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夜戯
しおりを挟む手首を縛られた矢弘は、弘通を視姦することに徹していた。
この負けず嫌いは自ら俺のペニスをアナルに挿入しようとしている。
意地だけでここまでできるの逆に凄ぇな。
ゆっくりと亀頭を咥え込んだ。
さっき俺のを見て引いてたのかと思ったけど、やっぱりコイツ才能ある。
矢弘の身体に手をついて、弘通はゆっくりと腰を下ろす。
「はぁ……っ、ふ……っ」
奥まで全部挿れ終え深呼吸を繰り返した。
「お前の、長ぇんだよ……」
弘通は赤い顔で恨みがましく矢弘を睨んだ。
ビクッ、と中の怒張が脈打つ。
「ッ……!クソ、」
ぎゅうぎゅうと中を締め付けてしまって恥を忍ぶ様子を、矢弘に見られている。
俺たちは互いに興奮しているのだ。
そんな関係じゃなかったのに。
考えたら終わりだと弘通は思っていた。
こんなこと、頭空っぽにしないとできない。
矢弘は今どう思っているんだろう。
正気で俺を犯そうと思ったのならかなり可笑しい。
腰を上下に緩慢な動きで揺らす。
矢弘に正面から見られているのが気になるが、さっきの姿勢よりはマシだった。
こっちの方がコイツだって分かり易い。
「俺使ってオナニーして楽しい?」
こんな状況でも変わらない、弘通の神経を逆撫でする台詞。
ピタリと弘通の動きが止まった。
頭の血管がビキビキと音を立てるが、思わず笑いながら矢弘を見上げた。
「は……」
「自分のことで精一杯なお前が俺を堕とすなんて無理な話だろ。」
「ひんッ」
矢弘は腰を突き上げた。
そして同時に、自分はやはり弘通に嫌がらせをするのが好きなのだと再確認した。
弘通の顔が歪むのを見るのが楽しくて堪らない。
このシャツのボタンを外してみたいと思ったのは、緩みきったその表情がまた苛立ちや何かで歪むのを見たかっただけ。
やっと説明がついて矢弘の心は穏やかになった。
その後一度出した後、ベッドに移動してもう一度弘通を抱いた。
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