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第8話 覚悟

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 僕は今、ダンジョンのコアルームで最後の調整を行っている。

 さっきやったことは、このダンジョンのモンスター配置設定。
 因みに配置の仕方には三種類あって、一つはそのまま階層に配置すること。これは、ただ普通に配置するモンスターの分のDPを消費するだけ。
 既に配置済みのモンスターはDPを消費せずに階層のどこにでも移動させることができる。
 二つ目は、その名もモンスタースポナー。このモンスタースポナーは、指定したモンスターを一定時間に何回も召喚スポーンしてくれる優れものだ。……その分、お値段は元となるモンスターの、10倍分のDPが必要になりますけどね……ハハッ。
 三つ目は、まだ使えない+説明が面倒くさいから無しで。

 配置したモンスタースポナーは、スライムスポナーを五つ。
 それからボス部屋にウルフを5体配置して、ボス部屋のボスに任命した。

 それと、罠の配置は止めた。流石に一階層からは早すぎると思ったから。
 宝箱は最奥ボス部屋と適当な部屋に3個設置する。

 あぁ後、昨日の確認中に気づいたんだけど、ガチャや草原で手に入れた物が、なんとショップに追加されていた。あとショップにもレベルがあった。……最高神様レベル好きすぎない?

 そこでDPを使い、今回は薬草×10を先ほど設置した宝箱にセットする。
 これで、このダンジョンは薬草しか出てこないダンジョンになったね(笑)
 宝箱の中身は取られると、1日経過で、宝箱へ自動的に補充されるように設定。中身が取られて空になった宝箱は、置いといてもただ悲劇を生むだけなので、中身が補充されると同時に復活するようにした。
 ……薬草、定期的に買っとかないと。

 これで、僕がやるべき事は最後の一つを残して終わったと言える。
 その最後の大仕上げの前に、昨日サポートさんから教えてもらったことを振り返ろう。

 昨日、サポートさんに教えてもらったのだが。この世界にはダンジョンはあっても、ダンジョンマスターなる者は、存在しないらしい。
 僕は、この世界で最初のダンジョンマスターだった。
 さて、ここで一つ考えてみよう。この世界に突然変異現れた僕、ダンジョンマスターが友好的か危険な存在なのかは、この世界の住人にはわからない。
 だけどこの世界、ダンジョンは普通に多く存在する。
 しかし、この世界でのダンジョンへの認識は、危険なので早く攻略しなければ、か。ダンジョン都市、迷宮都市と呼ばれる場所では金のなる迷宮という認識だった。

 僕は考えた。
 この二つの思想をどうにかしないと、僕はこの先、酷い未来へと向かうこと間違いなしだろうと。
 どうにかして、いや。せめて、迷宮を攻略討伐しないようにするには……と。

 そして、ある方法に気づいたんだ。
 僕が目をつけたのは、。ダンジョン想像だった。


【ダンジョン想像】

・頭の中で思い描いたものを、DPを使って実現できる。

・ダンジョン創造があれば、ダンジョンに関係することなら、少ないDPで実現できるようになる。


 これを使えば!! と思った僕は、昨日の内に自分の無い頭をフル回転させてめちゃくちゃ考えた。
 僕は今から、昨日思い描いた機能を実現するために、残りほぼ全てのDPを注ぎ込む。
 あー、これで失敗したらさ、僕確実に死ぬわ。うん。
 成功するかは賭けだけど、頼む! 神様、仏様、最高神様!



 ポチッと押した瞬間、僕の意識はそこで途切れた。



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