「崩壊の街」ボクは不倫に落ちた。

ポンポコポーン

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「一生分のキス」ショートした。

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舌が絡みあっていた。
・・・・もう、どうしようもなかった。

布団の上。
亜貴が来てすぐに押し倒した布団の上・・・
亜貴が来て、我慢できずにすぐに組み敷いた。
存分に亜貴を味わった。脚の指すら1本1本を味わった。
微睡み、ご飯を食べるために服を着た。ジーンズを履いた。・・・まさか裸のままご飯を食べるわけにもいかない。

その服を着たまま、再びキスを交わしていた・・・舌が絡み合っていた・・・身をよじってキスを絡めた。

これまでの一生分のキスを、この2日間でしてしまったような気がする・・・
いや、これまでに経験したキスとはぜんぜん違っていた。

キスにいろんな種類があることは知ってはいる。・・・本や、映画での知識として・・・
しかし、もちろん、これまでの人生で、そんなことを試したことはない。

恋愛偏差値は低い。
キスの経験すら、そんなに多くはない。

それが、全てのキスを試したのではないか・・・そう思えるくらいキスが止まらなかった。
もちろん技術や、そんなことはわからない。

・・・・ただ、求めた。

亜貴の唇を求め、舌を求め、絡め・・・甘噛みした・・・・亜貴の舌に絡められ、甘噛みされる・・・

止まらない・・・舌が一番甘美だった。
お互いの意思が、舌先から伝わるような気がする。
指先からも意思は伝わる。想いは流れる。
手に触れ、手で弄り・・・指を絡めて「愛してる」の意思は伝わる・・・しかし、それとは違っていた。
手は、人間にとって最も精密な動きができる器官だ。
「愛してる」・・・だけじゃなく「友好」としての握手にすら使われる。
それ以外にも、日常生活におて、物を掴む、投げる・・・そんな大きな仕事にも使われる。
日常生活全般に使われる。


・・・舌は違う。
体内に隠れた繊細な器官だ・・・幸せを味わうための、美味を味わうための器官だ。
そして重要なセンサーだ。
体内に入れる毒物に対しての繊細なセンサー・・・危険を察知する役目も担っている。

・・・・だから、キスだ。
その繊細なセンサーで・・・・自分に幸せを運ぶ相手なのか・・・自分にとって美味なのか・・・自分にとって毒なのかを判断する・・・その行為がキスだ。

舌が絡み合う・・・
お互いの正体を知るために・・・絡まった舌先から相手の意思を、想いを、気持ちを探知する・・・幸せになれるのか・・・幸せにしてくれるのか・・・
見た目、言葉、触覚だけじゃわからない・・・相手の真心を知ろうと、舌という繊細なセンサーで相手を吟味する・・・

騙されてはいない・・・毒じゃない・・・
愛してる・・・愛してる・・・お互いの唾液が絡み合い甘美な愛液ができあがる・・・濃厚な、濃厚な愛液は麻薬となる・・・中毒性を発する麻薬だ。・・・だから、止まらない・・・舌先が、もっともっととお互いを弄る。貪る・・・お互いの「愛してる」を体内に取り込もうと舌が這う・・・絡まる・・・

・・・舌の裏、唇と歯の間・・・歯茎にすら舌が滑り込む・・・口中、全てに舌が這う・・・テクニックや知識じゃない・・・本能がお互いを求めた。
舌先を絡め・・・舌全体で擦り合い・・・お互いの舌が相手の舌を抱いた・・・抱きながら抱かれた・・・

舌を絡ませ・・・もどかしいほどに舌先を伸ばして絡め合った。
・・・もうキスじゃなかった・・・これまで経験したキスじゃなかった・・・これまでに知識として知っているキスじゃなかった・・・

キスはキスでしかなかった。・・・SEXへの通過点でしかなかった。
キスはキスでしかなく、前戯ですらなかった。

・・・亜貴とのキスは、すでに性交だ・・・前戯をも超えていた。キスというSEXだった。
そして、それが「甘美だった」「切なかった」

キスという性交を行いながら、身体は切なさに燃え上がった。

舌が絡まれば絡まるほどに脳が痺れた・・・「熱」・・・体温とは違った熱が走る。
体内に・・・血液とは違う何かが逆流するように駆けめぐる。

ペニスと膣を使った性交とは違った、切なさと焦燥感に苛まれるSEXだった。
どれだけ繰り返しても果てることはない・・・逝くことはない・・・にもかかわらず舌が離せなかった。
永遠に舌を抱いていたかった・・・

これほどまでに身を焦がすSEXはなかった。
これほど切なく果てしないSEXはなかった・・・



テーブルの上には、空になったお弁当・・・・なくなったお茶・・・半分ほど残ったコーヒーカップ・・・


・・・さっきまで、素知らぬ顔でご飯を食べていた。
亜貴はニコニコとボクを見つめ、ボクは亜貴の美しい顔を盗み見てご飯を食べた。
・・・それまで、息も絶え絶えに・・・命を燃やすようなSEXをしてたとは思えないほど、普通の顏をしてご飯を食べていた。
テレビからはローカルニュース・・・避難情報・・・地震情報が流れていた・・・

亜貴がお茶を入れてくれ・・・食後にはコーヒーを入れてくれた。

・・・まるで職場の休憩時間のように、普通の会話をしていた・・・
しかし、見つめてくる亜貴の瞳・・・濡れた瞳・・・話す口元・・・その全てに身体が反応していた・・・平静を装っていただけだ・・・触れたかった・・・片時も離したくなかった・・・すぐにかき抱きたい・・・すぐに身体を使いたい・・・堪らなく欲情していた・・・

何よりも唇だった・・・話す亜貴の口元・・・唇に触れたい・・・キスしたい・・・そこに隠された魅力的な、官能的な舌が欲しかった。・・・すぐに引き出し絡めたかった・・・舌を差し出させ甘噛みしたかった・・・
亜貴の唇が欲しい・・・舌が欲しい・・・喋る亜貴を見ながら・・・平静を装い笑いながら、亜貴の口元を盗み見ていた。

コーヒーカップが半分ほどになった・・・我慢できない・・・我慢できずに亜貴に手を伸ばした・・・亜貴も手を伸ばす・・・
・・・触れた指先に火花が散った。・・・文字通り火花が散った。電気と電気がぶつかり合って火花が散るように、お互いの「愛してる」・・・そのエネルギーでスパークした。指先でショートした。


・・・そのまま奥の部屋。布団へと引きずり込んだ。


ショート・・・日本語にすれば「短絡」・・・
指先のショートから、脳が短絡した・・・もう複雑なことは何も考えられない。
短絡思考に・・・ただ、本能で勝手に動いた。


・・・今日1日しか一緒にいられない・・・もう時間もない。午後3時も近い。・・・学校が終わる。


短絡思考の舌が絡まる。キスが止まらない。
・・・果てたばかりだ・・・さっき、樹液を幹から・・・鋼となった幹の突端から大量の樹液を迸らせたばかりだ・・・何度も何度も痙攣を繰り返し出し尽くした・・・亜貴の身体に全てを出し尽くすとばかりに射精した。・・・なのに、もう・・・また、すでに精子が満杯に膨らんでいた・・・出したくて・・・亜貴の身体で逝きたくてしょうがない・・・亜貴の身体にマーキングをしたくてしょうがない。欲望の・・・欲情の焔が・・・逝っても消えなかった。その種火が大きくなっていた。

お昼を食べるために着たシャツを、履いたジーンズを亜貴から剥ぎ取った。
亜貴が腰を浮かせて手伝う。
・・・魅力的だ・・・シャツを脱がす・・・ジーパンを剥ぎ取る・・・堪らなく幸せな、魅力的な行為だ。
亜貴に身体を許された幸せに身震いする。
これまで、地球上で・・・幾人もの男たちがこの幸運を願っただろう・・・ほとんど全ての男たちの夢は叶わない・・・地球上で許された数人にボクは選ばれた・・・なんという人生の幸運なんだろう・・・

指先から散った短絡思考が、お互いの羞恥や、駆け引きの思考を奪っていた。

・・・そんなものに費やす時間はない・・・

別れの時間は刻々と近づく。地面は絶えず揺れている。

・・・どこに、駆け引きや、恥ずかしがる、そんな無駄な時間を費やす意味がある。

ボクも、すぐにジーンズを脱いだ。
すでに硬くなっていた・・・キスだけで・・・舌を絡めただけで、下着の中で、クッキリと、その形状を示すほどに硬く、大きく膨らんでいた・・・果てても果てても、果てた瞬間から焦燥感にかられる。亜貴の身体を求めた。亜貴の膣に押し入ることを求めた。

亜貴も潤んでいた・・・這わせた指先に・・・ショーツの上からでもわかる。熱をもっていた。
亜貴が来て、すぐに2時間愛しあった。
平静を装ってご飯を食べた。普通の会話を幸せに楽しんだ・・・しかし、もう身体の熱は治まらなかった。

・・・ショーツの上から、亜貴の膣口の吐息を楽しんでいた・・・指先を上げ・・・突芯をなぞる・・・


・・・その時だった。
亜貴の手がボクへ伸びた・・・亜貴が、下着の上からボクを弄っていた。


「私、H嫌いだったから・・・」


少しひっかった言葉だった。
亜貴もそうだったのかもしれない。
その言葉を払拭するためか・・・ボクに嫌な思いをさせたかもと気にとめたのか・・・亜貴の長い指が下着の上からボクを弄っていた。

・・・堪らなかった。

亜貴に触ってほしいと願っていた。

今まで、さんざんに亜貴を弄った。亜貴の身体の隅々に唇を這わせた。舌で味わった。


・・・次は、亜貴にしてほしかった。させたかった。


ボクは、その意思を示すように、自ら下着を脱いだ。
すでに硬くなった・・・今すぐにでも亜貴の膣に押し入りたいと幹がそそり立つ。

・・・亜貴の指が弄る・・・・キスの舌が離れた・・・名残を惜しんで亜貴の舌を離した・・・亜貴の身体が下にずれていく・・・亜貴が幹に指を添え、幹の突端、大きく膨らんだ赤黒い亀頭に唇を被せていく・・・


・・・亜貴の口中に包まれていく・・・ねっとりとした熱に亀頭が、幹が包まれていく・・・

・・・呻き声を上げた。


快感じゃなかった。
感動だった。

これまで、亜貴は主体的には動かなかった・・・いや、ボクが動けなくしていた。
ボクが一方的に亜貴の身体を味わい、責めた。
亜貴を押さえつけ、1mm刻みに味わい、責めたて、愛した。

亜貴は首を振り、自由を許された手でシーツを手繰り寄せ、絶叫し、登り詰めては逝き、果てることを繰り返していた。


・・・亜貴に身体を任せた・・・


甘い・・・甘い快感・・・甘い刺激が脊髄を駆け巡る・・・届いた脳が熱い・・ツーンと脳が痺れた。

快感に「甘い」などと思ったことはない。

亜貴を愛してる。
愛してる・・・堪らなく愛してる。
狂おしい。・・・全てが欲しい。

亜貴の全て、髪の毛・・・爪先・・・毛穴のひとつひとつが愛おしかった。
全てが欲しい。全てを愛したい。全てを愛してる。

・・・その亜貴の柔らかな口中に包まれていた。愛されていた。
「甘い快感」を初めて知った。
亀頭が、幹が・・・ペニスが蕩けるような甘い快感に包まれた。・・・網膜の裏側が桃色になった。


ぎこちない。

「私、H嫌いだったから」

その通りなんだと思う。
口に含んだ後の動作がわからないんだろう。ただ、舌が幹を這った・・・チロチロと、チロチロと・・・快感として強いわけじゃない。
ただ、そのぶんの感動が大きかった。「甘い快感」が脊髄から脳髄に走っていた。

ボクは寝転がり、亜貴に身体を任せた。
亜貴に快感を任せた・・・・
しばらく桃色の快感に身を委ねた・・・

・・・・我慢できなかった・・・

上半身を起こした。亜貴の脚を引っ張る。
そのまま、顔の上に跨らせようとした・・・そうして亜貴を味わいたかった。
お互い同士で、お互いの最も敏感な性感帯を口中で愛しあいたかった。
ペニスをしゃぶらせ、クリトリスを口に含みたかった。舌で転がし、一緒に快楽を分かち合いたかった。

愛しながら愛される・・・
責めながら責められる・・・・そんな幸せを味わいたかった。


・・・亜貴に羞恥を味あわせたかった。


亜貴が拒絶する。態勢を変えようとしない。頑なに拒絶する。口に含んだままでイヤイヤをする。
・・・・初めてなんだろう。これまで拒絶してきたに違いない。
これまで、誰にもしたことは・・・させたことがないんだろう。


「私、H嫌いだったから・・・」


もちろん口にペニスを含むこともしない。・・・こうして口中に含み、舌で愛撫する・・・それすら、ほぼ初めての経験なんだろう。

・・・・さらに、男の顔に跨るなんてできない・・・恥ずかしくてできるはずがない。

脚を開かれ、突芯を口中で責められる・・・愛されたことはあるだろう。
・・・しかし、それすらも自由にはさせていない。

亜貴のオーラルを求める。
口での奉仕を求める。

「泣きながら、嫌だって言ってたの?」

冗談半分に聞いた。さっきの会話。
亜貴が真面目にウンと頷いた。・・・嘘をついてる顔じゃなかった。

口にペニスなんか含めるものか。
男の生殖器を、排尿器官を口になぞ入れられるはずがない。
口で、舌でなぞ、愛せるはずがない。
そんなSEXなんかしたくない。・・・されるのも嫌だ。

その亜貴が、自ら指で弄り、口に含んでボクを愛してくれていた。


・・・・ボクは・・・ボクは、一緒に亜貴を愛したかった。愛しあいたかった。


誰にも許していない・・・誰にも見せていない亜貴を見たかった。
誰にも愛させていない亜貴を愛したかった。
誰にも見せていない亜貴の鳴き貌を見たかった。
誰にも聞かせていない亜貴の鳴き声を聞きたかった。


・・・羞恥を与えたかった。跪かせたかった。


熾火に薪がくべられた・・・嗜虐の焔が立ち上がる。

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