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BULLET-59:きちんと躾けないといけませんので

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 もぐもぐもぐ、ごっくん

 もぐもぐもぐ、ごっくん

「あちしのは、”びんじゃ”です、ほぉ。」
※びんじゃ:こしあんな感じのやつ

「うちのんは、なんかさつまいもっぽいあんこやわ。」

 言いながら、真丸まんまるが食べかけの”じゃらぷん”の中をルゥーアに見せた。
※じゃらぷん:中華まんのような食べ物で、中の具がなにかわからないようになっている

「それは、”すぽじゃ”です、ほぉ。
 それも、美味しいのです、ほぉ。」

「ほな、半分づつにしよか。」

 そう言って、ささっと半分まで食べてからルゥーアに差し出した。

「わぁ、ありがとうです、ほぉ。
 ちょっと待ってです、ほぉ。」

 ルゥーアが同じように半分まで食べて、差し出してきた。
 交換しあった2人は、

「あ~む。」

「はむ、ほぉ。」

 受け取った物を同時に口にして、

「おお、これもうんまいわ~。」

「おほぉ、こっちも美味しいです、ほぉ。」

 ほっこりした表情で感想をべあった。

「なんだか、ほのぼのしていますね。
 なんなんでしょうか、この状況は?」

 敵が待ち構えている緊張感が必要な状況で、美味しそうに食事をしている2人に、ヌットミエが複雑な表情で視線を向けてくる。
 けれど、2人はそんな視線をまったく気にせず食事を進めた。

「よっしゃ、魔力回復や。」

「あちしも、パワー復活です、ほぉ。」

 2人が補給を終えると、

「もうすぐよ。」

 もふぃの声が聞こえてきた。
 目前に”遺跡の広場”のはいり口が見えてきていた。

「なんか近付いてきてんな。」

 気配に気付き、真丸まんまるが声を掛けると、

「そのようですね、ですがこの気配は、、。」

 ヌットミエが何かを察したようにつぶやくと、

「ここはわたしにまかせて下さい、みなさんはレイガディータの方をお願いします。」

 表情を引き締め、頭を下げてたのまれた。

「そうなんや、エグいことすんな。」

「そういう奴なのよ、あいつ。」

 その様子に真丸まんまるともふぃは状況を理解したが、

「え、え、なんなんです、ほぉ?」

 ルゥーアは相変わらずだった。

「大丈夫なんか?」

 真丸まんまるの心配そうな声掛けに、

「問題ありません。」

 やわらかなほほ笑みで答えたあと、

「きちんとしつけないといけませんので。」

 そう言いながらヌットミエが、少~しイラっとしたような表情を見せている。

「ほどほどにな。」

 ちょっと苦笑いながら真丸まんまるが声を掛けた。

「ええ。」

 短く答えたヌットミエの表情が、消えた。
 ”遺跡の広場”のはいり口のところに人影が見えた。

「行って下さい。」

 ヌットミエの静かな、けれど重みのある声に押し出されるように2人(+カバンの中のもふぃ)が駆け出した。

 通り抜けようとする2人に向かって行こうとするはいり口に立つ者に、

「あなたの相手はわたしよ!」

 ヌットミエが挑発するように声を掛けた。
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