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リリアンとクロ(正義の味方)

初戦③

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(アハハハハハ。リリィいい。口に出す必要も無いからね。
 思ったらいいからさ。声に出さなくていいよ。アハハハハハ。
 。。ラあぁッシュ。。ウぅえェーブ。。チェえぇンジとか、
 もちろん、。。へんっっしんとか、
 毎回言うのも恥ずかしいよね。だから思っただけデ変身はできるよ。)

 同居人の言葉を聞くぐらいに、理々杏が冷静であれば、
 このペンダントの事を、同居人が知っている事も、
 この目の前で騒いでいるユーマの事も、同居人が知っている事も、
 この状況全てが、同居人に関係していると気づくはずだが、

「ビリ。いぃいい痛い?ビリビリぃいいい。。いっ痛い?びいいぃいいい。
 エェエエ。ビリぃ。。だめよ。ビりィイイ。だから止まってぇええ!!」

 理々杏は、そんな事を考えられる程に冷静ではなく、

(膨らんでるよ。クロ。身体が大きくなってる。私のカラダあぁ。)
(成長期かなァアア。)

 身体が風船のように膨らんで、全身が破裂しそうな感覚に戸惑い、

(伸びてるよ。クロ。身体が伸びてるって。大きくなってるよ。)
(背が伸びて良かったね。あはは。)

 身体が伸縮棒のように伸びて、骨が引き延ばされていく感覚に恐れ、

(ちょっと待って、これって一枚しか無いのよ!ちょっとやめてぇえ。)
(もう無理だねぇ。後で買ったら?)
(高いから、無理ぃいいい。やめぇてえええ。もう大きくならないでぇ。)
(ハァ。。もう無理だろうね。頑張ってアルバイトをしよう、リリィ。)
(えぇえええ。はぁ。。高いのにぃ。もぉぉぉお。いやあぁあぁあ。)

 変化に耐えれない制服が引き裂かれていく音に、悲しそうに叫んでいた。

「ギギャアアアアア。。ガチガチ。ギグアァアア。グギャアアァア。」

 異様な光景と言えばいいのか、
 自分と同じ現象が、近くで始まったと言えばいいのか、
 ユーマは、敵と認識できる物が世界に現れたと認識したらしく、
 痛みをこらえて?うずくまっている彼女に向かって威嚇し続けていた。

(まだ。まだ残っている。直せばいい。直せばいいんだ。)(そお?)
(なおるよ。。ね。。まだ残っている。のこっているよ。。)(あはは。)

「へ。。変身。。あっ。。イケぇえ理々杏。いくんだ。りりあぁああん。」

(リリィ。だからァ。もうダメじゃないのぉ?)(ちがうもん。まだ。。)

 そんな理々杏の変化は一瞬で終わり、
 何かが締め付けてくるような痛みだけが、理々杏の微かな希望だったが、
 もちろん観客は、何かの希望が現れたことに興奮していた。
 
「ギャギャ。。ギャガギャア。」

 敵を認識したユーマも、何かがつづけて起こることに警戒して、
 出方を見ているらしく、ただ唸り声をあげて威嚇しているだけだった。

「いやぁあ。いやよ。こないでぇえ。ぐじゃ。ぶん。ぎゅっぎゅ。ぶん。」
「べしん。。。ドちゃん。。ビギっ。。ギギャァアア。ぎギャアア。」

(リリィ。落ち着いてよ。効いてる。効いているからァ。きいてるって。)

 理々杏の身体が変わったとしても、心までは変わっていないので、
 クロアリが、そのまま大きくなったようなユーマは、
 恐ろしい敵?未確認生物?大きなクロアリに見えているので、
 手当たりしだいに、掴める物を敵に投げつけていた。

「ブン 。。」「ドゴン。。ギシャァアア。」「いやぁああ。ブン。」

(ご。。ごめ。。ごめんなさい。いやぁ。こないで。いやよぉお。)

 普通の日常生活でも、本気で小さな動物に襲われれば怪我をするし、
 自分の記憶にある蟻は、とても小さく、
 プチプチと小気味いい音を立てて、消えそうな生き物だったのに、
 いまは、自分の背丈よりも高い位置に頭が有り、
 体躯が約四倍のユーマなど、恐怖の対象でしか無かった。

 今の理々杏は、
 173cm。B90W58H88の均整が取れた身体に成長し、
 目は、奥二重だった目が大きくパッチリとした二重になり、
 鼻筋は綺麗に整い、顔はぜい肉が取れてシャープになり、
 唇は、上唇よりも下唇が大きいが、
 赤みが強くなり、トテモ美しい顔立ちに変わっていた。

 それなのに体育座りをして、
 駄々っ子が気に食わない事を嫌がるように、地面を指先でえぐり取り、
 石のように固まった土塊を、高速に投げつけていた。

(リリ。落ち着けよ。落ち着いてくれ。倒せる。倒せるから!
 大丈夫。絶対に怪我なんてしないし、ゆっくりでも大丈夫だから。)

(いやぁああ。出来ない。できなぃいいい。できないぉおん。私無理ぃ。)
(リリは、出来る子だよ。なんだって、出来るよ。)
(わたしは、できないもぉおん。できないんだもん。出来ない子だもん。)
(今ならできるって、なんだってできるんだよ!)
(じゃあ、クロがやってよ!クロがよ。私じゃなくて、クロがぁ。)
(。。。)

「ブうぅウン。。バキン。ギアああ。」「きいている。きいているぞぉ。」

「ブンブンブン。ドゴドギドゴォン。ギャアギャア。ぎぎゃぁあ。」
「倒せる?おい、理々杏。。さん。きいているよぉお。イケ。イケぇえ。」

 この国で携帯できる武器では、お祈り程度しか効いていなかったのに、
 理々杏が投げる土塊は、砲弾のように相手に突き刺さり、
 相手からの嫌がる声に、観客の興奮が盛り上がっていた。

「ググう。ぶうぅぅぅん。。バッグぃいいいん。。ぐギャぇ。うぎゃぁ。」
「凄いぞ。理々杏さん。。スッゴイぞぉお。イケぇええ。リッリアァン。」

(もぃぃぃい。。いいもん。もう、死んじゃうもん。ハァ、クロガァ
 もう諦めたぁ。もういいもんねぇえ。クロがしないなら、いいもんね!)

 観客からの歓声を一身に浴びているリリアンの攻撃は、
 巨大なユーマに当たり、その強固な鎧にダメージを与え、
 場所によっては凹んでいるらしく、一段と観客が湧いていた。

(リリ?いいんだね。モウ、絶対。。ぜええったいにムリだよ!いいね。)

(クロが殺っちゃって、いいから。任せたぁあ。いいよ。全部任せたァ。
 もう、いいもんネェ。クロがしてくれ無いなら、
 死んじゃうからいいもんねぇ。もういいもぉん。あきらめたアアぁあ。)

 何時も甘えてばかりの理々杏は、今回も甘えさせ貰おうと、
 いつもの様に拗ねた声で、クロにお願い?甘え続けていた。


 初戦③
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