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BULLET-58:手土産にしてやろう

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 □■□

 ドン!

 森の入口の方から謎の音が響いてきた。
 その音にとてつもない危険な雰囲気を感じ取ったレイガディータが、

「聞いたことのない音だねぇ。
 けど、もの凄くいやな感じの音だ。」

 楽しげな表情でつぶやいた。

 その時、コウモリ魔獣が近付いてくるのが見えた。

「ん?、あれはオーンイラ様の使い魔だねぇ。」

 近付いてきたコウモリ魔獣のために、左腕を曲げて水平にして止まり木のようにして待ち構えた。
 その腕に止まったコウモリ魔獣が、

[キンキュウショウシュウ]
[ジュウオウシュツゲン]
[スグニモドレ]

 魔獣大王オーンイラの伝言を伝え、飛び去った。
 腕を下ろしながら、

「”銃王”だと、まさか”伝説の最強武器”が現れたってのかい。」

 その伝言で、

「まさか、さっきの音がそうだってんじゃないだろうね?」

 そう思いいたった時、

「ラオスの気配が消えた、だって!?」

 イーオンラオスの気配が消えたのを感じとった。
 そして、もう1度響いた音のあと、イーオンラメスの気配が消えた。

「あいつらが、やられたってのかい。」

 目に怒りの炎をともし、怒気どきこももった声を漏らした。

「なら、”伝説の最強武器そいつ”をオーンイラ様の手土産にしてやろうじゃないか。」

 不敵な笑みを浮かべ、

「おい、こっちに来な。」

 少女を呼び寄せた。

「こいつを使えば、楽勝さね。」

 少女の頬をなでながら、

「しっかり働くんだよ、お嬢ちゃん。」

 ねっとりした声を掛けると、

「はい、姐様ねえさま
 おまかせください。」

 目の光をなくし、精神を支配された少女、アアカッタが感情のこもっていない声で返してきた。
 その時、近くに複数の人の気配を感じた。

「おや、お客さんが来たようだねぇ。
 出迎えてやんな。」

「はい、姐様ねえさま。」

 返事をしたアアカッタが森から遺跡の広場へのはいり口の方に、ふらふらした足取りで向かっていった。


 □■□

 ルゥーアがオスライオン魔獣・イーオンラオスを倒した。

『さすがは”伝説のレジェンダリー最強武器ウェポン”ですね。
 こんなにあっさり倒せてしまうとなんて。』

 ヌットミエは胸に穴を空けられ絶命しているイーオンラオスを見ながらそんな事を考えていた。
 そして、少し離れた所にいるイーオンラメスに目を向けた。
 その体からすごい気迫が感じられた。

『まだ、やる気なのですね。
 ならば、、。』

「大地の精霊に願う、その者を地に縛りつける力をお貸し下さい。
 【かせ】、つたがらませ!」 

 ヌットミエが精霊頼術たまわりを使い、イーオンラメスの両足につたを絡みつかせて動きを止めた。
 怒りの視線を向けてきたイーオンラメスに、

「わたしを忘れてもらっては困ります。」

 ヌットミエが不敵な笑みで言い返した。
 動きを止められ、

「こりゃダメだな。
 すまねぇラオス、なんも出来んかった。」

 イーオンラメスがあきらめの言葉を漏らした。
 その言葉が言い終わるのと同時に、

 ドン!

 銃声が響き、イーオンラメスの頭がふっとんだ。
 ヌットミエはルゥーアの方に目を向け、

「お疲れ様です。
 さすがは”伝説のレジェンダリー最強武器ウェポン”ですね。」

 声を掛けた。

人型ヒューマノイド形態モード。」

 ルゥーアがまんまるを人型に戻すと、

「思たよりあっさりやったな。」

 まんまるが拍子抜けって感じで返してきた。

「けど、ちょい魔力を使いすぎてもうたわ。
 ルゥーア、ご飯にしよか。」

「はい、ほぉ。」

 まんまるの言葉にルゥーアが元気に返事し、カバンから食べ物を出した。
 それを受け取ったまんまるが、

「ほな、行こか。」

 声を掛け、もぐもぐしながら森の奥へと進みだし、ルゥーアとヌットミエがあとに続いた。
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