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BULLET-5:まんまる とルゥーア
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□■□
イメージ共有が上手くいったようで、正面に熊っぽいのが見える。
吠えてるようだけど、やはり音は聞こえないようだ。
『今んとこ見えるだけか。』
ちょっとがっかりしながらそんな事を考えていたら、初弾がチャンバーに入ってきたのを感じた。
これで発射準備は整った、あとは引き金を引くだけだ。
これだけ的が大きく、距離も近いからどこかには当たるだろう。
最悪、全弾撃ち込んだら倒せる、かも。
『よっしゃ、撃てー!』
声を掛けると、
「はいっ、ほぉ!」
返事とともに引き金が引かれ、
ドゴーーーン!
派手な銃声が轟いた。
「うきゃっ、ほぉー!」
と同時に少女が驚きの声を発し、銃を手放した。
発射の衝撃に耐えられなかったようだ。
ひゅるるるるん、どさ
くるくる回りながら飛んでいった真丸の視界が、再び真っ暗になった。
□■□
「うきゃっ、ほぉー!」
音に驚いて変な声が出た。
そして反動に耐えられず、銃を手放してしまった。
「うわわわ、すっごい音と衝撃だった、ほぉ!?」
驚きで丸くなった目が、
「どどど、どうなってるんだ、ほぉ!?」
さらに見開かれた。
その目には、頭部が失くなった熊っぽい魔獣の姿が映っていた。
「これ、さっきのドーンでこうなったんだ、ほぉ?
助かったんだ、ほぉ?」
魔獣を倒した。
その事実に驚く事しか出来なかった。
自分が、というより武器が。
「って、わぁ、投げ捨てちゃった、ほぉ!?」
大慌てで辺りを見回すと、少し離れた所に落ちていた。
「あああ、武器さん、ごめんなさい、ほぉ。」
ルゥーアは駆け寄ると、大事そうに持ち上げた。
□■□
真っ暗になった。
どうやら、主人となった者が触れていないと何も出来ないようだ。
ステータスも見れなくなってしまった。
出来るのは考える事だけ。
『転生したら銃になってるとか、おかしいやろ。
なんぼ銃が好きや言うても、なりたいわけないやろが。』
誰がこんな事したのか?
文句言わないと気がすまない。
とか考えていたら、突然明るくなった。
『まぶし、ってこれさっきもやったやん。』
とか突っ込んでいたら、
「助けてくれたのに、投げちゃってごめんなさい、ほぉ。
ケガ、じゃなくて壊れたりしてません、ほぉ?」
心配そうに見つめる少女の声が聞こえてきた。
改めてちゃんと顔見た。
人間の少女。
結構、可愛い。
年は同じくらい、だろうか?
『ああ、うちは頑丈やから大丈夫や。
えっと、あんた名前は?っと先に名乗るのが礼儀やったな。
うちは、』
ちょっと悩んだ。
本名をここで名乗るのは違う気がする。
それならば、これしかない。
『まんまる、や。
あんたは?』
名乗り、問いかけると、
「まんまるさん、はじめまして、ほぉ。
あてしは、ルゥーア、フクロウ人族のルゥーアです、ほぉ。」
明るい声で名乗り返してきた。
イメージ共有が上手くいったようで、正面に熊っぽいのが見える。
吠えてるようだけど、やはり音は聞こえないようだ。
『今んとこ見えるだけか。』
ちょっとがっかりしながらそんな事を考えていたら、初弾がチャンバーに入ってきたのを感じた。
これで発射準備は整った、あとは引き金を引くだけだ。
これだけ的が大きく、距離も近いからどこかには当たるだろう。
最悪、全弾撃ち込んだら倒せる、かも。
『よっしゃ、撃てー!』
声を掛けると、
「はいっ、ほぉ!」
返事とともに引き金が引かれ、
ドゴーーーン!
派手な銃声が轟いた。
「うきゃっ、ほぉー!」
と同時に少女が驚きの声を発し、銃を手放した。
発射の衝撃に耐えられなかったようだ。
ひゅるるるるん、どさ
くるくる回りながら飛んでいった真丸の視界が、再び真っ暗になった。
□■□
「うきゃっ、ほぉー!」
音に驚いて変な声が出た。
そして反動に耐えられず、銃を手放してしまった。
「うわわわ、すっごい音と衝撃だった、ほぉ!?」
驚きで丸くなった目が、
「どどど、どうなってるんだ、ほぉ!?」
さらに見開かれた。
その目には、頭部が失くなった熊っぽい魔獣の姿が映っていた。
「これ、さっきのドーンでこうなったんだ、ほぉ?
助かったんだ、ほぉ?」
魔獣を倒した。
その事実に驚く事しか出来なかった。
自分が、というより武器が。
「って、わぁ、投げ捨てちゃった、ほぉ!?」
大慌てで辺りを見回すと、少し離れた所に落ちていた。
「あああ、武器さん、ごめんなさい、ほぉ。」
ルゥーアは駆け寄ると、大事そうに持ち上げた。
□■□
真っ暗になった。
どうやら、主人となった者が触れていないと何も出来ないようだ。
ステータスも見れなくなってしまった。
出来るのは考える事だけ。
『転生したら銃になってるとか、おかしいやろ。
なんぼ銃が好きや言うても、なりたいわけないやろが。』
誰がこんな事したのか?
文句言わないと気がすまない。
とか考えていたら、突然明るくなった。
『まぶし、ってこれさっきもやったやん。』
とか突っ込んでいたら、
「助けてくれたのに、投げちゃってごめんなさい、ほぉ。
ケガ、じゃなくて壊れたりしてません、ほぉ?」
心配そうに見つめる少女の声が聞こえてきた。
改めてちゃんと顔見た。
人間の少女。
結構、可愛い。
年は同じくらい、だろうか?
『ああ、うちは頑丈やから大丈夫や。
えっと、あんた名前は?っと先に名乗るのが礼儀やったな。
うちは、』
ちょっと悩んだ。
本名をここで名乗るのは違う気がする。
それならば、これしかない。
『まんまる、や。
あんたは?』
名乗り、問いかけると、
「まんまるさん、はじめまして、ほぉ。
あてしは、ルゥーア、フクロウ人族のルゥーアです、ほぉ。」
明るい声で名乗り返してきた。
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