ローマ・・・じゃなくて「Tokyoの休日」

ポンポコポーン

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「最後の晩餐」最後のSEX。

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潮風が気持ち良かった。


春先。

陽が沈んでいく。



横浜。山下公園。



Mimiと手を繋いで歩いていた。


マリンタワーが見える。

公園のシンボルとなっている氷川丸。

湾を出入りする船。

夕闇に点滅するカラフルな灯り。


穏やかな波の音が聞こえた。



横浜が好きだった・・・・ってか、とにかく落ち着いた。



東京に出てきて、


一番落ち着いた場所。


いちばんシックリきた場所が「横浜」だった。



海の近くで育ったからな。

やっぱり、「海」ってのが落ち着くんだろう。



東京暮らしは楽しかった。

ネオン輝く「都会暮らし」


日々刺激的。


しかし、

なんだか、

心が疲弊していくんだった。



自分でも気づかなかったんだけど、

道路。

コンクリート。


「土」「緑」に包まれることのない生活は、

なんだか、疲弊していくんだった。

なんだか、心がささくれていくんだった。


時間があれば、

よく、横浜に来た。

海に来た。



高校時代の「虐め」

学校サボっての行先も「海」だった。



・・・・そして、


「YAZAWA」が好きだった。



・・・・物語。

まだ、そこまで描いていないけれど、

丁度、そのくだりが始まるところで止まっているけれど・・・・


「虐め」から、

なんとか、

踏みとどまって卒業を果たした。

そして、

東京に来たのは、


「YAZAWA」の影響。


自叙伝。


「成り上がり」が大きかった。


そして、

横浜と言えば「YAZAWA」のホームタウンだった。



Mimiと手を繋いで、信号を渡る。


目の前。


「ホテル・ニューグランド」



YAZAWAの中で、大好きな曲。


・・・・ここがそうなのか、


ここが舞台になってるってことなのか・・・・・!!!???



初めて目にした時の衝撃ったらなかった。


「歌詞」だけの世界。


実際に存在するなんて思いもしなかったからな。



大好きだった曲。

憧れた、

曲の舞台がそこにあった。・・・・・・まさか、実在するとは思わなかった。



以来、

一度は泊まってみたいと思っていた。



今日の宿泊先だ。


そのホテルを、Mimiとの最後の夜に選んだ。


ボクにとっては、

一世一代の「散財」だった。



食事。

当ホテルが発祥だという「シーフードドリア」

これまた、ここが発祥だという「プリンアラモード」を堪能する。


ボクにとっては、

憧れの舞台、

憧れの歴史の中での時間だった。



・・・・しかも、Mimiの顔を見ながらの食事。


Mimiは、

いつもよりもフォーマルな衣装だった。

ボクも、

ネクタイこそしなかったけれど、トラッドな服装でカッコつけていた。


なんとも素敵な・・・・どこかの映画で観たようなシーンだ。


今のボクの、

精一杯の「背伸び」をしていた。


ゆっくりと時間をかけて「最後の晩餐」を楽しんだ。


・・・・やがて、
部屋へと戻った。



・・・見つめ合う。


すぐに舌が絡まる。


そのままベッドに倒れ込んでいった。



ふたりきりになりたかった。

いつだってふたりきりになりたかった。


「KISSしたかった」


「SEXしたかった」



だから、

いつも、

部屋に入れば、すぐに抱き合った。


シャワーを浴びるのももどかしかった。



まずは、

抱き合い、

絡まり合い、


「愛」を確認したかった。



Mimiは、すぐに「ひとつ」になることを望んだ。


まずは、体内にボクを収め、

そこから安心したように舌を絡め、指を絡め・・・・全てを絡めることを望んだ。



・・・・今から、

最後の夜が始まる。


明日、

Mimiは、マレーシアに帰る。



・・・・・もう、

会えないんだった。



これまで、


毎日のように感じていたMimi


もう、感じる事ができないんだった。



触ることができなくなる。

触れることができなくなるんだった。



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