転生したら銃になってもた！？〜剣と魔法の世界に現れた最強兵器と飛べないフクロウ少女〜

BULLET-60：対決、母と娘

　□■□

「あなたはいったい何をやっているのですか。」

　ヌットミエが呆あきれた声で話し掛けると、

「アンタ、ウルサイ。」

　アアカッタから抑揚よくようのない無機質な感じの声が返ってきた。

『はぁ、完全に”精神マインド支配ドミネーション”されていますね、ほんと情けない。。』

　ヌットミエは娘、アアカッタがレイガディータの精神マインド支配ドミネーションを受けている事に呆あきれていた。

「偉えらそうに文句を言って飛び出した結果がこれですか、ほんとにもう。
　これは少々、お仕置きが必要なようですね。」

　そんな怒っている雰囲気の言葉もアアカッタには届いておらず、

「ネエサマニ、マカサレタ、オマエ、コロス。」

　抑揚よくようのない声で呟つぶやくと、

　トン

　と軽く地を蹴って体を浮かせ、

　バサッ

　と翼を羽ばたかせて、

　ヒューーーン

　すごい速さの低空飛行で、一気に距離を詰めてきた。

「あら、なかなか速いじゃないですか。」

　今まで見たことのない速さで、

　ざしゃ

　懐ふところに飛び込まれたが、

「でも、その程度ではまだまだですよ。」

　ヌットミエは慌あわてる事なく眼前に迫ってきた右拳を、左手で受け流しながら、

　ガシッ

　腕を掴つかんで、

　くるっ

　バタン！

　体を半捻はんひねる勢いを使って、地面に投げ落とした。
　けれど苦痛の表情すら見せず、素早く起き上がって空中に飛び逃げていった。

「そういえば精神マインド支配ドミネーションされてる時は痛覚つうかくが麻痺まひしてるんだったわ。
　あとで開放された時、大変なのよね。」

　精神マインド支配ドミネーション中に受けた痛みは、開放されたあと一気に襲ってくる。
　そんなヌットミエの心配など知らずに、

　ヒューーーン、ドン！

　アアカッタが空中から落下速度を上乗せした高速の蹴りで攻撃してくる。
　繰り返される攻撃を、

「さて、どうしましょうか？
　拘束するか？、気絶させるか？、悩ましいわ。」

　たくみに躱かわしながら考えを巡めぐらせていた。

　この速さだと詠唱に時間が掛かる”精霊魔法”は使えそうにないので、拘束は難しい。
　強力な魔法攻撃もやはり詠唱に時間が掛かるので無理。

　どちらにしても時間が掛かってしまう。

「やっぱり、これしかないのよね。
　はぁ、これエルフっぽくないからあまり使いたくないんだけど。。」

　なんて事を考えながら、空中に上がっていくアアカッタを見つめていた。
　その糸目いとめな両目の瞼まぶたに人差し指を、目の下に親指をあてて構かまえた。

　目に魔力を集中させていると、

　ヒューーーン

　急降下キックでアアカッタが近づいてくる。
　２人の目が合った。　
　その時、

　くわっ

　と指で見開かせた目から、

「目からアイ光線ビーム！」

　光線ビームが発射された。