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「真赤な写真」エピローグ。
しおりを挟む「真赤な写真」
明菜さんがボクの前から姿を消した真実。
それを知って、明菜さんを探すのはやめた・・・・やめたってか・・・まぁ、子供だったボクには探す術もなかったんですけどね。
それでも、
気持ちを吹っ切ったってか・・・
「忘れるしかない」
それが、一番いいんだろうって思った。
明菜さんとボク。
もう、
交差点を、違う道に進んでしまった。・・・一方通行の道を。
いっとき、同じ列車に乗って、
同じ駅で降りた。
・・・・そして、違う行先の・・・それぞれの違う列車に乗ってしまった。
それを、無理やり引き戻しても・・・引き戻そうとしてジタバタしても、・・・追いかけてみても・・・
けっきょく、誰にとっても良くはないんだろう・・・
終わりにするしかない。
仕事は忙しかった。・・・・忙しくなった。
おかげさまで、桐原グループに転入させてもらって、
メチャメチャ忙しく、
日々は、充実していった。
欲しいものが買えた。
・・・・なんだか、全てが上手くいってるような・・・いきそうな感じがしていた。
ここまでの、
人生の「負」の歯車が、下げ止まった感じがしていた。
長年、苦しめられた「負の歯車」・・・・それが、「止まった」ような感じがしていた・・・・
あくまで「止まった」だけだけど・・・
でも、
長年苦しめられてきた「吐き気」とか、頭痛。
そんな、明らかな精神的な症状は治まっていった。
結局は、
精神的な安定ってのが、一番大きかったんだろうな。
「家の没落」以降、・・・・詳細は「父を愛した」で描きました。
とにかく、精神的な「安らぎ」がなかった。
どこにも居場所はないってか・・・
どこにいっても虐められてきたしな・・・
虐められ続けてきた。
東京へ出てきてからも、
会社で落ちこぼれ・・・・それも、過去の虐めが尾を引いてたわけだ。
・・・過去の「虐め」から、
登校拒否のようになって、授業を満足に受けられなかったことが起因している。
「登校拒否」
認めたくなくて、
「サボリ」って強がっていたけど。
ホントにさ、
正直、
足が竦んで学校に行けなかったんだよ。
行ったって、なーーーんにも楽しいことはない。
馬鹿とアホの巣窟で、
・・・・んで、おまけに、教師も、揃いも揃ってクズばっか、
ボンクラばっか、
問題教師の羅列。
・・・・それでも、
まだ、授業中のほうがマシなんだ、
なーーーんにも起こらないから。
休み時間になると「虐められる」笑。
バカ共は、どんどん増長する。
クラスにとどまらず、
学年を横断しての「虐め」に発展していた。
・・・そりゃ、
ガッコーなんか、行きたくないさ。
朝は起きられない。
学校には行けない。
「足が竦む」ってのは、オーバーな表現じゃない。
だから、
仕事を始めても、
「わからない」って箇所が多いんだよ。
実業高校を卒業している。
その、
高校で習ったといわれる、専門分野の理屈とかで、
わからないところが多いんだよ。
それが、
社会人になっても、見事に尾を引いていた。
それが、
転籍させてもらった桐原グループで、
先輩たちが、懇切丁寧に、仕事を、
わからない知識を教えてくれたんだよな。
・・・・それで、徐々に仕事での不安ってのは消えていった・・・・同時に、仕事の「面白さ」を感じるようになっていった。
「負のスパイラル」が、
ようやく落ち着いた気がしていた。
「下げ止まった」って感じがしたのが、この時だった。
・・・・よくはわからないけど、
真相はわからないけど、
ボクにとっては、
明菜さんは、
「桐原グループ」に、転籍させてくれた、・・・・その後の人生を考えれば、
「命の恩人」って言っていい人だった。
・・・・真相はわからない。
そして、
明菜さんには、そんな自覚はなかったんだろうとは思うけど。
人生ってのは、
それぞれの人の「意味ある行動」によって、成り立ってるわけじゃない。
誰かの、
何気ない・・・
意味のない行動が、
誰かの、人生を変える結果を生むことがある。
人生ってのは、
偶然の産物って部分がある・・・・それを、人間は「神の意思」と言ったりする。
人生。
思い通りにならない!!
なんで上手くいかなないんだ!!
・・・・そうやって嘆くヒトは多い・・・・ボクもそうだったしな。
でも、
人生なんて、
誰の人生も「思い通り」になんかいってないんだよ。
目指した、
考えた通りの人生を送ってるヒトなんて、
おそらく、
ほんの一握り。
ボクの感覚だと、10%もいないんじゃないかと思う。
・・・・ってことは、
人生なんて、そんなもん。
考えて、考えて・・・・熟慮に熟慮を重ねて、
挙句に「思い通り」にならないんなら、
「思い通り」って考えを捨てればいい。・・・・そっちをデフォルト、スタンダードだと考えればいい。
刹那的に言えば、
考えたって意味ねーーーよ。
ってことになる。
むしろ、
・・・・そうきなすったか・・・・じゃあ、こういう手を打ちますか・・・
そんな、一歩引いた感覚で、
将棋を指すような感じで、
人生ってのは、渡っていったほうがいいみたいだ。
ここまで、長く生きてきた。
「成功者」って類の人間も多く見てきた。
で、
そのヒトたちの多く、
その特徴は、
「対処療法」の上手さだ。
「リカバリー」の上手さだ。
人生は思い通りにいかない。
・・・・その通りだ。
だとしたら、
その思い通りにならなかった・・・・失敗した時の「リカバリー」能力が最も求められるっていっていい。
思い通りにならない・・・・失敗。
失敗の決定。
そこで、終わるんじゃなくて、
さて、どうすっか・・・
って、「災い転じて福となす」って出来る能力のある人間が勝っていく。・・・・そんな気がする。
少なくとも、
ツマラン執着みたいなものは、ブン投げちゃったほうがいい。
人生なんか、
なんとでもなっちゃうぜ。
いつからでも「やり直し」ってのはできるもんだ。
んで、
たいてい、
想像した「最悪」のことは起こらない。
逆に、
「宝くじ」
「狸の皮算用」ってやつも当たらないけどね・笑。
さて、
明菜さんの「真赤な写真」
のちに、
いわゆる「霊能者」って人間と話しをする機会があった。・・・・先に言っとくけど「霊能者」ってな類の人種は「信じちゃいない」・笑。
「神様」ってのも信じちゃいないんだ。
「霊能者」なんて、信じるわけがない・笑。
無理やり連れて行かれた先での話だ。
そいつが言った。
「赤い靄のような写真・・・・
「赤色」というのは、
霊の・・・あるいは、神の「怒り」や・・・「警告」だったりします。
これは、
たぶん警告・・・・注意を即した写真だったんでしょう。
事故、怪我に注意しなさい・・・・そんな警告の写真だったんでしょうね。・・・・後に事故を起こすわけですし・・・
「心霊写真」とよばれるものは・・・・
映っている本人に「霊的」な能力がある場合・・・
反対に、撮った方に能力がある場合もあるんです。
・・・・たぶん・・・この場合は、撮った方に能力があったということでしょうね」
ボクの「霊的」な能力が、「真赤な写真」を撮ったんだと言われた。・・・・もちろん、明菜さんへのボクの想い・・・双方の想いの結果だろう・・・
まったく、なんら感情が動かない相手であれば、そんな写真は撮れていないってことだった。
「姉貴」
親族の情のようなものが撮らせた写真だったんだろう。
同じ時期に、
ボク自身が撮られた写真がある。
お盆。
墓参り・・・・「法事」に行った時の写真だ。
墓前で手を合わせるボクの写真。
そこには、
真っ白な、
小さなボールのような・・・・半透明のボールのようなモノがボクを包んでいた。
「小さな半透明のボール」
いわゆる「オーブ」と呼ばれるものだ。
何十個もの「オーブ」がボクを包んでいた。
高校3年。
最初のハッキリした「心霊体験」
そこから、
「ハッキリ」した心霊体験をいくつかするようになる。
「人生の負の歯車」
下げ止まったと感じていた。
・・・しかし、
それが、「逆回転」を始めるには、
更なる、強烈な「心霊体験」が必要だったようだ。
・・・・もういっこ蛇足がある。
明菜さんとは、後の人生で再会することになる。
5年後。
場所は、
なんの因縁か、別れた赤坂でだった。
ひょんな事、
ひょんな場所で、
偶然の再会を果たすことになる。
ここから、
「不思議体験」
「ハッキリ」した心霊体験、佳境を迎えることになる。
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