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捕食
しおりを挟む弘通は間抜けに口を開いていたので遠慮なく矢弘の舌が侵入してくる。
「んっ……!」
あっという間に舌を絡め取られて吸われる。
気づけば後頭部を抑えられていて離れられない。
喰われる!と本能が怯えた。
「ん……っ、っん、んぅ……」
体を捩っても矢弘の胸板を押しても何の意味もない。
くらくらしてきて視界がぼやける。
逃げようとしても舌を絡められ舐め回されて脳が溶ける。
抵抗するのが滑稽な程強引だ。
「……はぁ……っ、はぁっ……、テ、メ……」
長すぎるキスだった。
唇は離れたが、気づかないうちに壁に押し付けられていて弘通は焦る。
「急に何すんだよ……ッ」
矢弘は上手い言葉が出てこなかった。
キスをしたのは、ただの矢弘の欲だった。
誤魔化したくてもう一度唇を塞ぐ。
弘通は初めてこんな過激なキスを受けて、オーバーヒートしていた。
ディープキスはしたことあるけど、ここまで深いのは初めてだ。
しかも今までの相手は女だったから、自分がこんなに口内を犯されるようなキスを受けたことはない。
矢弘はそれを何度も何度も繰り返した。まるで弘通に覚えさせるように。
「弘通」
「ぁ……っ」
頬を紅潮させて舌をだらしなく出したまま、ぼんやりした顔で矢弘を見つめた。
気づいたらズボンが下ろされていた。
パンツ越しにペニスを揉まれ体が痙攣する。
「キスだけでこんな濡らしたの?」
「やめ……ッ!あぁっ」
もう完勃ちしていた。性感帯に触れられて一気に体が快感を求める。
アナルも疼いて頭がばかになっていく。
「どうして欲しい?弘通」
いつもの意地の悪い笑みだ。
それにどうしようもなく興奮した。
「……早く、挿れろよ……矢弘……っ」
矢弘の股間を撫でながら、蕩けた顔で強請った。
ぞくぞくぞく……ッ、と矢弘を興奮が襲う。
いつもはあんなに生意気な弘通が、真っ赤な顔で欲しがってる。
再びがぶっと唇を塞いで弘通のパンツを下ろす。
直接激しくペニスを扱いて、がくがく震える弘通を無視して絶頂させる。
弘通の口端から飲み込めない唾液が溢れ落ちるのも、弘通の目の焦点が合っていないのもそのままに、唇は塞いだまま弘通の精液を纏わせた指をアナルに挿入した。
三本目が挿入された頃には弘通は再びイっていた。前立腺を何度も何度も擦り上げられて、キスされているおかげで喘ぎ声も上げられないままイかされる。
矢弘とのセックスには慣れたつもりだが、いつも乱される。でも今日はいつも以上に主導権を奪われている。
矢弘にされるがままだ。
「ぁぁぁッ、ぃやだ、はやく挿れろよぉ……ッ」
「じゃあ壁の方向いて?」
「やだぁ」
「やだじゃない」
壁に向き合うとガチガチのソレが入口に当てがわれる。
「弘通」
「ぁッ」
弘通はよく矢弘に耳を噛まれる。
何も考えられなくなるから弘通としてはやめて欲しいのだが、矢弘はそれを知っていていつも噛んで舐めてしつこく弄る。
ゆっくりと先端を挿入し、残りは容赦なく奥まで突き挿れる。
「ぉ……ッ」
びゅくっ、と弘通は射精した。何度目かは覚えていなかった。
矢弘はそれを見て口角を上げながら腰を動かし始める。
イったばかりのナカを高速なピストンで突かれて弘通は逃げようとした。だが壁と矢弘に挟まれて、腰をがっしり両手で掴まれてしまっているので叶わない。
突き上げが始まってから連続で二回射精していた。
もはや腰を掴む矢弘の手に立たされている。
足はガクガク震えて力が入らない。
壮絶な快感に意識が朦朧としていた。
ヂュゥッ、と首の後ろを吸われる感覚と、中でドクドクと矢弘のペニスが脈打って精子が叩き付けられる感覚。弘通はビクンビクンとナカを痙攣させて精子を出さずイった。
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