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平和になったんじゃないの!?
244 絆創膏をアソコに貼った私が無双して世界を救う!!
しおりを挟む二百四十四話 絆創膏をアソコに貼った私が無双して世界を救う!!
ウルゼッタと甘く激しい夜を過ごした翌日の朝。
「ねねウルゼッタ、今日私覇王お休みだしさ、久しぶりにデートでも行かない?」
ここのところウルゼッタはヤマタイ国の防衛強化にかなり協力していたこともあり、あまり2人で出かけることが出来なかったのだ。
しかしそれも先日で終了!
ヤマタイ国の防壁はルーナ秘伝の書を参考に、ルーナの考古学者・ホーリー博士たちの知識やオークたちの力仕事の手伝いも借りつつやっと完成したのだ。
これで本格的にウルゼッタと楽しい日々が待っている……私はウキウキしながらウルゼッタに尋ねた。
ーー……しかし
「あら、ナタリー今日は非番ではなくて?」
「え?」
ウルゼッタが朝早く起きて作ったのであろうお弁当を私に持たせる。
「ーー……何? これ。 ていうか非番って??」
「昨日の夜ベッドの上で話したではありませんか」
「ーー……なんか話したっけ」
「ほら、イルレシオンのことですわ」
「ーー……あ」
そういえば昨晩ウルゼッタとそんな話をしたような気がする。
確か私の代わりにイルレシオンがスキル【隠密】を使って各国を定期的に見回ってるから、少しは休ませてあげたい……だったかな。
「ーー……そういえば言ってたね」
「今は確かナルテアのどこかで偵察しているはずですわ。 上空に【苺吹雪】を軽く発動させて雪を降らせてくれればイルレシオンも気づくはずです」
「あぁああーー……」
私は一気に落ち込み膝から崩れ落ちる。
「やっとウルゼッタと一緒にデートできると思ったのにいい……」
「ほらほら、ボサッとしてたら私たちが本当に安心して暮らせる平和な世界が遠退いてしまいますわ」
ウルゼッタが私の背中をポンと叩く。
「えぇ……でも私、週休2日制じゃあ。。」
「はい。でも完全週休二日制とは言ってませんわ。【完全】が付いていないので月に1回でも週に2回休みがあれば良いのでしてよ」
ウルゼッタがニヤリと笑う。
「騙されたあああああ!!!」
「ふふ、詰めが甘かったですわね。 まぁ良いではないですか。 帰ってきたらナタリーの気の済むまでお相手させていただきますから」
ウルゼッタが私に顔を近づけて唇を軽く突く。
「ーー……え、ほんと?」
「はい。乙女に二言はありませんわ」
さすが元お姫様。飴と鞭の使い方が絶妙であっさりと手のひらの上で転がされてしまう。
「ではナタリー、まだいつどこで戦いが起こってもおかしくない状況ですわ。絆創膏をアソコに貼って……その覇王の力で世界を救ってきてくださいな」
「分かった! 絆創膏をアソコに貼った私が無双して世界を救う!!」
私はウルゼッタと熱く抱擁。
ウルゼッタの作ってくれたお弁当を片手に元気よく玄関へと一歩踏み出した。
すると……
コンコン
まだ朝も早いのに訪問者。
「誰かな」
「わかりませんわ」
首を傾げながら扉を開けると、そこにはナルテアに住む初代ハイエルフ・ナルテュの姿。
「ナルテュさん! どうしたの!?」
『覇王を名乗ってしばらく……そろそろ落ち着いた頃かと思ってな。祝いの品を持ってきたのじゃ』
「お祝い?」
そう言うとナルテュは私に1つの果実を差し出す。
「また果実じゃん!!!」
『良いではないか。妾も1人にこんなに渡したことは今まで1度たりともないのじゃから』
「まぁ……そうだけど」
ナルテュは神の果実を私に渡すとお祝いの言葉をかけてそのまま姿を消す。
「えっと……これどうしよう」
私はウルゼッタにその果実を見せる。
「良いではないですか。せっかくですわ、頂きましょうよ」
「うん。じゃあ……何が出るかな!!」
私は3回目の果実を齧る。
果実が眩しく光り出して徐々に形を変えていく。そして私の手にあったのは……
「ーー……なにこれ」
それは歯車のような小さな部品がたくさん付いた金色の腕輪。
「はめてステータスを確認しましょう」
「うん」
私はそれを腕に装着。
ステータス画面で確認することにした。
「ーー……あ、あった! 【異界転移の輪】?」
●【異界転移の輪】望んだ相手を例え世界が違っても呼び出すことができる。
「これってもしかして……」
「えぇ。それさえあれば、異界へ1人で飛んだヒミコさんや今もなおどこかで隠れているツクヨミさん……もっといえばあの世にいるであろう魔王さんですら呼び出すことが可能ってことではないのでしょうか……」
私とウルゼッタは互いに顔を見つめ合い、そして……
「「えええええええええ!!??」」
おしまい☆
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