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BULLET-59:きちんと躾けないといけませんので
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□■□
もぐもぐもぐ、ごっくん
もぐもぐもぐ、ごっくん
「あちしのは、”びんじゃ”です、ほぉ。」
※びんじゃ:こしあんな感じのやつ
「うちのんは、なんかさつま芋っぽいあんこやわ。」
言いながら、真丸が食べかけの”じゃらぷん”の中をルゥーアに見せた。
※じゃらぷん:中華まんのような食べ物で、中の具がなにかわからないようになっている
「それは、”すぽじゃ”です、ほぉ。
それも、美味しいのです、ほぉ。」
「ほな、半分づつにしよか。」
そう言って、ささっと半分まで食べてからルゥーアに差し出した。
「わぁ、ありがとうです、ほぉ。
ちょっと待ってです、ほぉ。」
ルゥーアが同じように半分まで食べて、差し出してきた。
交換しあった2人は、
「あ~む。」
「はむ、ほぉ。」
受け取った物を同時に口にして、
「おお、これもうんまいわ~。」
「おほぉ、こっちも美味しいです、ほぉ。」
ほっこりした表情で感想を述べあった。
「なんだか、ほのぼのしていますね。
なんなんでしょうか、この状況は?」
敵が待ち構えている緊張感が必要な状況で、美味しそうに食事をしている2人に、ヌットミエが複雑な表情で視線を向けてくる。
けれど、2人はそんな視線をまったく気にせず食事を進めた。
「よっしゃ、魔力回復や。」
「あちしも、パワー復活です、ほぉ。」
2人が補給を終えると、
「もうすぐよ。」
もふぃの声が聞こえてきた。
目前に”遺跡の広場”の入り口が見えてきていた。
「なんか近付いてきてんな。」
気配に気付き、真丸が声を掛けると、
「そのようですね、ですがこの気配は、、。」
ヌットミエが何かを察したように呟くと、
「ここはわたしに任せて下さい、みなさんはレイガディータの方をお願いします。」
表情を引き締め、頭を下げて頼まれた。
「そうなんや、エグいことすんな。」
「そういう奴なのよ、あいつ。」
その様子に真丸ともふぃは状況を理解したが、
「え、え、なんなんです、ほぉ?」
ルゥーアは相変わらずだった。
「大丈夫なんか?」
真丸の心配そうな声掛けに、
「問題ありません。」
柔らかなほほ笑みで答えたあと、
「きちんと躾けないといけませんので。」
そう言いながらヌットミエが、少~しイラっとしたような表情を見せている。
「ほどほどにな。」
ちょっと苦笑いながら真丸が声を掛けた。
「ええ。」
短く答えたヌットミエの表情が、消えた。
”遺跡の広場”の入り口のところに人影が見えた。
「行って下さい。」
ヌットミエの静かな、けれど重みのある声に押し出されるように2人(+カバンの中のもふぃ)が駆け出した。
通り抜けようとする2人に向かって行こうとする入り口に立つ者に、
「あなたの相手はわたしよ!」
ヌットミエが挑発するように声を掛けた。
もぐもぐもぐ、ごっくん
もぐもぐもぐ、ごっくん
「あちしのは、”びんじゃ”です、ほぉ。」
※びんじゃ:こしあんな感じのやつ
「うちのんは、なんかさつま芋っぽいあんこやわ。」
言いながら、真丸が食べかけの”じゃらぷん”の中をルゥーアに見せた。
※じゃらぷん:中華まんのような食べ物で、中の具がなにかわからないようになっている
「それは、”すぽじゃ”です、ほぉ。
それも、美味しいのです、ほぉ。」
「ほな、半分づつにしよか。」
そう言って、ささっと半分まで食べてからルゥーアに差し出した。
「わぁ、ありがとうです、ほぉ。
ちょっと待ってです、ほぉ。」
ルゥーアが同じように半分まで食べて、差し出してきた。
交換しあった2人は、
「あ~む。」
「はむ、ほぉ。」
受け取った物を同時に口にして、
「おお、これもうんまいわ~。」
「おほぉ、こっちも美味しいです、ほぉ。」
ほっこりした表情で感想を述べあった。
「なんだか、ほのぼのしていますね。
なんなんでしょうか、この状況は?」
敵が待ち構えている緊張感が必要な状況で、美味しそうに食事をしている2人に、ヌットミエが複雑な表情で視線を向けてくる。
けれど、2人はそんな視線をまったく気にせず食事を進めた。
「よっしゃ、魔力回復や。」
「あちしも、パワー復活です、ほぉ。」
2人が補給を終えると、
「もうすぐよ。」
もふぃの声が聞こえてきた。
目前に”遺跡の広場”の入り口が見えてきていた。
「なんか近付いてきてんな。」
気配に気付き、真丸が声を掛けると、
「そのようですね、ですがこの気配は、、。」
ヌットミエが何かを察したように呟くと、
「ここはわたしに任せて下さい、みなさんはレイガディータの方をお願いします。」
表情を引き締め、頭を下げて頼まれた。
「そうなんや、エグいことすんな。」
「そういう奴なのよ、あいつ。」
その様子に真丸ともふぃは状況を理解したが、
「え、え、なんなんです、ほぉ?」
ルゥーアは相変わらずだった。
「大丈夫なんか?」
真丸の心配そうな声掛けに、
「問題ありません。」
柔らかなほほ笑みで答えたあと、
「きちんと躾けないといけませんので。」
そう言いながらヌットミエが、少~しイラっとしたような表情を見せている。
「ほどほどにな。」
ちょっと苦笑いながら真丸が声を掛けた。
「ええ。」
短く答えたヌットミエの表情が、消えた。
”遺跡の広場”の入り口のところに人影が見えた。
「行って下さい。」
ヌットミエの静かな、けれど重みのある声に押し出されるように2人(+カバンの中のもふぃ)が駆け出した。
通り抜けようとする2人に向かって行こうとする入り口に立つ者に、
「あなたの相手はわたしよ!」
ヌットミエが挑発するように声を掛けた。
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