転生したら銃になってもた！？〜剣と魔法の世界に現れた最強兵器と飛べないフクロウ少女〜

BULLET-25：タカ人族の少女

　□■□

「着いたです、ほぉ！」

　水辺に膝をついたルゥーアの頭の上から、

「着きましたわ！」

　もふぃが嬉しそうな声と共に泉に飛び込んだ。

「はぁぁ、生き返るわ！」

　汗でべたっとなっていた体毛が、清らかな泉の水で濯すすがれていく。
　ゆったり気分で泳いでいたら、

『はっ、この気配は魔獣ですわね！？』

　複数の魔獣の気配に気付いた。

『わたしとした事が、完全に油断していましたわ。』

　失態しったいを悔くいながら岸に向かっていたら、ガサガサと音を立てて５体のサル魔獣・モッキーキが姿を現した。

『モッキーキが５体、かなりキツいわね。』

　とか考えながら、大急ぎで泉から上がると、
　
「逃げんで！」

　ルゥーアを立たせ、手を引きながら逃げようとするまんまるに、

　むにゅ

『ひゃわ！？』

　掴つかまれた。
　そのまま駆け抜けようとしたまんまるの前に１体のモッキーキが回り込んできて、逃げ道をふさがれた。
　それに反応したまんまるが”銃”になり、ルゥーアが撃った。
　けれど、しっかり外した。

『ああもう、ぜんぜん使いこなせてないわね。』

　そんな事を思いながら、

「落雷サンダーボルト！」

　銃声に驚いて動きが止まった目の前のモッキーキに雷を落とした。
　致命傷にはならなかったが、

　ドン！

　すかさず撃たれた弾丸たまが当たる、直前に別のモッキーキが蹴り飛ばし、外された。
　はずだったが、その弾丸たまが岩に当たって跳ね、蹴り飛ばされて座り込んでいたモッキーキの頭を消し飛ばした。

　□■□

「んん、なんか騒がしいな。」

　少し離れた木の上で寝ていた少女が、騒音で目を覚ました。
　音の方に目を向けると、

　ドン！

　という聞いたことのない轟音が聞こえた。

「なんや、あれ？」

　気になって目だけをタカの目にして様子を窺うかがってみた。

「ああ、モッキーキに見つかってもたみたいやな。
　って、あれは、、。」

　ある物を目にして言葉をつまらせた。

「”伝説のレジェンダリー最強武器ウェポン”、なんか！？」

　それはある目的な為に探していた物だった。
　けれど噂だけで実在するとは思っていなかった。

「ほんまにあったんや。
　ってか、それ持っててなんで苦戦してるんや。」

　そんなグダグダな戦況を見て、少女がニヤリと笑い、

「なら、オレが貰もらったる！」

　そう言うと枝を蹴って、大きく飛び出すと背中からタカの翼が現れた。

　鳥系とりけいの種族特有の鳥人バードマン形態モード（人間の体のままで翼が生え、足先が鳥足に変化した状態）に姿を変えた少女、タカ人族のアアカッタが”銃”に向かって急降下していった。