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ー学生時代ー

噂の人 6

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「りおなちゃん、あなたが相談ってめずらしいよね。」

先生とふたりきりになると先生というより先輩みたいになる。
心理学は私の得意な科目でホントはそっち方面で大学に行きたかった。
だけど家の事情で短大という選択をし、それならばと小さいころからなりたかった保母さんをめざすことにした。
とはいってもやっぱり心理学の授業は特別楽しくて、すぐに先生と親しくなり、いろいろ教えてもらったりしに先生の部屋にお邪魔するようになって二人の時には名前で呼んでくれるほどになった。
今の環境では大学に進むのが難しいことを知ると先生は民間の資格をとって活動するのもいいんじゃないかとアドバイスをくれたので通信で半年勉強し、メンタルケアリストの資格をとったところだった。今はその次の上級資格の勉強中だったりする。
なのである程度のことはわかっていたのだけれど、あまり人には言っておらず、また今回のことは事が大きくなってしまったので先生に相談しようと思ったのだった。

時間もあまりないのでお弁当を食べながら時系列を追ってあったことを説明した。先生はごまかせないので私とあきおさんの関係も話した。
やはり水田さん本人の名前も出さないわけにはいかなくて話の最後に水田さんであることを告げた。

「あー、水田さん。あの子ね・・・・」

先生は名前を出したとたんに顔が曇った。
何か知ってるのかな??

「実はね、あの子、私の友達のところを一度受診しているの。継続受診を勧めたのだけれど予約したのをすっぽかしてそのままなんだって。私のところに連絡きて本人には言ったのだけど、私は大丈夫ですって聞かなくてね。友達も親御さんにも説明はしたらしいんだけど、理解してくれなかったらしくて。あの子は難しいねぇ。。。」

そうなんだ。

「強制的にはできないですもんね。」

「そうなのよ。虚言癖で片づけられる問題じゃないし、これから社会に出るんだからなんとかしてあげたかったんだけど。」

「相手側から訴えられたりして精神鑑定とかってなったりしないですか?」

「そこまでされるほどのことはおこってないと判断されるだろうねぇ。その商品の話は彼女だって断定できないしね。」

先生はため息をついてから私に言った。

「その彼とあなたがつきあってるってわかったら矛先はたぶんあなたに向くでしょうね。でも、彼女の場合、そんなに執着はなさそうなのよ。前の件で見た感じでは。だから様子見でもいいかもしれないって思う部分もあるよね」

私はケイの言った言葉を思い出した。
でも、そんなに簡単に新たな人なんてでてこないでしょ・・・・

「それに、彼女はその会社の社長から次なにかあったら警察に相談しますって言われてるんでしょ?」

「言ったとは聞きました。でもこの間私には彼が結婚しているって聞いてないとしか言わなくて、自分は被害者だってずっと思ってるみたいで。」

あきおさんは店長になる前からお店に来た時にみんなに娘さんの写真を見せたりしてみんな彼が既婚者だっていうのを知っていた。
今離婚調停中っていうことも周知の事実だ。
それをいくらシフトに入っている日が少ないとはいっても知らないということはなく、聞いてないは通らないと思う。

先生はやっぱりしばらく様子を見るのと、彼女に対しては理解できるできないは別として事実を伝え続けることのは必要なのかもと言っていた。

でも、その事実を伝えるのは誰がすればいいんだろう・・・
私???
あきおさんがしたほうがいいのかな?
でもあきおさんと彼女は会わないほうがいいような気もするんだけど。

「先生、彼と水田さんって会って話とかしたほうがいいですか?しないほうがいいですか?第三者をいれて話すのもありかなと思ったのですが。」

「そうねぇ。。。確かに第三者いれて本人から伝えるのもいいかもしれないね。今調停中なら弁護士さんはいってるよね?この件含めて相談してもらうのもひとつかも。りおなちゃんはその弁護士さんって知ってるの?」

「いえ、私はそこは関係ないことなので・・・」

「そうよねぇ。。。」

「あ、でも社長のお友達って言ってたので今日3限終わったら本社にバイトに行くので社長がいらっしゃったら確認はできると思いますけど。」

先生は私の顔をじっとみてからふふっと笑った。

「ほんとに、あなたって人たらしねぇ・・・」

「なんですか?それ。」

「人に好かれやすいってこと。本社でバイトはいって社長とも話できてって(笑)ただの学生バイトじゃそこまでないでしょ。」

「そうですか?」

「そうねぇ。。。かわいいし、頭いいし。育ちのよさもあるかな。場合によっちゃあ妬まれそうね。いじめられたりした過去あるでしょ。」

あはは・・・・いじめられたの件はあたってます(汗)

「さて、そろそろいかないと、3限はじまるわよ。」

わわわっ、そんな時間だったのね・・・

「とりあえず、公的なところをとおして対応しておいた方がいいと思うから弁護士さんに相談してもらいなさいな。水田さんについてはちょっと私も思うところがあるからまた気にしておくわ。」

「ありがとうございます。」

「はやく行きなさい、またきてね。」

先生はにこやかに部屋の扉をあけて送り出してくれた。

とりあえずは今日社長に会えたら話しておこう。

私はダッシュで教室に戻った。
途中で次の講義の先生の横をすり抜けて先に教室につくことができた。

ギリギリで戻ってきた私にケイが笑って言った。

「さすがりおちゃん、おつかれー」

いつも彼女には癒される。
だから学校は大好きだ。

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