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BULLET-3:落ちてきたもの

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 □■□

「うそうそうそうそうそほぉーーーーー!?」

 叫び声を上げながら少女が逃げていく。
 なんかでっかいのから。

「なんで、こんなとこに、魔獣がいる、んだほぉ!?」

 少女を追いかけているのは魔獣。
 普通ならこんな街の近くに現れる事はない。
 のだが、なぜか現れ、嬉しそうに少女に迫っていた。
 ダラダラとヨダレを垂らしながら。
 食べる気満々のようだ。

「いーやーだーほぉー!」

 必死に逃げるも、

「ふぎゃほぉ。」

 コケた。
 ゆっくり顔をうしろに向ける。
 と、魔獣とばっちり目が合った。
 そして、

 ぺろり

 と舌なめずりしてる。

「目がいただきますって言ってるほぉ。
 ごめんレェーイ、お姉ちゃんもうダメっぽいほぉ。」

 誘拐された妹を捜し出し、助けるという少女・ルゥーアの旅は出発して半日で終わろうとしていた。

 ガォォォォォォォォォォン!!!

 魔獣の鳴き声が響き渡る。

「ああ、絶対”美味しそう”とか”うっひょ~”とか言ってるんだほぉ。」

 なんてことを考えてたら、

 ひゅるるるるる

 何かが落ちてきた。

 □■□

『これ、どっかに運ばれてるやんな。。』

 浮遊感の後、なんかふらふら揺れているのを感じる。
 相変わらず何も見えないし、何も聞こえないし、体は動かない。
 あるのは体感くらいのようだ。

『異世界転生ってこんなんやっけ?』

 一時期、銃が絡むラノベを読みまくった。
 けど、それ系の話はなんかスペシャルな能力を貰って、すごい活躍をしてワクワクさせてくれる。
 だから、自分もそうなんだと思ってた。
 けど、現実?はそうではなかった。

 そんな事をぐちぐち考えてたら、

 ひゅるるるるる

 落ちていくような感じがした。

『え、これ落ちてんの?
 うせやん、うちまた、、。』

 とか考えてたら、

 ゴン!

 なにかにぶつかった、みたいだ。

 □■□

 落ちてきた何かが、魔獣の頭にぶつかった。
 その何かがルゥーアの目の前に落ちてきた。

「これ、何だほぉ?」

 それは銀色に輝く見たことのない形の何かだった。
 とりあえず、つっついてみた。

「すごく硬いんだほぉ。」

 危険はなさそうだと感じ、手に取ってみた。

「結構重いほぉ。」

 手に取った物を不思議そうに見ていると、

 ガォォォォォォォォォォン!!!

 また魔獣が吠えた。
 なんかちょっと涙目になってるようだ。

「いやだほぉー!」

 ルゥーアは手の中の銀色の何かを。

 1:全力でなげる→当たる、かもしれない
 2:持って逃げる→重いしじゃま、になりそう
 3:捨てて逃げる→状況は変わらない、ような気がする

 結論、1の全力でなげる。
 これなら、何とかなる可能性がほんのちょっとはある、かもしれない。

 ルゥーアは銀色の物体をバスケットボールのスローインみたいな感じで両手で持って、体を反らして投げようとしたら、

『投げんなー!』

 頭の中に女の子の声が響いた。
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