8 / 41
第8話 覚悟
しおりを挟む僕は今、ダンジョンのコアルームで最後の調整を行っている。
さっきやったことは、このダンジョンのモンスター配置設定。
因みに配置の仕方には三種類あって、一つはそのまま階層に配置すること。これは、ただ普通に配置するモンスターの分のDPを消費するだけ。
既に配置済みのモンスターはDPを消費せずに階層のどこにでも移動させることができる。
二つ目は、その名もモンスタースポナー。このモンスタースポナーは、指定したモンスターを一定時間に何回も召喚してくれる優れものだ。……その分、お値段は元となるモンスターの、10倍分のDPが必要になりますけどね……ハハッ。
三つ目は、まだ使えない+説明が面倒くさいから無しで。
配置したモンスタースポナーは、スライムスポナーを五つ。
それからボス部屋にウルフを5体配置して、ボス部屋のボスに任命した。
それと、罠の配置は止めた。流石に一階層からは早すぎると思ったから。
宝箱は最奥と適当な部屋に3個設置する。
あぁ後、昨日の確認中に気づいたんだけど、ガチャや草原で手に入れた物が、なんとショップに追加されていた。あとショップにもレベルがあった。……最高神様レベル好きすぎない?
そこでDPを使い、今回は薬草×10を先ほど設置した宝箱にセットする。
これで、このダンジョンは薬草しか出てこないダンジョンになったね(笑)
宝箱の中身は取られると、1日経過で、宝箱へ自動的に補充されるように設定。中身が取られて空になった宝箱は、置いといてもただ悲劇を生むだけなので、中身が補充されると同時に復活するようにした。
……薬草、定期的に買っとかないと。
これで、僕がやるべき事は最後の一つを残して終わったと言える。
その最後の大仕上げの前に、昨日サポートさんから教えてもらったことを振り返ろう。
昨日、サポートさんに教えてもらったのだが。この世界にはダンジョンはあっても、ダンジョンマスターなる者は、存在しないらしい。
僕は、この世界で最初のダンジョンマスターだった。
さて、ここで一つ考えてみよう。この世界に突然変異現れた僕、ダンジョンマスターが友好的か危険な存在なのかは、この世界の住人にはわからない。
だけどこの世界、ダンジョンは普通に多く存在する。
しかし、この世界でのダンジョンへの認識は、危険なので早く攻略しなければ、か。ダンジョン都市、迷宮都市と呼ばれる場所では金のなる木という認識だった。
僕は考えた。
この二つの思想をどうにかしないと、僕はこの先、酷い未来へと向かうこと間違いなしだろうと。
どうにかして、いや。せめて、迷宮を攻略しないようにするには……と。
そして、ある方法に気づいたんだ。
僕が目をつけたのは、ユニークスキル。ダンジョン想像だった。
【ダンジョン想像】
・頭の中で思い描いたものを、DPを使って実現できる。
・ダンジョン創造があれば、ダンジョンに関係することなら、少ないDPで実現できるようになる。
これを使えば!! と思った僕は、昨日の内に自分の無い頭をフル回転させてめちゃくちゃ考えた。
僕は今から、昨日思い描いた機能を実現するために、残りほぼ全てのDPを注ぎ込む。
あー、これで失敗したらさ、僕確実に死ぬわ。うん。
成功するかは賭けだけど、頼む! 神様、仏様、最高神様!
ポチッと押した瞬間、僕の意識はそこで途切れた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)
青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。
ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。
さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。
青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる