルーレットの行き先を見つめていた。
「コロン。カン。カカカ。カン。カカカカ。カタン。」
ふぅぅう。よし。ボールが目的の場所に止まって安心していた。
「おめでとうございます。」
積み重なったコインが、マイの目の前に押し出された。
「ぇぇえ。えぇぇ。。やったああああ。きゃああああ。」
立ち上がってから、両手を上げて何回も飛び上がっていた。
「スゲえ」「当たったよ」「おいおい、あの枚数」「あれいいのか?」
スカートが捲れて丸見えになってる姿より、
今回の当たったコインを見てビックリしていた。
うーん、もういいかなあ。見てくれないし、つまんない。
「楽しませてくれて、ありがとうございます。」
軽く会釈をして、当たったコインを手に持って交換所に戻って行った。
「え?」
慌てた顔して呼び止めようとしたが、マイは既に目の前にいなかった。
。
「これで大丈夫ですか? ジャララララ。」
嬉しそうに、テーブル上にコインを置いていた。
「ええ、これだけで大丈夫です。
(なんとかしろ。帰っちまうだろうが、わかってるよなああ。)
証文をお返ししますので、ご確認お願いします。」
どうする?言う方はいいよなあ。どうしろってよ。うーん、貴族かあ。
「残りのコインは、どう致しますか?」
他のゲームでも、やらせればいいのか?
でもなあ、こんだけあれば十分だよなあ。。うーん、どうする?
「えぇぇ。。これって、貰えるんですか?」
キョトンとして、不思議な感じで見つめていた。
「はい。換金後にお持ちください。おめでとうございます。
ガチャガチャ。ガチャガチャ。ガチャガチャ。ガチャガチャ。」
大量の金貨が、目の前に渦高く置かれた。
「えぇぇ。。こんなに沢山ですか?。。。うそ。」
目を丸くしてびっくりして、目の前にある金貨を見つめていた。
あははは、最高よね。うふふふふふふ。さあ、どうするの?
帰っちゃうわよ。あんな分かりやすい手なんて、ダメでしょ。
外せば良かったのに、そのまま外しちゃえば。
「あれ」「本当にかよ」「いいなあ」「すっごい」「女神降臨?」
ガヤガヤ。マイを見つめていた。
あはは。じゃあ。助けてあげるから頑張ってね。
「えっと、こんなに持てないから。何か有りませんか?」
困った顔で笑いかけていた。
「そうですか?カードを。。
(お前。馬鹿だろ。帰っちまうだろうが。
それじゃぁねえ。景品だ景品。
適当に見せて、選ばせてやればいいんだよ。やれよ。馬鹿。)
あ、すみません。景品と交換出来ますよ。
ここでしか手に入れられない、ここだけの一点物が有ります。
観ましょう。どーぞどーぞ、こちらです。」
必死に話しかけていた。
「たたた。。ぎゅう。。えへ。お願いします。」
楽しそうに、男の腕に自分のを絡ませて笑いかけていた。
「あ、
(おめええ。俺の女に、俺のだぞ。すぐに離れろ、わかってるよなああ。)
すみません。そういうのは、仕事中ですから。グイ。。スル。
こちらです。」
腕を引き抜いて、横に並んで歩いていた。
「そういうのはダメですか?
みんな、これが正式だって。。こうしろって。いつも。」
うるうる涙を溜めてお願いしていた。
「あははは、そういう場所も有りますが、ここでは必要有りませんから。
もう二度と、絶対。絶対に行わないでください。」
必死に首を振って断っていた。
やべぇな。なんだこの女?なんで組んだ?本当に大丈夫なのかよ。
「(ヤバくないですか?この女、変ですって。絶対に。)
(いいんだよ。そのまま、返すなよ。俺のだからなあ。
おめえは言った通り、ちゃんとやっとけ。)」
「何か変でしたか?」
いつの間にか、自分の顔を覗き込むように下からマイの目が見つめていた。
「ざああ。。。。ひいぃぃ。いや。。いや。いやああああ。
ハアハア。。。はあ。。。。はあ。」
まるで地の底に連れられていく錯覚で、悲鳴を上げながら後ろにさがった。
マイとの距離が離れたので、落ち着こうと呼吸を整えていた。
「びっくりしただけですから、大丈夫です。大丈夫です。」
仕事。仕事中。そう、仕事中。仕事だ。仕事。必死に落ち着こうしていた。
「あははは」「あれ何よ」「アイツ馬鹿じゃねえ」「いやあね笑」
「あんな可愛い子に」「マイちゃーんこっちおいでよ」「僕もしてえ」
マイを見つめていた人々が、男の行動に笑っていた。
。
男が大きな扉の前に立っていた。
「少しだけ、ここでお待ちください。」
大きなドアの前で手を上げて待っていた。
「ピーン。ニンショウシマシタ」
扉の方から、答える音が聞こえた。
「それでは、着いてきて下さい。」
男に合わせて扉が開き、中に入っていった。
「行きます。行きますよ。たたた。」
マイは、嬉しそうに笑って着いて行った。
部屋に入ると、武具。美術品。服飾品。雑貨。
何に使うか分からない物まで、整然と並んでいた。
「凄いですね。こんなに沢山有るなんて。」
つまらなそうに見つめていた。
「お客様から預かっている物も有りますが、色々と有りますので
ゆっくりご鑑賞ください。」
自慢げな顔で、笑いかけていた。
あーあ、これねえ。これかな。あははは。
一箇所を見つめていた。
食べようと思ってたんだけど。うーん、よし。休暇。
「先輩。見つけたから、あとよろしく。」「。。。」
「あははは、休暇ですけど。」「。。。」
「じゃあね。今なら入れるよ。ブチ。」
「何か気になる物が有りましたか?」
よし、それを。是非とも買わせよう。買ってもらえれば。
「すみません。特に気になる物が見つかりませんでした。
見せて頂きありがとうございます。」
仕事は無し、先輩頑張ってね。あははは。もうイイのよね。
困った顔で笑いかけていた。
「これなんてお似合いですから、付けて見ますか?」
これだよね。これ見つめていたよね。
大きな宝石のような石が、飾っているネックレスを指さした。
「えっと、それよりも。隣のがいいなあ。あははは、そっちの
それ見せてもらっていいですか?」
明らかに嫌そうな顔して、隣の高そうなゴテゴテした王冠を指さした。
「これは、ちょっとすみません。これですか? こちらでなくて?
(おめえ。いいんだよ。それなら、ぜーったいに無理だからな。
あははは、いいんだよ。それを買えそうに話してやれよ。)
じゃあ。お見積もりします。さあ、戻りましょうか。」
これは無理だって、あれは。難しい顔で外に出ようと動き出した。
「はい、お願いします。あれが欲しいなあ。あれがいいなあ。
すごーく気に入っちゃった。よろしくお願いします。」
先輩は。。うーん、まあ。休暇よね。だって休暇だし。
あははは、あっちはよろしくお願いします。頑張ってね。
嬉しそうに笑いかけていた。
花見③
真っ赤な顔で俯いて台を見たままで、小声で男に話しかけていた。
「はい?本当に大丈夫ですか?」
びっくりして聞き直していた。
「マイちゃーん」「あははは」「おいおい」「あれはねえ」
呆れ返った声が会場に広がっていた。
「それでお願いします。」
消え去りそうな声で話していた。
「それでは、ご武運を。ギュウウウン。カラカラ。カラカラ。」
勝たせれば良いんだよな。勝たせれば。ドキドキ。ドキドキ。
「ぎゅう。ブルブル。ブルブル。」
マイは、お祈りしてるように両手を組んで、
素人のように震えていた。
上手いのね。うふふふふふふ。これなら楽しめるかも。
さあ、楽しませて。何回目かしらね。うふふ。あははは。
「あれフリでしょ」「あのコインって」「どっかの令嬢?」「あれは」
みんなの視線が、ルーレットの行き先を見つめていた。
「コロン。カン。カカカ。カン。カカカカ。カタン。」
ふぅぅう。よし。ボールが目的の場所に止まって安心していた。
「おめでとうございます。」
積み重なったコインが、マイの目の前に押し出された。
「ぇぇえ。えぇぇ。。やったああああ。きゃああああ。」
立ち上がってから、両手を上げて何回も飛び上がっていた。
「スゲえ」「当たったよ」「おいおい、あの枚数」「あれいいのか?」
スカートが捲れて丸見えになってる姿より、
今回の当たったコインを見てビックリしていた。
うーん、もういいかなあ。見てくれないし、つまんない。
「楽しませてくれて、ありがとうございます。」
軽く会釈をして、当たったコインを手に持って交換所に戻って行った。
「え?」
慌てた顔して呼び止めようとしたが、マイは既に目の前にいなかった。
。
「これで大丈夫ですか? ジャララララ。」
嬉しそうに、テーブル上にコインを置いていた。
「ええ、これだけで大丈夫です。
(なんとかしろ。帰っちまうだろうが、わかってるよなああ。)
証文をお返ししますので、ご確認お願いします。」
どうする?言う方はいいよなあ。どうしろってよ。うーん、貴族かあ。
「残りのコインは、どう致しますか?」
他のゲームでも、やらせればいいのか?
でもなあ、こんだけあれば十分だよなあ。。うーん、どうする?
「えぇぇ。。これって、貰えるんですか?」
キョトンとして、不思議な感じで見つめていた。
「はい。換金後にお持ちください。おめでとうございます。
ガチャガチャ。ガチャガチャ。ガチャガチャ。ガチャガチャ。」
大量の金貨が、目の前に渦高く置かれた。
「えぇぇ。。こんなに沢山ですか?。。。うそ。」
目を丸くしてびっくりして、目の前にある金貨を見つめていた。
あははは、最高よね。うふふふふふふ。さあ、どうするの?
帰っちゃうわよ。あんな分かりやすい手なんて、ダメでしょ。
外せば良かったのに、そのまま外しちゃえば。
「あれ」「本当にかよ」「いいなあ」「すっごい」「女神降臨?」
ガヤガヤ。マイを見つめていた。
あはは。じゃあ。助けてあげるから頑張ってね。
「えっと、こんなに持てないから。何か有りませんか?」
困った顔で笑いかけていた。
「そうですか?カードを。。
(お前。馬鹿だろ。帰っちまうだろうが。
それじゃぁねえ。景品だ景品。
適当に見せて、選ばせてやればいいんだよ。やれよ。馬鹿。)
あ、すみません。景品と交換出来ますよ。
ここでしか手に入れられない、ここだけの一点物が有ります。
観ましょう。どーぞどーぞ、こちらです。」
必死に話しかけていた。
「たたた。。ぎゅう。。えへ。お願いします。」
楽しそうに、男の腕に自分のを絡ませて笑いかけていた。
「あ、
(おめええ。俺の女に、俺のだぞ。すぐに離れろ、わかってるよなああ。)
すみません。そういうのは、仕事中ですから。グイ。。スル。
こちらです。」
腕を引き抜いて、横に並んで歩いていた。
「そういうのはダメですか?
みんな、これが正式だって。。こうしろって。いつも。」
うるうる涙を溜めてお願いしていた。
「あははは、そういう場所も有りますが、ここでは必要有りませんから。
もう二度と、絶対。絶対に行わないでください。」
必死に首を振って断っていた。
やべぇな。なんだこの女?なんで組んだ?本当に大丈夫なのかよ。
「(ヤバくないですか?この女、変ですって。絶対に。)
(いいんだよ。そのまま、返すなよ。俺のだからなあ。
おめえは言った通り、ちゃんとやっとけ。)」
「何か変でしたか?」
いつの間にか、自分の顔を覗き込むように下からマイの目が見つめていた。
「ざああ。。。。ひいぃぃ。いや。。いや。いやああああ。
ハアハア。。。はあ。。。。はあ。」
まるで地の底に連れられていく錯覚で、悲鳴を上げながら後ろにさがった。
マイとの距離が離れたので、落ち着こうと呼吸を整えていた。
「びっくりしただけですから、大丈夫です。大丈夫です。」
仕事。仕事中。そう、仕事中。仕事だ。仕事。必死に落ち着こうしていた。
「あははは」「あれ何よ」「アイツ馬鹿じゃねえ」「いやあね笑」
「あんな可愛い子に」「マイちゃーんこっちおいでよ」「僕もしてえ」
マイを見つめていた人々が、男の行動に笑っていた。
。
男が大きな扉の前に立っていた。
「少しだけ、ここでお待ちください。」
大きなドアの前で手を上げて待っていた。
「ピーン。ニンショウシマシタ」
扉の方から、答える音が聞こえた。
「それでは、着いてきて下さい。」
男に合わせて扉が開き、中に入っていった。
「行きます。行きますよ。たたた。」
マイは、嬉しそうに笑って着いて行った。
部屋に入ると、武具。美術品。服飾品。雑貨。
何に使うか分からない物まで、整然と並んでいた。
「凄いですね。こんなに沢山有るなんて。」
つまらなそうに見つめていた。
「お客様から預かっている物も有りますが、色々と有りますので
ゆっくりご鑑賞ください。」
自慢げな顔で、笑いかけていた。
あーあ、これねえ。これかな。あははは。
一箇所を見つめていた。
食べようと思ってたんだけど。うーん、よし。休暇。
「先輩。見つけたから、あとよろしく。」「。。。」
「あははは、休暇ですけど。」「。。。」
「じゃあね。今なら入れるよ。ブチ。」
「何か気になる物が有りましたか?」
よし、それを。是非とも買わせよう。買ってもらえれば。
「すみません。特に気になる物が見つかりませんでした。
見せて頂きありがとうございます。」
仕事は無し、先輩頑張ってね。あははは。もうイイのよね。
困った顔で笑いかけていた。
「これなんてお似合いですから、付けて見ますか?」
これだよね。これ見つめていたよね。
大きな宝石のような石が、飾っているネックレスを指さした。
「えっと、それよりも。隣のがいいなあ。あははは、そっちの
それ見せてもらっていいですか?」
明らかに嫌そうな顔して、隣の高そうなゴテゴテした王冠を指さした。
「これは、ちょっとすみません。これですか? こちらでなくて?
(おめえ。いいんだよ。それなら、ぜーったいに無理だからな。
あははは、いいんだよ。それを買えそうに話してやれよ。)
じゃあ。お見積もりします。さあ、戻りましょうか。」
これは無理だって、あれは。難しい顔で外に出ようと動き出した。
「はい、お願いします。あれが欲しいなあ。あれがいいなあ。
すごーく気に入っちゃった。よろしくお願いします。」
先輩は。。うーん、まあ。休暇よね。だって休暇だし。
あははは、あっちはよろしくお願いします。頑張ってね。
嬉しそうに笑いかけていた。
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