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社会人になってから。

大人なつきあい? 5

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5分もしないうちにあきおさんの車がロータリーにはいってきた。

自分でドアをあけようとしたら急いで運転席からでてきたのであけてもらうのを待った。

「ダメだよ、自分であけちゃ。」

こういうレディーファーストはいつもだけれどくすぐったい。

「はーい。」

助手席に私が座ったのを確認するとドアを閉めて私の荷物を後部スペースにいれてからあきおさんは運転席に戻ってきた。

「おはよ、今日めっちゃかわいい♡」

あきおさんの左手が伸びてきて軽く頭を持って引き寄せられ、一瞬唇が重なった。

「お母さんが巻いてくれたの。せっかくおしゃれするならって。」

「うんうん。すごいいい♡せっかくだし、遠出しよっか。」

あきおさんは今日はチノパンにベース白の柄物の半袖シャツをきていた。
やはりブランドもので。
母の言う通りにしておいてよかったと思った。

どこに行くのかは聞かなかったけれど、クルマは高速道路にはいった。流れるBGMと二人の空間が心地よくてやはりウトウトしてしまった。
ふと気づくと高速を降りようとしていた。

「起きた?もうすぐ着くよ。」

どこについたの?とキョロキョロすると神戸のようだった。
そういえば前彼とちらっときたのも神戸だったけれど、いい思い出なんてなかった(笑)

「わぁ♡神戸ってほとんどきたことないからうれしい!」

駐車場に車を入れてランチするお店を探す。

「確かこっちに・・・・あった。ちょっとまってね。」

商店街を1本中にはいった道にあった洋食屋さんの前で足をとめ、あきおさんがドアをあけてお店の人と話している。

「りおちゃん、大丈夫みたいだからはいろう。」

「うん。」

中にはいると中庭のあるおしゃれなお店で、そのテラス席に案内された。

「ここね、前に来たことがあってお天気だとこの席がいいって聞いていたからこんど来るときにはって思ってたんだ。予約しないと無理なことが多いって聞いてたんだけど、今日はキャンセルがでてたまたまあいたところだったみたい。」

そんなに人気のあるお店なのねとキョロキョロとまわりを見渡す。

お店の中は女の子同士とかカップルが8割を占めていた。
前って奥さんか彼女かな・・・

「今、前にだれときたのかなって思ってた?」

・・・・・あ。

「ほんとりおちゃんって顔にでるねぇ(笑)」

「だって。ふつうそうでしょ。ここってきてる人女性がほとんどだし。」

「そんな感じやね。残念やけど前にきたのはヒロと大間とだよ」

えっ(笑) 辰巳さんはいいとして社長がここに?
思わずプッと笑ってしまった。

「大間のイメージないやろ?でも連れてきてくれたんは大間やねん。奥さんがここお気に入りらしくって。」

ああ、そうか。社長はとっても奥さん大好きな人だから。
忙しくても記念日とかきちんとしてそうだし、やっぱり社長みたいな人はすごいんだなぁと思った。
ここのおすすめのハンバーグランチをいただきながら、他愛もない話をした。
せっかくのお休みの日だからお互いの仕事の話はやめておこうとなったのだ。

けっこうな量があったのでおなかがいっぱいになったのでのんびりと散策しようということになったのだけど、お店を出てからあきおさんは商店街の中で公衆電話をみつけてちょっとまっててと言ってどこかに電話をかけにいった。

少し離れたところで待っていると電話はすぐに終わってあきおさんは満足気な顔でそばにきた。

結局メリケンパークに行って遊覧船に乗って神戸港を満喫。
モザイクにいっていろいろお店をみて雑貨を買ったりして楽しく過ごした。
あきおさんとふつうのデートをしたのは初めてだった。
ふたりで喫茶店にはいるのも初めて。
手をつないで歩いて、だれの目を気にすることもなく一緒にいられることがうれしかった。

ランチでお腹いっぱいだったのに入った喫茶店でスイーツまで食べてしまった。
陽が長くなってきていてまだまだ明るいのに気が付いたら17時になっていた。

「そろそろいこっか。」
というあきおさんについて駐車場に戻る。このあとどうするのかは聞いていなくて私はあきおさんの家に帰るのかと思っていた。

駐車場を出てそんなにしないうちにあきおさんの車は高級そうなホテルの地下駐車場にはいった。

「りおちゃん、はい、降りて。今日はここに泊まるよ。」

あきおさんは二人分の荷物を出してから助手席のドアをあけた。
びっくりしたのだけれど、素敵なホテルでキョロキョロしながらあきおさんについていく。

エレベーターに乗って1階につくとボーイさんが荷物を受け取る。

「ここで待ってて。」
あきおさんにそこにいるように言われて見慣れない素敵なホテル内をキョロキョロしていると声が聞こえた。

「前田さま、ご無沙汰しております。今日はご利用ありがとうございます。」

えっ??


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