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BULLET-48:満腹や

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 □■□

 ドアを引き開けると、上部に取り付けられている小さなかねが、

 カランカラン

 と鳴って、

「いらっしゃいませ~、空いてるお席へどうぞ!」

 女性の元気な声が店内に響きわたった。

 店の中に入った真丸まんまるとルゥーアは、

「客、らへんな。」

「です、ほぉ。」

 客がいない事に衝撃を受けた。
 すると、

「あんたら、失礼にも程があるんじゃない。
 ま、事実なんだけど、ね。」

 女性店員がお茶目な感じで話しかけてきた。

「それで、ご注文は?」

 問われたが、

「ルゥーア、どれがええかわかる?」

「ぜんぜんわからないです、ほぉ。」

「やんな、お姉さんオススメとかあります?」

 メニューを見ても料理名だけでは何かわからなかったので問い返した。

「オッケー、それじゃおまかせって事で。
 親父オヤジー、スペシャルふたつー!」

 女性店員が厨房に居る父親に声を掛けた。

「あいよー!」

 奥からおっさん声が返ってきた。

「じゃ、ちょっと待ってな。」

 そう言って、厨房の方に戻っていった。

 ・
 ・
 ・

「お待たせ、スペシャル2つだよ。」

 ルゥーアと話していたら料理が運ばれてきた。

「こ、これは!?」

 テーブルに置かれたのは、どう見てみてもオムライスな”エーグチーゴ”の上に見た目ハンバーグな”バングッハ”がドンとのせられていた。
 さらにビーフシチューの様なソースがかけられている。

 それとなんかのスープ(味は中華スープだった)、なんか見たことのある野菜のサラダ。
 
「なんや、めっさボリューミーやな。」

「うわぁ、ほんとにスペシャルです、ほぉ。」

 2人は目をスペシャルにキラキラさせて感嘆の声を漏らした。

「ごゆっくり~。」

 戻っていきながら小さく手を振る女性店員に頭を下げ、スプーンを握りしめ、

「いっただきまっす。」

「いただきます、ほぉ。」

 ちゃんと食前の挨拶をして、ひと口。

「うんま~!」

「おおお、美味しいです、ほぉ。」

 もの凄く美味しかった。
 この世界の食文化は地球のものと似た進化をしているようだ。

「うっぷ、たっぷり魔力が貯まったで。」

「うう、もうおなかぱんぱんです、ほぉ。」

 味にも量にも大満足していたら、

「はい、デザートだよ。」

 そう言って、テーブルにハーブティーっぽい飲み物と、モンブランケーキのようなものを置いていった。

「ごくり、あああ、甘いものはベツバラや。」

「です、ほぉ。」

 あっさりたいらげた。

「ふぅ、大満足すぎや。」

「ほんとにもう、これ以上は無理です、ほぉ。」

 2人がほっとしていると、真丸まんまるの頭の上の方に魔法陣が現れた。

「まんまるさん、頭の上に、ほぉ!?」

 ルゥーアの言葉に反応して頭上に目を向けた。

「ん、なんや?」

 不思議に思いながら見ていたら、そこから小さな動物が出てきて、

 ぼたっ

 顔の上に落ちてきた。

「なんやぁ!?」

 大慌てで引っぺがすと、

「もふぃ!?」

 ぐったりしたもふぃだった。
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