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あーちゃん(夏の海)
波打ち際
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テントを組み立てた後で水着に着替えた二人は、
日射しで熱くなった砂を感じながら、青く広がる海へと駆けていた。
「アッ、あっつううっ!」
「早く、早く。りょうへえ。はぁぁあヤあァクゥウぅ。」
砂浜を駆けているひかりは、片手に浮き輪を抱え、
もう一方の手で亮平の手をしっかりと握り締めながら、
太陽の光でキラキラと輝く海を目指して走っていた。
「ザザァ、ザザアァアァ。」
砂浜を手を引かれて走っている亮平は、大きな背中を見上げながら、
短い足を懸命に動かして、彼女についていった。
「ひかり、ちょっと待って!砂が熱いってぇ、あとさぁあ。
そんなに強く腕を引いたら、このままじゃ転んじゃうぅう!」
「遅いぞぉお!りょうへええぇ。早く来ないと、置いてくよおぉ!」
二人は手を繋ぎ、楽しそうに笑いながら走り続けた。
砂浜の先にテントが小さく見え始めた頃には、
「ジャバ。ジャバババァ。ジャバ。ジャバ。」
ひかりの足元に波が優しく寄せては引き、
追いついた亮平の膝辺りまで水がかかると、
その冷たい感触に、二人は歓声を上げていた。
「ザザァ、ジャブジャブ。冷たいぃいい!じゃぶじゃぶう。」
「アハハハ、気持ちいいぃい!亮平。どう?たのしぃい?」
周囲を気にしつつも、ひかりは海にいる開放感と、
亮平の無邪気な笑顔に心が軽くなるのを感じていた。
もちろん、家族連れやカップルが楽しげに遊ぶ姿も目にしているので、
その光景にひかりの気持ちはさらに和らいでいった。
しかし、ふと自分のビキニ姿が気になっていた。
それは、小さな三角形の布で隠しただけのセクシーなデザインで、
亮平を連れて大股で走った時に、結び目が緩んだのか、
それとも、水を含んで生地が伸びてしまったのか、
「食い込んでいる?緩んでいる?チョット待って、見えているの?」
布と肌の位置が少しずつズレていく感じに戸惑っていた。
そんな事など気づいていない亮平は、
「お姉ちゃん、もっと沖に行こうよ!もっと沖にぃいい。」
と目を輝かせながら言って浮き輪を手で掴み、
ひかりを沖へ引っ張って行こうとするので、
彼女は水着の違和感を感じながらも、笑って沖へ向かっていた。
「ほら、浮き輪!これを付けて。」「はぁああい!」「ズボッ。」
「亮平も気をつけてよ、ここから深くなるから絶対に離れないで!」
「アハハハハ。お姉ちゃん。心配しすぎだよぉ。」
ひかりが沖へ向かうたびに、乾いていた身体が海水で濡れ始め、
足首から太ももまで濡らし始めると、
「ザバザバぁああ。ザバザバ。ザバザバ。」
大きな波が来た時に、股布辺りまで濡らしてしまい、
布が身体に貼り付き、食い込むような感じがしてきた。
その度にお尻側に手を持っていき、食い込みを直していたが、
脚を動かす度に戻った感じがしていたので、
「気のせいよ。大丈夫。見えないし、知らない人は、あんなに遠くよ。」
今では多少の違和感なら、大丈夫だと信じようとしていた。
「ザブーン!」「うわっ、ひかりぃいい。冷たいってぇえ!」
そうやって沖へ進んでいる内に、大きな波がひかりに襲いかかり、
足をすくわれたらしく、バランスを崩して海の中に倒れ込んでいた。
「ザッバッ。アハハハ。ちょっと、亮平!今の波って、大きかったねぇ!」
ひかりは膝をついて水に倒れ込み、全身が海水に浸った時に、
ビキニのトップが大きくズレたらしく、
慌てて立ち上がり、濡れた髪をかき上げながら笑って直していた。
その恥ずかしそうに水着を直しているひかりに、
亮平が気を使ったらしく、
「よし、もう一回波に挑戦だぁあ!」
大きな声で「もう一回」と叫ぶと、ひかりもその声に応じていた。
「いいわよ、もう一回ね!今度は大丈夫よ。絶対に倒れないからぁ。」
次第にひかりは、ビキニの違和感も気にならなくなり、
それを直すこともしなくなり、二人は夢中で波と遊び始めていた。
亮平は浮き輪を着けているので安心だが、
大きな波がくるたびに足がつかなくなるので、
それが悔しいのか、彼は膝を曲げて波に合わせて跳び上がっていた。
そんな亮平を、ひかりは笑顔で見守っていた。
やがて亮平が「お姉ちゃん、もっと沖に行こう!」と言い出し、
「じゃあ、しっかり掴まって!」と、
浮き輪にしがみつかせながら彼の手を引いていた。
ひかりの胸が海に浸かるほどの深さまで進んだところで、
「どお?怖いでしょ?」と聞くと、
「アハハハハ、楽しいよ、お姉ちゃん!」と亮平は無邪気に笑っていた。
そうやって亮平が笑顔なのも、
私が絶対に手を離さないと信じてくれているからだと気付き、
ひかりの心をさらに軽くした。
波で遊んだ後、少し疲れた二人は海から上がり、砂浜へ戻った。
海から出ると、亮平が邪魔になった浮き輪を砂浜に放り投げ、
ひかりはすぐに浮き輪を拾い、足を大きく上げて振りかぶった。
「いくぞ、亮平!ブン。」「バシッ!痛いって、ひかり!」
「アハハ、投げ返して!」
ひかりが軽く浮き輪を亮平に投げつけると、
それはすぐに彼に当たり砂の上に転がった。
亮平はそれを掴み、ぐるりと横に一回転して遠くに投げ返す。
「ズサァア!ちょっと遠いよー!」「いえーい!」
「もう一回いくよ、亮平!」「来いよ、ひかり!」
ひかりは届かない浮き輪に手を伸ばし、砂浜に倒れ込んでしまった。
倒れた時に海水で濡れていた身体に砂がくっついていたが、
そんなことは全く気にせずに、再び浮き輪を投げ返していた。
亮平も楽しそうにそれを受け取り、二人は無邪気に遊び続けた。
何度も遊んでいるうちに、ひかりの心は次第にリラックスをし、
亮平との時間を心から楽しんでいた。
波打ち際
日射しで熱くなった砂を感じながら、青く広がる海へと駆けていた。
「アッ、あっつううっ!」
「早く、早く。りょうへえ。はぁぁあヤあァクゥウぅ。」
砂浜を駆けているひかりは、片手に浮き輪を抱え、
もう一方の手で亮平の手をしっかりと握り締めながら、
太陽の光でキラキラと輝く海を目指して走っていた。
「ザザァ、ザザアァアァ。」
砂浜を手を引かれて走っている亮平は、大きな背中を見上げながら、
短い足を懸命に動かして、彼女についていった。
「ひかり、ちょっと待って!砂が熱いってぇ、あとさぁあ。
そんなに強く腕を引いたら、このままじゃ転んじゃうぅう!」
「遅いぞぉお!りょうへええぇ。早く来ないと、置いてくよおぉ!」
二人は手を繋ぎ、楽しそうに笑いながら走り続けた。
砂浜の先にテントが小さく見え始めた頃には、
「ジャバ。ジャバババァ。ジャバ。ジャバ。」
ひかりの足元に波が優しく寄せては引き、
追いついた亮平の膝辺りまで水がかかると、
その冷たい感触に、二人は歓声を上げていた。
「ザザァ、ジャブジャブ。冷たいぃいい!じゃぶじゃぶう。」
「アハハハ、気持ちいいぃい!亮平。どう?たのしぃい?」
周囲を気にしつつも、ひかりは海にいる開放感と、
亮平の無邪気な笑顔に心が軽くなるのを感じていた。
もちろん、家族連れやカップルが楽しげに遊ぶ姿も目にしているので、
その光景にひかりの気持ちはさらに和らいでいった。
しかし、ふと自分のビキニ姿が気になっていた。
それは、小さな三角形の布で隠しただけのセクシーなデザインで、
亮平を連れて大股で走った時に、結び目が緩んだのか、
それとも、水を含んで生地が伸びてしまったのか、
「食い込んでいる?緩んでいる?チョット待って、見えているの?」
布と肌の位置が少しずつズレていく感じに戸惑っていた。
そんな事など気づいていない亮平は、
「お姉ちゃん、もっと沖に行こうよ!もっと沖にぃいい。」
と目を輝かせながら言って浮き輪を手で掴み、
ひかりを沖へ引っ張って行こうとするので、
彼女は水着の違和感を感じながらも、笑って沖へ向かっていた。
「ほら、浮き輪!これを付けて。」「はぁああい!」「ズボッ。」
「亮平も気をつけてよ、ここから深くなるから絶対に離れないで!」
「アハハハハ。お姉ちゃん。心配しすぎだよぉ。」
ひかりが沖へ向かうたびに、乾いていた身体が海水で濡れ始め、
足首から太ももまで濡らし始めると、
「ザバザバぁああ。ザバザバ。ザバザバ。」
大きな波が来た時に、股布辺りまで濡らしてしまい、
布が身体に貼り付き、食い込むような感じがしてきた。
その度にお尻側に手を持っていき、食い込みを直していたが、
脚を動かす度に戻った感じがしていたので、
「気のせいよ。大丈夫。見えないし、知らない人は、あんなに遠くよ。」
今では多少の違和感なら、大丈夫だと信じようとしていた。
「ザブーン!」「うわっ、ひかりぃいい。冷たいってぇえ!」
そうやって沖へ進んでいる内に、大きな波がひかりに襲いかかり、
足をすくわれたらしく、バランスを崩して海の中に倒れ込んでいた。
「ザッバッ。アハハハ。ちょっと、亮平!今の波って、大きかったねぇ!」
ひかりは膝をついて水に倒れ込み、全身が海水に浸った時に、
ビキニのトップが大きくズレたらしく、
慌てて立ち上がり、濡れた髪をかき上げながら笑って直していた。
その恥ずかしそうに水着を直しているひかりに、
亮平が気を使ったらしく、
「よし、もう一回波に挑戦だぁあ!」
大きな声で「もう一回」と叫ぶと、ひかりもその声に応じていた。
「いいわよ、もう一回ね!今度は大丈夫よ。絶対に倒れないからぁ。」
次第にひかりは、ビキニの違和感も気にならなくなり、
それを直すこともしなくなり、二人は夢中で波と遊び始めていた。
亮平は浮き輪を着けているので安心だが、
大きな波がくるたびに足がつかなくなるので、
それが悔しいのか、彼は膝を曲げて波に合わせて跳び上がっていた。
そんな亮平を、ひかりは笑顔で見守っていた。
やがて亮平が「お姉ちゃん、もっと沖に行こう!」と言い出し、
「じゃあ、しっかり掴まって!」と、
浮き輪にしがみつかせながら彼の手を引いていた。
ひかりの胸が海に浸かるほどの深さまで進んだところで、
「どお?怖いでしょ?」と聞くと、
「アハハハハ、楽しいよ、お姉ちゃん!」と亮平は無邪気に笑っていた。
そうやって亮平が笑顔なのも、
私が絶対に手を離さないと信じてくれているからだと気付き、
ひかりの心をさらに軽くした。
波で遊んだ後、少し疲れた二人は海から上がり、砂浜へ戻った。
海から出ると、亮平が邪魔になった浮き輪を砂浜に放り投げ、
ひかりはすぐに浮き輪を拾い、足を大きく上げて振りかぶった。
「いくぞ、亮平!ブン。」「バシッ!痛いって、ひかり!」
「アハハ、投げ返して!」
ひかりが軽く浮き輪を亮平に投げつけると、
それはすぐに彼に当たり砂の上に転がった。
亮平はそれを掴み、ぐるりと横に一回転して遠くに投げ返す。
「ズサァア!ちょっと遠いよー!」「いえーい!」
「もう一回いくよ、亮平!」「来いよ、ひかり!」
ひかりは届かない浮き輪に手を伸ばし、砂浜に倒れ込んでしまった。
倒れた時に海水で濡れていた身体に砂がくっついていたが、
そんなことは全く気にせずに、再び浮き輪を投げ返していた。
亮平も楽しそうにそれを受け取り、二人は無邪気に遊び続けた。
何度も遊んでいるうちに、ひかりの心は次第にリラックスをし、
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